プライベート クラウドのリソースとアクティビティを管理する
プライベート クラウドを作成すると、その詳細情報の表示、リソースとアクティビティの管理、VMware 管理用アプライアンスへのアクセスが可能になります。各プライベート クラウドには 1 つ以上のクラスタが含まれ、各クラスタには ESXi ホストに対応するノードが含まれます。
プライベート クラウドのクラスタに適用される自動スケーリング ポリシーでは、リソースの使用量をモニタリングし、クラスタに対してノードを自動的に追加または削除します。プライベート クラウドのクラスタに対してノードを追加または削除して、プライベート クラウドを手動で拡張または縮小することもできます。たとえば、現在のニーズに基づいてプライベート クラウドを作成してから、使用量の増加に応じてノードを追加することでプライベート クラウドを拡張できます。
プライベート クラウドのリストを表示するには、まずリソースの概要ページにアクセスします。
- Google Cloud VMware Engine ポータルにアクセスします。
- メイン ナビゲーションから [リソース] に移動します。
- プライベート クラウドのリストから、管理するプライベート クラウドを選択します。
gcloud と API の要件
gcloud
コマンドライン ツールまたは API を使用して VMware Engine リソースを管理するには、以下で説明するようにツールを構成することをおすすめします。
gcloud
デフォルトのプロジェクト ID を設定します。
gcloud config set project PROJECT_ID
デフォルトのリージョンとゾーンを設定します。
gcloud config set compute/region REGION
gcloud config set compute/zone ZONE
gcloud vmware
ツールの詳細については、Cloud SDK リファレンス ドキュメントをご確認ください。
API
このドキュメント セットの API の例では、cURL
コマンドライン ツールを使用して API がクエリされています。cURL
リクエストには、有効なアクセス トークンが必要です。有効なアクセス トークンを取得するにはさまざまな方法があります。次の手順では、gcloud
ツールを使用してアクセス トークンを生成します。
Google Cloud にログインする
gcloud auth login
アクセス トークンを生成して TOKEN にエクスポートする
export TOKEN=`gcloud auth print-access-token`
TOKEN が正しく設定されていることを確認する
echo $TOKEN Output: TOKEN
API へのリクエストで認証トークンを使用します。次に例を示します。
curl -X GET -H "Authorization: Bearer \"$TOKEN\"" -H "Content-Type: application/json; charset=utf-8" https://vmwareengine.googleapis.com/v1/projects/PROJECT_ID/locations
Python
このドキュメントの Python コードサンプルは、VMware Engine ライブラリを使用して API と通信します。このアプローチを使用するには、ライブラリをインストールし、アプリケーションのデフォルト認証情報を構成する必要があります。
Python ライブラリをダウンロードしてインストールする
pip install google-cloud-vmwareengine
シェルで次のコマンドを実行して、アプリケーションのデフォルト認証情報を構成する
gcloud auth application-default login
または、サービス アカウント キー ファイルを使用する
export GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS="FILE_PATH"
ライブラリの詳細については、リファレンス ページまたは GitHub のコードサンプルをご覧ください。
IP アドレスのレイアウト バージョンを確認する
2022 年 11 月以降に作成されたプライベート クラウドには、IP アドレス レイアウト(IP プラン)バージョン 2.0 のサブネット割り振りが適用されます。2022 年 11 月より前に作成されたほとんどのプライベート クラウドには、IP プラン バージョン 1.0 のサブネット割り振りが適用されます。
プライベート クラウドが準拠しているバージョンを確認するには、次の手順を完了します。
- Google Cloud VMware Engine ポータルにアクセスします。
- [リソース] ページで、[概要] をクリックします。
バージョン番号が [IP プランのバージョン] に表示されます。
プライベート クラウドの概要の表示
概要には、名前、vSphere クラスタの数、ノード数、ロケーション、運用状態など、プライベート クラウドに関する情報が表示されます。概要ページには、プライベート クラウドにデプロイされた DNS サーバーが含まれます。
プライベート クラウドの概要ページから、次の操作を行えます。
- vSphere Client の起動。このプライベート クラウドの vCenter にアクセスします。
- ノードの追加。このプライベート クラウドにノードを追加します。
- クラスタの追加。このプライベート クラウドに新しいクラスタを追加します。
- カスタムコア数の構成を設定したクラスタの作成。カスタムコア数の構成を設定した新しいクラスタを作成します。
- ノードの削除。このプライベート クラウドからノードを削除します。
- プライベート クラウドの削除。すべての VM、vCenter 構成、データを含むプライベート クラウドを削除します。削除する前に、すべてのシステムとデータをバックアップしてください。
- vSphere 権限の変更。このプライベート クラウド上で特定のタスクを実行するように権限を昇格させます。
- DNS サーバーの IP アドレスのコピー。プライベート クラウドの DNS サーバーのリストを取得します。オンプレミスの DNS サーバーからプライベート クラウド DNS サーバーへの DNS 転送を設定できます。DNS 転送の詳細については、オンプレミス ワークステーションからプライベート クラウド vCenter へアクセスするための名前解決用 DNS を構成するをご覧ください。
プライベート クラウドへのノードの追加
