大規模言語モデル(LLM)は、さまざまな問題の解決に効果的です。ただし、次のような制限があります。
- トレーニングが完了するとその後は更新されないため、知識が最新ではなくなります。
- 外部データのクエリや変更はできません。
関数呼び出しを使用すると、こうした欠点を克服することができます。関数呼び出しは「ツールの使用」と呼ばれることもあります。これは、関数呼び出しによってモデルが API や関数などの外部ツールを使用できるためです。
ユーザーは、LLM にプロンプトを送信するときに、モデルがプロンプトへの応答に使用できる一連のツールも提供します。たとえば、関数 get_weather
を提供できます。この関数は、位置情報パラメータを受け取り、その場所の天候に関する情報を返します。
モデルはプロンプトの処理中に、ユーザー指定の関数に特定のデータ処理タスクを委任できます。モデルは関数を直接呼び出しません。代わりに、呼び出す関数と使用するパラメータ値を含む構造化データの出力を提供します。たとえば、「What is the weather like in Boston?
」というプロンプトの場合、モデルは処理を get_weather
関数に委任し、位置情報パラメータの値 Boston, MA
を渡します。
モデルからの構造化出力を使用して、外部 API を呼び出すことができます。たとえば、天気予報サービスの API に接続し、場所 Boston, MA
を渡して、気温、雲量、風の状態などの情報を取得できます。
その後、API の出力をモデルに提供し、プロンプトに対する回答を完成させることができます。この天気の例では、モデルは「It is currently 38 degrees Fahrenheit in Boston, MA with partly cloudy skies.
」という回答を返す可能性があります。
サポートされているモデル
次のモデルは関数呼び出しをサポートしています。
モデル | バージョン | 関数呼び出しのリリース ステージ | 並列関数呼び出しのサポート | 強制関数呼び出しのサポート |
---|---|---|---|---|
Gemini 1.0 Pro | all versions |
一般提供 | × | × |
Gemini 1.5 Flash | all versions |
一般提供 | ○ | ○ |
Gemini 1.5 Pro | all versions |
一般提供 | ○ | ○ |
関数呼び出しのユースケース
関数呼び出しは、次のようなタスクに使用できます。
ユースケース | 例の説明 | 例のリンク |
---|---|---|
外部 API と統合する | 気象 API を使用して天気情報を取得する | ノートブックのチュートリアル |
住所を緯度経度の座標に変換する | ノートブックのチュートリアル | |
為替 API を使用して通貨を換算する | Codelab | |
高度な chatbot を構築する | プロダクトやサービスに関するお客様の質問に回答する | ノートブックのチュートリアル |
企業の財務情報やニュースに関する質問に回答するアシスタントを作成する | ノートブックのチュートリアル | |
関数呼び出しを構造化して制御する | 未加工のログデータから構造化されたエンティティを抽出する | ノートブックのチュートリアル |
ユーザー入力からパラメータを抽出する | ノートブックのチュートリアル | |
関数呼び出しでネストされたデータ構造とリストを処理する | ノートブックのチュートリアル | |
関数呼び出しの動作を処理する | 並列関数呼び出しとレスポンスを処理する | ノートブックのチュートリアル |
モデルが呼び出せる関数とそのタイミングを管理する | ノートブックのチュートリアル | |
自然言語でデータベースにクエリを実行する | 自然言語の質問を BigQuery の SQL クエリに変換する | サンプルアプリ |
マルチモーダル関数呼び出し | 入力として画像、動画、音声、PDF を使用して関数呼び出しをトリガーする | ノートブックのチュートリアル |
さらに、次のようなユースケースもあります。
音声コマンドを解釈する: 車載機能に対応する関数を作成します。たとえば、ラジオをオンにする関数や、エアコンをつける関数を作成できます。ユーザーのコマンドの音声ファイルをモデルに送信し、モデルに対して音声をテキストに変換してユーザーが呼び出したい関数を特定するように指示します。
環境的なトリガーに基づいてワークフローを自動化する: 自動化できるプロセスを表す関数を作成します。環境センサーからのデータをモデルに提供し、モデルに対してそのデータを解析、処理して1 つ以上のワークフローを起動すべきかどうかを判断するように指示します。たとえば、モデルが倉庫内の温度データを処理してスプリンクラー機能を起動するといったプロセスが可能です。
サポート チケットの割り当てを自動化する: サポート チケット、ログ、コンテキストアウェア ルールをモデルに提供します。モデルに対して、チケットを割り当てるユーザーを判断するためにこれらの情報をすべて処理するように指示します。チケットをモデルによって提案された人に割り当てる関数を呼び出します。
