このドキュメントでは、バケットスコープのログベースの指標の特性の概要と、プロジェクト スコープのログベースの指標との違いについて説明します。
バケットスコープのログベースの指標の特性
バケットスコープのログベースの指標は、特定のログバケットに転送されたログエントリを評価するユーザー定義のログベースの指標です。バケットスコープのログベースの指標を使用すると、以下の場合にログからデータを抽出するログベースの指標を作成できます。
- あるプロジェクトから別のプロジェクトのバケットに転送されるログ。
- 集約シンクを介してバケットに転送されるログ。
プロジェクト スコープのログベースの指標と同様に、バケット スコープのログベースの指標は、フォルダレベルまたは組織レベルではなく、Google Cloud プロジェクト内で定義されます。ログエントリがバケットにルーティングされたフォルダまたは組織を追跡する場合は、ログベースの指標に情報を定義してその情報を記録できます。
- ログベースの指標については、ログベースの指標の概要をご覧ください。
- 転送とシンクについては、転送とストレージの概要をご覧ください。
バケットスコープのログベースの指標には、プロジェクト スコープのログベースの指標とはいくつかの違いがあります。
プロジェクトと指標スコープ
バケットスコープのログベースの指標は、ソースバケットを含む同じプロジェクトで定義されます。デフォルトでは、バケットをスコープとするログベースの指標を定義するプロジェクトのみが、ログバケットの指標データを表示できます。ただし、プロジェクトが他のプロジェクトの指標スコープに表示されている場合は、それらのプロジェクトも指標を表示できます。
ログをバケットに転送する Google Cloud プロジェクトは、どのプロジェクトの指標スコープにも存在する必要がありません。
ログベースの指標と指標のスコープの詳細については、指標スコープの可視性をご覧ください。
ログがバケットで受信されると、派生したログ指標データは、その指標スコープがバケットのプロジェクトを含む任意のプロジェクトに表示されます。プロジェクトのルーティング ログがどのプロジェクトの指標スコープにもない場合、ルーティング プロジェクトの他の情報は表示されません。
バケットスコープのログベースの指標を使用する場合は、次のステートメントが適用されます。
- 宛先バケットを使用して、プロジェクトのログベースの指標を定義します。
- バケットスコープのログベースの指標は、ログがバケットと同じプロジェクトからのものか、別のプロジェクトからのものかに関係なく、バケットにルーティングされたすべてのログエントリを評価します。
- 指標データは、その指標スコープがバケットを持つプロジェクトを含む他のプロジェクトに表示されます。
- プロジェクトのルーティング ログは、プロジェクトの指標スコープに存在する必要はありません。
モニタリング対象のリソースタイプ:logging_bucket
バケットスコープのログベースの指標では、時系列データを Cloud Monitoring に書き込むときに、モニタリング対象リソースタイプ logging_bucket
が使用されます。logging_bucket
リソースタイプには、次のラベルが含まれます。
project_id
: Google Cloud プロジェクトの識別子(my-test-project
のような文字列)。bucket_id
: ログベースの指標に関連付けられたログバケットの名前(文字列:my-test-bucket
)。location
: ログバケットのロケーション。monitored_resource_type
: このログエントリを生成したモニタリング対象リソースのタイプ。この値は、ログエントリのresource
フィールドに含まれるMonitoredResource
構造のtype
フィールドから取得されます。source_resource_container
: ログエントリの送信元のプロジェクト、フォルダ、または組織の識別子。次のいずれかの形式の文字列です。projects/PROJECT_ID
organizations/ORGANIZATION_ID
folders/FOLDER_ID