API Gateway と Cloud Run のスタートガイド
このページでは、API Gateway を設定して Cloud Run バックエンド サービスを管理、保護する方法について説明します。
タスクリスト
次のタスクリストを参照しながら、チュートリアルを実施してください。Cloud Run バックエンド サービス用の API Gateway をデプロイするには、すべてのタスクを行う必要があります。
- Google Cloud プロジェクトを作成または選択する。
- 独自の Cloud Run をデプロイしていない場合は、サンプル サービスをデプロイします。始める前にのステップ 7 をご覧ください。
- 必要な API Gateway サービスを有効にします。
- API を記述する OpenAPI 仕様を作成し、Cloud Run バックエンド サービスへのルートを構成します。API 構成の作成をご覧ください。
- API 構成を使用して API Gateway をデプロイします。API Gateway のデプロイをご覧ください。
- サービスに対するアクティビティを追跡します。API の活動を追跡するをご覧ください。
- Google Cloud アカウントへの課金が発生しないようにします。クリーンアップをご覧ください。
準備
Google Cloud コンソールで [ダッシュボード] ページに移動し、Google Cloud プロジェクトを選択または作成します。
プロジェクトに対して課金が有効になっていることを確認します。
このチュートリアルで使用するプロジェクト ID をメモしておきます。このページでは以降、このプロジェクト ID を PROJECT_ID として記載します。
Google Cloud CLI をダウンロードしてインストールします。
gcloud
コンポーネントを更新します。gcloud components update
デフォルト プロジェクトを設定します。PROJECT_ID は、実際の Google Cloud プロジェクト ID に置き換えます。
gcloud config set project PROJECT_ID
独自の Cloud Run サービスをデプロイしていない場合は、クイックスタート: 事前にビルドされたサンプル コンテナのデプロイの手順に沿って Google Cloud プロジェクトを選択または作成し、サンプル バックエンドをデプロイします。アプリの URL、アプリがデプロイされているリージョンとプロジェクト ID をメモします。
必要なサービスを有効にする
API Gateway では、次の Google サービスを有効にする必要があります。
名前 | タイトル |
---|---|
apigateway.googleapis.com |
API Gateway API |
servicemanagement.googleapis.com |
Service Management API |
servicecontrol.googleapis.com |
Service Control API |
必要なサービスが有効になっていることを確認するには:
gcloud services list
必要なサービスが表示されない場合は、次のコマンドを使用してサービスを有効にします。
gcloud services enable apigateway.googleapis.comgcloud services enable servicemanagement.googleapis.com
gcloud services enable servicecontrol.googleapis.com
gcloud
サービスの詳細については、gcloud
サービスをご覧ください。
API 構成の作成
API ゲートウェイを使用してデプロイされた Cloud Run バックエンドへのトラフィックを管理する前に、API 構成が必要です。
特殊なアノテーションを含む OpenAPI 仕様を使用して API 構成を作成し、必要な API Gateway の動作を定義できます。API Gateway がアプリを呼び出すために必要な情報を取得できるよう、このドキュメントには各 Cloud Run アプリの URL を設定した Google 固有のフィールドも追加する必要があります。
openapi2-run.yaml
という名前のテキスト ファイルを作成します(便宜上、このページでは OpenAPI 仕様をこのファイル名で表記していますが、必要に応じて別の名前を指定することもできます)。- 以下のように、
openapi2-run.yaml
ファイルのpaths
セクションに各アプリを一覧表示します。# openapi2-run.yaml swagger: '2.0' info: title: API_ID optional-string description: Sample API on API Gateway with a Cloud Run backend version: 1.0.0 schemes: - https produces: - application/json x-google-backend: address: APP_URL paths: /assets/{asset}: get: parameters: - in: path name: asset type: string required: true description: Name of the asset. summary: Assets operationId: getAsset responses: '200': description: A successful response schema: type: string /hello: get: summary: Cloud Run hello world operationId: hello responses: '200': description: A successful response schema: type: string