ナレッジベースから情報を取得する: 特定のテーマに関する学術論文を取得して要約する関数を作成します。モデルが学術的なテーマに関する質問に答え、その回答の引用元を提示できるようにします。
関数呼び出しのアプリケーションを作成する方法
ユーザーがモデルとインターフェースを接続して関数呼び出しを使用できるようにするには、次のタスクを実行するコードを作成する必要があります。
- 環境を設定する。
- 関数宣言を使用して、使用可能な一連の関数を定義、記述する。
- ユーザーのプロンプトと関数宣言をモデルに送信する。
- モデルから出力された構造化データを使用して、関数を呼び出す。
- 関数の出力をモデルに提供する。
これらすべてのタスクを管理するアプリケーションを作成できます。このようなアプリケーションには、テキスト chatbot、音声エージェント、自動ワークフローなどがあります。
関数呼び出しを使用して、単一のテキスト レスポンスを生成することや、チャット セッションをサポートすることが可能です。アドホックなテキスト レスポンスは、コードの生成など、特定のビジネスタスクで役立ちます。チャット セッションは、ユーザーがフォローアップの質問をする可能性が高い自由形式の会話のシナリオで役立ちます。
関数呼び出しを使用して単一のレスポンスを生成する場合は、やり取りの完全なコンテキストをモデルに提供する必要があります。一方、チャット セッションのコンテキストで関数呼び出しを使用する場合、セッションではコンテキストが保存され、すべてのモデル リクエストにそれが追加されます。どちらの場合も、Vertex AI はやり取りの履歴をクライアント側に保存します。
このガイドでは、関数呼び出しを使用して単一のテキスト レスポンスを生成する方法について説明します。エンドツーエンドのサンプルについては、テキストの例をご覧ください。関数呼び出しを使用してチャット セッションをサポートする方法については、チャットの例をご覧ください。
ステップ 1: 環境を設定する
必要なモジュールをインポートしてモデルを初期化します。
Python
import vertexai
from vertexai.generative_models import (
Content,
FunctionDeclaration,
GenerationConfig,
GenerativeModel,
Part,
Tool,
)
# Initialize Vertex AI
# TODO(developer): Update and un-comment below lines
# PROJECT_ID = 'your-project-id'
vertexai.init(project=PROJECT_ID, location="us-central1")
# Initialize Gemini model
model = GenerativeModel(model_name="gemini-1.5-flash-002")
ステップ 2: 一連の関数を宣言する
アプリケーションでは、モデルがプロンプトを処理するために使用できる一連の関数を宣言する必要があります。
リクエストで指定できる関数宣言の最大数は 128 です。
関数宣言は、OpenAPI スキーマと互換性のあるスキーマ形式で指定する必要があります。Vertex AI は、OpenAPI スキーマを限定的にサポートしています。サポートされている属性は、type
、nullable
、required
、format
、description
、properties
、items
、enum
です。属性 default
、optional
、maximum
、oneOf
はサポートされていません。名前と説明に関するヒントなど、関数宣言に関するベスト プラクティスについては、ベスト プラクティスをご覧ください。
REST API を使用する場合は、JSON を使用してスキーマを指定します。Vertex AI SDK for Python を使用する場合は、Python 辞書を使用して手動でスキーマを指定するか、from_func
ヘルパー関数を使用して自動的にスキーマを指定できます。
JSON
{
"contents": ...,
"tools": [
{
"function_declarations": [
{
"name": "find_movies",
"description": "find movie titles currently playing in theaters based on any description, genre, title words, etc.",
"parameters": {
"type": "object",
"properties": {
"location": {
"type": "string",
"description": "The city and state, e.g. San Francisco, CA or a zip code e.g. 95616"
},
"description": {
"type": "string",
"description": "Any kind of description including category or genre, title words, attributes, etc."
