Firestore を使用する前に、データベースのロケーションを選択する必要があります。レイテンシを低減して可用性を高めるために、データを必要とするユーザーとサービスに近いロケーションにデータを保存するようにします。このロケーション設定が、プロジェクトのデフォルトの Google Cloud Platform(GCP)リソース ロケーションになります。
デフォルトの GCP リソース ロケーションは、以前(プロジェクトの作成時か、ロケーション設定が必要である別のサービスの設定時)に設定されている可能性があります(下記参照)。
デフォルトの GCP リソース ロケーション
アプリで使用できる一部のサービスでは、プロジェクトのデフォルトの Google Cloud Platform(GCP)リソース ロケーションと呼ばれるロケーションを設定する必要があります。ロケーションを設定する必要がある GCP サービスのデータは、このロケーションに保存されます。
以下のプロダクトは、同じデフォルトの GCP リソース ロケーションを共有しています。
Firestore
Cloud Storage
デフォルトの GCP リソース ロケーションは、デフォルトの Cloud Storage バケットにのみ適用されます。それぞれ独自のロケーションを使用する複数のバケットを作成できます。Google App Engine(GAE)アプリ
App Engine アプリを設定すると、そのロケーションはデフォルトの GCP リソース ロケーションを共有します。Cloud Scheduler を使用する場合(たとえばスケジュール設定された関数を実行する場合)、プロジェクトに App Engine アプリを配備する必要があります。
ロケーションの種類
Firestore のデータは、マルチリージョン ロケーションまたはリージョン ロケーションに保存できます。
us-central
または europe-west
のいずれかのロケーションを使用する App Engine アプリをすでに導入している場合、Firestore データベースはマルチリージョンとみなされます。
マルチリージョン ロケーション
マルチリージョン ロケーションは、米国などの地理的なエリアを表しています。マルチリージョン ロケーションのデータは、複数のリージョンに複製されます。リージョン内においては、データはゾーン間で複製されます。
データベースの可用性と耐久性を最大限にする場合は、マルチリージョンのロケーションを選択します。マルチリージョンのロケーションでは、リージョン全体が消失しても、データを失うことなく可用性を維持できます。
Firestore は、次のマルチリージョン GCP リソース ロケーションをサポートしています。マルチリージョン名 | マルチリージョンの説明 | 構成リージョン |
---|---|---|
eur3 |
ヨーロッパ | europe-west1 、europe-west4 |
nam5 |
米国 | us-central1 、us-central2 (オクラホマ - 非公開の GCP リージョン) |
リージョン ロケーション
リージョン ロケーションは、サウスカロライナなどの特定のロケーションを表します。リージョン ロケーションのデータは、リージョン内の複数のゾーンに複製されます。すべてのリージョン ロケーションは、他のロケーションから 160 km 以上離れています。
アプリケーションでレイテンシが重要な場合や、他の GCP リソースとのコロケーションが必要な場合は、費用や書き込みレイテンシを抑えるためにリージョン ロケーションを選択します。
Firestore は、次のリージョン GCP リソース ロケーションをサポートしています。リージョン名 | リージョンの説明 | |
---|---|---|
北アメリカ | ||
us-west2 | ロサンゼルス | |
us-west3 | ソルトレイクシティ | |
us-west4 | ラスベガス | |
northamerica-northeast1 | モントリオール | |
us-east1 | サウスカロライナ | |
us-east4 | 北バージニア | |
南アメリカ | ||
southamerica-east1 | サンパウロ | |
ヨーロッパ | ||
europe-west2 | ロンドン | |
europe-west3 | フランクフルト | |
europe-west6 | チューリッヒ | |
アジア | ||
asia-south1 | ムンバイ | |
asia-southeast2 | ジャカルタ | |
asia-east2 | 香港 | |
asia-northeast1 | 東京 | |
asia-northeast2 | 大阪 | |
asia-northeast3 | ソウル | |
オーストラリア | ||
australia-southeast1 | シドニー |
ロケーション SLA
Firestore のロケーションの種類によって、サービスレベル契約(SLA)の稼働率が決まります。
対象サービス | 各月の稼働率 |
---|---|
Firestore マルチリージョン | 99.999% 以上 |
Firestore リージョン | 99.99% 以上 |
ロケーションの料金
Firestore のロケーションによって、データベース オペレーションの料金が決まります。
リージョン別とリージョン タイプ別の料金の詳細については、Firestore の課金についてをご覧ください。
プロジェクトのロケーション設定を表示する
プロジェクトのロケーション設定を表示するには、次のいずれかの方法を使用します。
gcloud app describe
コマンドを実行します。アクティブな App Engine アプリがある場合は、Google Cloud Console で App Engine ダッシュボードを開きます。ダッシュボードの右上隅に表示されるロケーションの情報は、App Engine と Firestore の両方に該当します。
Firebase コンソールで、[プロジェクトの設定] に移動します。
次のステップ
- 特定のロケーションに Firestore データベースを作成するには、Firestore クイックスタートのいずれかにアクセスしてください。
- レイテンシ、可用性、耐久性の要件を満たすアプリケーションの構築について詳しくは、地域とリージョンをご覧ください。