このページでは、GKE On-Prem クラスタで使用する静的 IP の構成方法について説明します。
概要
インストール中に、GKE On-Prem 構成ファイルを生成します。その構成ファイルには、次に挙げる 2 つの ipblockfilepath
フィールドが含まれています。
admincluster.ipblockfilepath
usercluster.ipblockfilepath
ipblockfilepath
には、後述する hostconfig
構成を含む YAML ファイルへのパスが入ります。
静的 IP を使用する場合は、管理ワークステーションに 2 つの YAML ファイルを作成する必要があります。1 つは hostconfig
を含むもので管理クラスタで使用され、もう 1 つはユーザー クラスタで使用されます。
始める前に
- 管理クラスタ IP 構成には、N + 4 個以上の IP / ホスト名のペアが必要です。N は、作成するユーザー クラスタの数です。
- 高可用性ユーザー クラスタを作成することもできます。HA ユーザー クラスタは 3 つのユーザー コントロール プレーンを使用します。ユーザー コントロール プレーンを実行する各 VM には、独自の静的 IP が必要です。
例
3 つのホストを持つ hostconfig
ファイルの例を次に示します。環境により、ファイルの見た目が異なる場合があります。たとえば、ip
/ hostname
のペアを増やして ips
配列を拡張するとします。
hostconfig: dns: 8.8.8.8 # IPv4 address of DNS server used by nodes tod: 192.138.210.214 # IPv4 address of the NTP server used by the nodes blocks: - netmask: 255.255.252.0 gateway: 110.116.232.1 ips: - ip: 10.116.232.23 hostname: host1.enterprise.net # will be trimmed to host1 - ip: 10.116.232.65 hostname: host2.enterprise.net # will be trimmed to host2 - ip: 10.116.232.66 hostname: host3.enterprise.net # will be trimmed to host3
YAML ファイルには、hostconfig
と blocks
という 2 つのセクションがあります。
hostconfig
hostconfig
には、ユーザー クラスタのすべてのノードに静的に適用されるネットワーク パラメータが含まれます。hostconfig
により、次の 2 つの値が構成されます。
dns
: ノードに使用する DNS サーバーの IP アドレス。tod
: タイムサーバーの IP アドレス。
blocks
blocks
は、静的 IP アドレス ブロックの配列を格納します。現在、GKE On-Prem では IP 割り振りの最初のブロックのみが考慮されます。各ブロックは、ネットワークとその中の IP アドレスを表します。
netmask
と gateway
netmask
と gateway
は、ノードに使用するネットワーク マスクとデフォルト ゲートウェイを表します。
blocks: - netmask: 255.255.252.0 gateway: 110.116.232.1
ips
ips
配列には、割り振った IP が入ります。配列内の各オブジェクトには、IPv4 アドレスとそのホスト名が含まれます。
blocks: ... ips: - ip: [IPV4_ADDRESS] hostname: [HOSTNAME] - ip: [IPV4_ADDRESS] hostname: [HOSTNAME] - ip: [IPV4_ADDRESS] hostname: [HOSTNAME] ...
GKE On-Prem は、このブロック内の空き IP アドレスと割り当てられた IP アドレスを追跡し、1 つの使用可能な IP アドレスをユーザー クラスタ内の各ノードに割り振ります。配列内の IP アドレスの数がユーザー クラスタ内のノード数よりも厳密に多く、各 IP アドレスが環境のネットワークに対して一意であることを確認してください。
hostname
、ドメインのないローカルホスト名として解釈されます。完全修飾ドメイン名(FQDN)を指定した場合、ドメイン名は削除されます。たとえば、host1.enterprise.net
は host1
になります。hostname
の値は小文字であることが必要です。
hostconfig
ファイルを作成する
管理ワークステーションから hostconfig
ファイルを作成するには:
次のテンプレートを YAML ファイルにコピーします。
hostconfig: dns: tod: blocks: - netmask: gateway: ips: - ip: hostname: - ip: hostname: - ip: hostname:
ファイルを別の名前(
admin-cluster-hostconfig.yaml
、user-cluster-hostconfig.yaml
など)で保存します。インストール中、構成ファイルの
admincluster.ipblockfilepath
フィールドとusercluster.ipblockfilepath
フィールドを適切なファイルで変更します。
トラブルシューティング
詳しくは、トラブルシューティングを参照してください。