}
},
"required": [
"description"
]
}
},
{
"name": "find_theaters",
"description": "find theaters based on location and optionally movie title which are is currently playing in theaters",
"parameters": {
"type": "object",
"properties": {
"location": {
"type": "string",
"description": "The city and state, e.g. San Francisco, CA or a zip code e.g. 95616"
},
"movie": {
"type": "string",
"description": "Any movie title"
}
},
"required": [
"location"
]
}
},
{
"name": "get_showtimes",
"description": "Find the start times for movies playing in a specific theater",
"parameters": {
"type": "object",
"properties": {
"location": {
"type": "string",
"description": "The city and state, e.g. San Francisco, CA or a zip code e.g. 95616"
},
"movie": {
"type": "string",
"description": "Any movie title"
},
"theater": {
"type": "string",
"description": "Name of the theater"
},
"date": {
"type": "string",
"description": "Date for requested showtime"
}
},
"required": [
"location",
"movie",
"theater",
"date"
]
}
}
]
}
]
}
Python 辞書
次の関数宣言は、単一の string
パラメータを受け取ります。
function_name = "get_current_weather"
get_current_weather_func = FunctionDeclaration(
name=function_name,
description="Get the current weather in a given location",
# Function parameters are specified in JSON schema format
parameters={
"type": "object",
"properties": {
"location": {"type": "string", "description": "The city name of the location for which to get the weather."}
},
},
)
次の関数宣言は、オブジェクト パラメータと配列パラメータの両方を受け取ります。
extract_sale_records_func = FunctionDeclaration(
name="extract_sale_records",
description="Extract sale records from a document.",
parameters={
"type": "object",
"properties": {
"records": {
"type": "array",
"description": "A list of sale records",
"items": {
"description": "Data for a sale record",
"type": "object",
"properties": {
"id": {"type": "integer", "description": "The unique id of the sale."},
"date": {"type": "string", "description": "Date of the sale, in the format of MMDDYY, e.g., 031023"},
"total_amount": {"type": "number", "description": "The total amount of the sale."},
"customer_name": {"type": "string", "description": "The name of the customer, including first name and last name."},
"customer_contact": {"type": "string", "description": "The phone number of the customer, e.g., 650-123-4567."},
},
"required": ["id", "date", "total_amount"],
},
},
},
"required": ["records"],
},
)
関数からの Python の実行
次のコードサンプルは、数値の配列を乗算する関数を宣言し、from_func
を使用して FunctionDeclaration
スキーマを生成します。
# Define a function. Could be a local function or you can import the requests library to call an API
def multiply_numbers(numbers):
"""
Calculates the product of all numbers in an array.
Args:
numbers: An array of numbers to be multiplied.
Returns:
The product of all the numbers. If the array is empty, returns 1.
"""
if not numbers: # Handle empty array
return 1
product = 1
for num in numbers:
product *= num
return product
multiply_number_func = FunctionDeclaration.from_func(multiply_numbers)
'''
multiply_number_func contains the following schema:
name: "multiply_numbers"
description: "Calculates the product of all numbers in an array."
parameters {
type_: OBJECT
properties {
key: "numbers"
value {
description: "An array of numbers to be multiplied."
title: "Numbers"
}
}
required: "numbers"
description: "Calculates the product of all numbers in an array."