プライベート クラウドは、1 つ以上の vSphere クラスタで構成され、各クラスタには複数のノードが含まれています。プライベート クラウドにノードを追加する場合は、既存のクラスタにノードを追加するか、新しいクラスタを作成します。プライベート クラウドは、全体のノード上限を超えない限り何度でも拡張できます。プライベート クラウドを拡張するたびに、既存のクラスタに追加するか、新しいクラスタを作成します。
新しいクラスタ構成の一部として、Google は VMware インフラストラクチャを構成します。この設定には、vSAN ディスク グループ、VMware 高可用性、分散リソース スケジューラ(DRS)のストレージ設定が含まれます。
プライベート クラウドにノードを追加する手順は次のとおりです。
コンソール
- プライベート クラウドの概要ページで、[Add Nodes] をクリックします。
- 既存のクラスタの 1 つノードを追加するか、新しい vSphere クラスタを作成するかを選択します。変更を加えると、そのページの概要情報が更新されます。
- 既存のいずれかのクラスタにノードを追加するには、[Add nodes to existing] を選択します。拡張するクラスタを選択して、追加するノードの数を入力します。
- 新しいクラスタを追加するには、[Create new] を選択します。続いて、次の詳細情報を指定します。
- クラスタの名前を入力します。
- 既存の vSphere データセンターを選択するか、新しいデータセンターを作成するための名前を入力します。
- ノード数を選択します。新しいクラスタごとに最低 3 つのノードが必要です。
- 省略可: 管理クラスタ内の各ノードで使用可能なコア数を減らすには、[Customize Cores] トグルをクリックします。詳細については、カスタムコア数をご覧ください。
- [送信] をクリックします。
gcloud
update コマンドを使用すると、クラスタの合計ノード数を変更できます。このコマンドには、クラスタとプライベート クラウドの名前が必要です。
クラスタを一覧表示します。
gcloud vmware private-clouds clusters list \ --private-cloud=PC_NAME \ --location=ZONE
クラスタを更新します。たとえば、次のコマンドはノード数を 4 に変更します。
gcloud vmware private-clouds clusters update CLUSTER_NAME \ --location=ZONE \ --private-cloud=PC_NAME --node-type-config=type=standard-72,count=4
次のように置き換えます。
CLUSTER_NAME
: このプライベート クラウドで更新するクラスタの名前ZONE
: プライベート クラウドのゾーンPC_NAME
: プライベート クラウドの名前PROJECT_ID
: このリクエストのプロジェクト ID
API
更新 API を使用すると、クラスタの合計ノード数を変更できます。このコマンドには、クラスタとプライベート クラウドの名前が必要です。
クラスタを一覧表示します。
curl -L -X GET -H "Authorization: Bearer TOKEN" "https://vmwareengine.googleapis.com/v1/projects/PROJECT_ID/locations/ZONE/privateClouds/PC_NAME/clusters"
クラスタを更新します。たとえば、次のコマンドではクラスタを
standard-72
に更新し、ノード数を 4 に変更します。curl -L -X PATCH -H "Authorization: Bearer TOKEN" \ -H "Content-Type: application/json" \ "https://vmwareengine.googleapis.com/v1/projects/PROJECT_ID/locations/ZONE/privateClouds/PC_NAME/clusters/CLUSTER_NAME?updateMask=node_type_configs.*.node_count" \ -d '{ "nodeTypeConfigs": { "standard-72" : { "nodeCount": 4 } } }'
次のように置き換えます。
PROJECT_ID
: このリクエストのプロジェクト IDZONE
: プライベート クラウドのゾーンPC_NAME
: プライベート クラウドの名前CLUSTER_NAME
: このプライベート クラウドで更新するクラスタの名前
Python
クラスタの更新メソッドを使用して、クラスタの合計ノード数を変更できます。このメソッドには、クラスタとプライベート クラウドの名前が必要です。
- クラスタを一覧表示します。
- クラスタを更新します。次のメソッドを使用して、クラスタ内の
standard-72
ノードの数を変更できます。
プライベート クラウドに新しいクラスタを追加する
既存のプライベート クラウドに新しいクラスタを追加する手順は次のとおりです。
gcloud
新しいクラスタを追加して名前を付けます。次に例を示します。
gcloud vmware private-clouds clusters create CLUSTER_NAME \ --location=ZONE --private-cloud=PC_NAME \ --node-type-config=type=standard-72,count=4
API
新しいクラスタを追加して名前を付けます。次に例を示します。
curl -L -X POST -H "Authorization: Bearer TOKEN" -H "Content-Type: application/json" \ "https://vmwareengine.googleapis.com/v1/projects/PROJECT_ID/locations/ZONE/privateClouds/PC_NAME/clusters?clusterId=CLUSTER_NAME" \ -d '{ "nodeTypeConfigs": { "standard-72": { "nodeCount": 4 } } }'
Python
新しいクラスタを追加して名前を付けます。
カスタムコア数の構成を設定した新しいクラスタを作成する
カスタムコア数の構成を設定した新しいクラスタを作成するには、次の操作を行います。
gcloud
新しいクラスタを追加し、コア数の構成を指定します。たとえば、次の例では、3 つのノードを含み、カスタムコア数が 28 に設定された standard-72