title
フィールドで、API_ID を API の名前に置き換え、optional-string を任意の簡単な説明に置き換えます。API が存在しない場合は、API Config を作成するためのコマンドによって、指定した名前の API も作成されます。title
フィールドの値は、この API へのアクセス権を付与する API キーを作成する際に使用されます。API の命名ガイドラインについては、API ID の要件をご覧ください。x-google-backend
セクションのaddress
フィールドで、APP_URL を Cloud Run サービスの実際の URL(呼び出された API のフルパス)に置き換えます。例:https://hello-abc1def2gh-uc.a.run.app
。- 次のコマンドを入力します。ここで、
- CONFIG_ID は API 構成の名前を指定します。
- API_ID は API の名前を指定します。 API が存在しない場合は、このコマンドによって作成されます。
- PROJECT_ID は Google Cloud プロジェクトの名前を指定します。
- SERVICE_ACCOUNT_EMAIL には、認証が構成されたバックエンドのトークンの署名に使用するサービス アカウントを指定します。詳細については、サービスアカウントを作成するをご覧ください。
gcloud api-gateway api-configs create CONFIG_ID \ --api=API_ID --openapi-spec=openapi2-run.yaml \ --project=PROJECT_ID --backend-auth-service-account=SERVICE_ACCOUNT_EMAIL
API 構成がダウンストリームのシステムに伝播される際に、このオペレーションが完了するまでに数分を要する場合があります。複雑な API 構成の作成が正常に完了するまでに最大 10 分を要する場合があります。
- API 構成が作成されたら、次のコマンドを実行して詳細を表示できます。
gcloud api-gateway api-configs describe CONFIG_ID \ --api=API_ID --project=PROJECT_ID
API Gateway のデプロイ
これで、API Gateway に API をデプロイできるようになりました。API Gateway に API をデプロイすると、API クライアントが API へのアクセスに使用できる外部 URL も定義されます。
次のコマンドを実行して、作成した API 構成を API Gateway にデプロイします。
gcloud api-gateway gateways create GATEWAY_ID \ --api=API_ID --api-config=CONFIG_ID \ --location=GCP_REGION --project=PROJECT_ID
ここで
- GATEWAY_ID はゲートウェイの名前を指定します。
- API_ID は、このゲートウェイに関連付けられた API Gateway API の名前を指定します。
- CONFIG_ID は、ゲートウェイにデプロイされた API 構成の名前を指定します。
GCP_REGION は、デプロイされたゲートウェイの Google Cloud リージョンです。
PROJECT_ID は Google Cloud プロジェクトの名前を指定します。
正常に完了したら、次のコマンドを使用してゲートウェイの詳細を表示します。
gcloud api-gateway gateways describe GATEWAY_ID \ --location=GCP_REGION --project=PROJECT_ID
このコマンドの出力で、defaultHostname
プロパティの値をメモします。これは、次のステップでデプロイのテストに使用するゲートウェイ URL のホスト名部分です。
API デプロイのテスト
これでゲートウェイのデプロイ時に生成された URL を使用して API にリクエストを送信できるようになりました。
ウェブブラウザに次の URL を入力します。
- DEFAULT_HOSTNAME は、デプロイするゲートウェイ URL のホスト名の部分を指定します。
hello
は、API 構成で指定されたパスです。
https://DEFAULT_HOSTNAME/hello
次に例を示します。
https://my-gateway-a12bcd345e67f89g0h.uc.gateway.dev/hello
アプリを実行する Cloud Run コンテナがブラウザに表示されます。
Success! API Gateway は Cloud Run バックエンド サービスへのアクセスを管理しています。
API の活動を追跡する
Google Cloud コンソールの [API Gateway] ページで API のアクティビティ グラフを確認します。API をクリックして、[概要] ページにアクティビティ グラフを表示します。グラフにリクエストが反映されるまでにしばらく時間がかかる場合があります。
[ログビューア] ページで API のリクエストログを確認します。[ログ エクスプローラ] ページへのリンクは、Google Cloud コンソールの [API Gateway] ページにあります。
[API Gateway] ページで次の操作を行います。- 表示する API を選択します。
- [詳細] タブをクリックします。
- [ログ] の下にあるリンクをクリックします。
クリーンアップ
このクイックスタートで使用したリソースについて、Google Cloud アカウントに課金されないようにするには、次の手順を行います。
このチュートリアルで使用した Google Cloud プロジェクトの削除もできます。