title: "multiply_numbers"
}
'''
ステップ 3: プロンプトと関数宣言をモデルに送信する
ユーザーがプロンプトを指定すると、アプリケーションはモデルにユーザー プロンプトと関数宣言を渡す必要があります。モデルが結果を生成する方法を構成するには、アプリケーションでモデルに生成構成を指定します。モデルが関数宣言を使用する方法を構成するには、アプリケーションでモデルにツール構成を渡します。
ユーザー プロンプトを定義する
ここでは、「What is the weather like in Boston?」というユーザー プロンプトの例を示します。
このユーザー プロンプトを次の例のように定義します。
Python
# Define the user's prompt in a Content object that we can reuse in model calls
user_prompt_content = Content(
role="user",
parts=[
Part.from_text("What is the weather like in Boston?"),
],
)
ユーザー プロンプトに関するベスト プラクティスについては、ベスト プラクティス - ユーザー プロンプトをご覧ください。
生成構成
このモデルは、パラメータ値によって異なる結果を生成できます。温度パラメータは、この生成におけるランダム性の度合いを制御します。温度が低いほど、確定的なパラメータ値を必要とする関数に適しています。一方、温度が高いほど、より多様で創造的なパラメータ値を受け入れることができる関数に適しています。温度を 0
にすると、確定的になります。この場合、特定のプロンプトに対するレスポンスはほとんど確定的ですが、わずかに変動する可能性は残ります。詳細については、Gemini API をご覧ください。
このパラメータを設定するには、プロンプト、関数宣言とともに生成構成(generation_config
)を送信します。Vertex AI API と更新された generation_config
を使用して、チャット セッション中に temperature
パラメータを更新できます。temperature
パラメータの設定例については、プロンプトと関数宣言を送信する方法をご覧ください。
生成構成に関するベスト プラクティスについては、ベスト プラクティス - 生成構成をご覧ください。
ツール構成
モデルが提供する関数宣言の使用方法に制約を課すことができます。たとえば、モデルに自然言語によるレスポンスと関数呼び出しのどちらかを選択させるのではなく、関数呼び出しのみを予測するように強制できます(「強制関数呼び出し」または「生成制御機能による関数呼び出し」)。関数宣言の全セットをモデルに提供し、そのレスポンスをこれらの関数のサブセットに制限することもできます。
これらの制約を適用するには、プロンプトと関数宣言とともにツール構成(tool_config
)を送信します。構成では、次のいずれかのモードを指定できます。
モード | 説明 |
---|---|
AUTO | デフォルトのモデル動作。関数呼び出しと自然言語によるレスポンスのどちらを予測するかは、モデルが決定します。 |
ANY | モデルは関数呼び出しのみを予測する必要があります。モデルを関数のサブセットに制限するには、allowed_function_names で許可される関数名を定義します。 |
NONE | モデルは関数呼び出しを予測しません。この動作は、関連する関数宣言のないモデル リクエストと同じです。 |
ANY
モード(「強制関数呼び出し」)をサポートするモデルのリストについては、サポートされているモデルをご覧ください。
詳細については、Function Calling API をご覧ください。
プロンプトと関数の宣言を送信する方法
プロンプトと関数宣言をモデルに送信し、get_current_weather
関数呼び出しのみを予測するようにモデルを制限する方法の例を次に示します。
Python
# Define a tool that includes some of the functions that we declared earlier
tool = Tool(
function_declarations=[get_current_weather_func, extract_sale_records_func, multiply_number_func],
)