ノードタイプの新しいクラスタを作成します。
gcloud vmware private-clouds clusters create CLUSTER_NAME \ --location=ZONE \ --private-cloud=PC_NAME \ --node-type-config=type=standard-72,count=4,custom-core-count=28
API
新しいクラスタを追加し、コア数の構成を指定します。たとえば、次の例では、4 つのノードを含み、カスタムコア数が 28 に設定された standard-72
ノードタイプの新しいクラスタを作成します。
curl -L -X POST -H "Authorization: Bearer TOKEN" -H "Content-Type: application/json" \ "https://vmwareengine.googleapis.com/v1/projects/PROJECT_ID/locations/ZONE/privateClouds/PROJECT_ID/clusters?clusterId=CLUSTER_NAME" \ -d '{ "nodeTypeConfigs": { "standard-72": { "nodeCount": 4, "customCoreCount": 28 } } }'
Python
新しいクラスタを追加し、コア数の構成を指定します。たとえば、次の例では、構成可能なノード数とコア数が設定された standard-72
ノードタイプの新しいクラスタを作成します。
ノードまたはクラスタの削除
プライベート クラウドからノードを削除する場合は、既存のクラスタからノードを削除するか、クラスタ全体を削除します。
プライベート クラウドからノードを削除するには、いくつかのノードでクラスタを更新します。
コンソール
- プライベート クラウドの概要ページで、[Remove nodes] をクリックします。
- 縮小または削除するクラスタを選択します。
- [Remove one node] を選択します。
- クラスタの容量を確認します。
- [Submit] をクリックすると、ノードの削除プロセスが開始されます。
進行状況をモニタリングするには、[Activity] > [Tasks] の順に選択します。このプロセスでは、vSAN での再同期が必要であり、データによっては数時間かかることがあります。
gcloud
gcloud vmware private-clouds clusters update CLUSTER_NAME \ --location=ZONE \ --private-cloud=PC_NAME --node-type-config=type=standard-72,count=3
API
curl -L -X PATCH -H "Authorization: Bearer TOKEN" \ -H "Content-Type: application/json" \ "https://vmwareengine.googleapis.com/v1/projects/PROJECT_ID/locations/ZONE/privateClouds/PC_NAME/clusters/CLUSTER_NAME?update_mask=node_type_configs.*.node_count" \ -d '{ "nodeTypeConfigs": { "standard-72" : { "nodeCount": 3 } } }'
Python
クラスタ全体を削除するには、次の操作を行います。
コンソール
- プライベート クラウドの概要ページで、[Remove nodes] をクリックします。
- 縮小または削除するクラスタを選択します。
- [Delete the whole cluster] を選択します。
- クラスタの容量を確認します。
- [Submit] をクリックすると、ノードの削除プロセスが開始されます。
gcloud
gcloud vmware private-clouds clusters delete CLUSTER_NAME \ --location=ZONE \ --private-cloud=PC_NAME
API
curl -L -X DELETE -H "Authorization: Bearer TOKEN" \ -H "Content-Type: application/json" \ "https://vmwareengine.googleapis.com/v1/projects/PROJECT_ID/locations/ZONE/privateClouds/PC_NAME/clusters/CLUSTER_NAME"
Python
制限事項
プライベート クラウドからノードを削除するプロセスには、次の制約があります。
- vSphere クラスタには 3 つ以上のノードが必要です。ノード数が 3 つ以下のクラスタからノードを削除することはできません。
- 使用した総容量は、クラスタからノードを削除した後の合計容量を超えることはありません。
- プライベート クラウドの作成時に作成された最初のクラスタは削除できません。
- vSphere DRS ルール(アフィニティと反アフィニティ)がクラスタのすべてのノードに適用されている場合、クラスタからノードを削除することはできません。ルールを削除して、ノード削除オペレーションを再試行できます。
サブネットの表示
プライベート クラウド用に定義された管理サブネットのリストを表示するには、[Subnets] タブを選択します。このリストには、プライベート クラウドの作成時に作成された HCX サブネットが含まれます。サブネットのリストには、各サブネットに関連付けられたファイアウォール テーブルも含まれています。
アクティビティ情報の表示
プライベート クラウドのアクティビティ情報を表示するには、[Activity] タブを選択します。表示される情報は、プライベート クラウドのすべてのアクティビティをフィルタリングしたリストです。このページには、最近のアクティビティが 25 件まで表示されます。アクティビティとそれらに関連する操作の全一覧については、VMware Engine アクティビティのモニタリングをご覧ください。
vSphere 管理ネットワークの表示
プライベート クラウドで現在構成されている VMware 管理リソースと仮想マシンのリストを表示するには、[vSphere Management Network] タブを選択します。情報には、ソフトウェア バージョン、完全修飾ドメイン名(FQDN)、リソースの IP アドレスが含まれます。