# Send the prompt and instruct the model to generate content using the Tool object that you just created
response = model.generate_content(
user_prompt_content,
generation_config=GenerationConfig(temperature=0),
tools=[tool],
tool_config=ToolConfig(
function_calling_config=ToolConfig.FunctionCallingConfig(
# ANY mode forces the model to predict only function calls
mode=ToolConfig.FunctionCallingConfig.Mode.ANY,
# Allowed function calls to predict when the mode is ANY. If empty, any of
# the provided function calls will be predicted.
allowed_function_names=["get_current_weather"],
)
)
)
モデルが特定の関数の出力が必要と判断した場合、アプリケーションがモデルから受け取るレスポンスには、関数名と、その関数を呼び出すためのパラメータ値が含まれます。
ユーザー プロンプト「ボストンの天気は?」に対するモデル レスポンスの例を次に示します。モデルは、パラメータ Boston, MA
を指定して get_current_weather
関数を呼び出すことを提案します。
candidates { content { role: "model" parts { function_call { name: "get_current_weather" args { fields { key: "location" value { string_value: "Boston, MA" } } } } } } ... }
「Get weather details in New Delhi and San Francisco?」のようなプロンプトでは、モデルが複数の並列関数呼び出しを提案する場合があります。詳細については、並列関数呼び出しの例をご覧ください。
ステップ 4: 外部 API を呼び出す
アプリケーションがモデルから関数名とパラメータ値を受け取った場合、アプリケーションは外部 API に接続して関数を呼び出す必要があります。
次の例では、擬似データを使用して外部 API からのレスポンス ペイロードをシミュレートします。
Python
# Check the function name that the model responded with, and make an API call to an external system
if (response.candidates[0].function_calls[0].name == "get_current_weather"):
# Extract the arguments to use in your API call
location = response.candidates[0].function_calls[0].args["location"]
# Here you can use your preferred method to make an API request to fetch the current weather, for example:
# api_response = requests.post(weather_api_url, data={"location": location})
# In this example, we'll use synthetic data to simulate a response payload from an external API
api_response = """{ "location": "Boston, MA", "temperature": 38, "description": "Partly Cloudy",
"icon": "partly-cloudy", "humidity": 65, "wind": { "speed": 10, "direction": "NW" } }"""
API 呼び出しに関するベスト プラクティスについては、ベスト プラクティス - API 呼び出しをご覧ください。
ステップ 5: 関数の出力をモデルに提供する
アプリケーションが外部 API からレスポンスを受け取ったら、アプリケーションは、そのレスポンスをモデルに提供しなければなりません。Python を使用してこれを行う方法の例を次に示します。
Python
response = model.generate_content(
[
user_prompt_content, # User prompt
response.candidates[0].content, # Function call response
Content(
parts=[
Part.from_function_response(
name="get_current_weather",
response={
"content": api_response, # Return the API response to Gemini
},
)
],
),
],
tools=[weather_tool],
)
# Get the model summary response
summary = response.text
モデルが複数の並列関数呼び出しを提案した場合、アプリケーションはすべてのレスポンスをモデルに返す必要があります。詳細については、並列関数呼び出しの例をご覧ください。
モデルは、プロンプトに応答するために別の関数の出力が必要であると判断する場合があります。この場合、アプリケーションがモデルから受信するレスポンスには、別の関数名と別のパラメータ値のセットが含まれます。
API のレスポンスがユーザーのプロンプトへの回答に十分であるとモデルが判断した場合、モデルは自然言語レスポンスを作成してアプリケーションに返します。この場合、ユーザーには、アプリケーションがレスポンスを返す必要があります。レスポンスの例を次に示します。
It is currently 38 degrees Fahrenheit in Boston, MA with partly cloudy skies. The humidity is 65% and the wind is blowing at 10 mph from the northwest.
関数呼び出しの例
テキストの例
関数呼び出しを使用して、単一のテキスト レスポンスを生成できます。アドホックなテキスト レスポンスは、コードの生成など、特定のビジネスタスクで役立ちます。
関数呼び出しを使用して単一のレスポンスを生成する場合は、やり取りの完全なコンテキストをモデルに提供する必要があります。Vertex AI は、やり取りの履歴をクライアント側に保存します。
Python
この例では、1 つの関数と 1 つのプロンプトを使用したテキストのシナリオを示します。GenerativeModel
クラスとそのメソッドを使用します。Gemini マルチモーダル モデルで Vertex AI SDK for Python を使用する方法については、Vertex AI SDK for Python でのマルチモーダル クラスの概要をご覧ください。
Python
Vertex AI SDK for Python のインストールまたは更新の方法については、Vertex AI SDK for Python をインストールするをご覧ください。 詳細については、Python API リファレンス ドキュメントをご覧ください。
C#
この例では、1 つの関数と 1 つのプロンプトを使用したテキストのシナリオを示します。
C#
このサンプルを試す前に、Vertex AI クイックスタート: クライアント ライブラリの使用にある C# の設定手順を完了してください。詳細については、Vertex AI C# API のリファレンス ドキュメントをご覧ください。
Vertex AI に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、ローカル開発環境の認証を設定するをご覧ください。
Node.js
この例では、1 つの関数と 1 つのプロンプトを使用したテキストのシナリオを示します。
Node.js
このサンプルを試す前に、Vertex AI クイックスタート: クライアント ライブラリの使用で説明している Node.js の設定手順を完了してください。詳細については、Vertex AI Node.js API のリファレンス ドキュメントをご覧ください。
Vertex AI に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、ローカル開発環境の認証を設定するをご覧ください。
REST
この例では、3 つの関数と 1 つのプロンプトを使用するテキストのシナリオを示します。
この例では、生成 AI モデルを 2 回呼び出します。
最初のモデル リクエスト
リクエストでは、text
パラメータにプロンプトを定義する必要があります。この例では、「Which theaters in Mountain View show the Barbie movie?」というプロンプトを定義します。
リクエストでは、ツール(tools
)と一連の関数宣言(functionDeclarations
)も定義する必要があります。これらの関数宣言は、OpenAPI スキーマと互換性のある形式で指定する必要があります。この例では、次の関数を定義します。
find_movies
は、映画館で上映されている映画のタイトルを検索します。find_theatres
は、場所に基づいて映画館を検索します。get_showtimes
は、特定の映画館で上映される映画の開始時間を検索します。
モデル リクエストのパラメータの詳細については、Gemini API をご覧ください。
my-project は、Google Cloud プロジェクトの名前で置き換えます。
最初のモデル リクエスト
PROJECT_ID=my-project MODEL_ID=gemini-1.0-pro API=streamGenerateContent curl -X POST -H "Authorization: Bearer $(gcloud auth print-access-token)" -H "Content-Type: application/json" https://us-central1-aiplatform.googleapis.com/v1/projects/${PROJECT_ID}/locations/us-central1/publishers/google/models/${MODEL_ID}:${API} -d '{ "contents": { "role": "user", "parts": { "text": "Which theaters in Mountain View show the Barbie movie?" } }, "tools": [ { "function_declarations": [ { "name": "find_movies", "description": "find movie titles currently playing in theaters based on any description, genre, title words, etc.", "parameters": { "type": "object", "properties": { "location": { "type": "string", "description": "The city and state, e.g. San Francisco, CA or a zip code e.g. 95616" }, "description": { "type": "string", "description": "Any kind of description including category or genre, title words, attributes, etc." } }, "required": [ "description" ] } }, { "name": "find_theaters", "description": "find theaters based on location and optionally movie title which are is currently playing in theaters", "parameters": { "type": "object", "properties": { "location": { "type": "string", "description": "The city and state, e.g. San Francisco, CA or a zip code e.g. 95616" }, "movie": { "type": "string", "description": "Any movie title" } }, "required": [ "location" ] } }, { "name": "get_showtimes", "description": "Find the start times for movies playing in a specific theater", "parameters": { "type": "object", "properties": { "location": { "type": "string", "description": "The city and state, e.g. San Francisco, CA or a zip code e.g. 95616" }, "movie": { "type": "string", "description": "Any movie title" }, "theater": { "type": "string", "description": "Name of the theater" }, "date": { "type": "string", "description": "Date for requested showtime" } }, "required": [ "location", "movie", "theater", "date" ] } } ] } ] }'
「マウンテンビューのどの映画館でバービー映画が上映されていますか?」というプロンプトに対して、モデルはパラメータ Barbie
と Mountain View, CA
を使用して関数 find_theatres
を返します。
最初のモデル リクエストに対するレスポンス
[{ "candidates": [ { "content": { "parts": [ { "functionCall": { "name": "find_theaters", "args": { "movie": "Barbie", "location": "Mountain View, CA" } } } ] }, "finishReason": "STOP", "safetyRatings": [ { "category": "HARM_CATEGORY_HARASSMENT", "probability": "NEGLIGIBLE" }, { "category": "HARM_CATEGORY_HATE_SPEECH", "probability": "NEGLIGIBLE" }, { "category": "HARM_CATEGORY_SEXUALLY_EXPLICIT", "probability": "NEGLIGIBLE" }, { "category": "HARM_CATEGORY_DANGEROUS_CONTENT", "probability": "NEGLIGIBLE" } ] } ], "usageMetadata": { "promptTokenCount": 9, "totalTokenCount": 9 } }]
2 番目のモデル リクエスト
この例では、外部 API を呼び出す代わりに合成データを使用します。2 つの結果があり、それぞれに 2 つのパラメータ(name
と address
)があります。
name
:AMC Mountain View 16
、address
:2000 W El Camino Real, Mountain View, CA 94040
name
:Regal Edwards 14
、address
:245 Castro St, Mountain View, CA 94040
my-project は、Google Cloud プロジェクトの名前で置き換えます。
2 番目のモデル リクエスト
PROJECT_ID=my-project MODEL_ID=gemini-1.0-pro API=streamGenerateContent curl -X POST -H "Authorization: Bearer $(gcloud auth print-access-token)" -H "Content-Type: application/json" https://us-central1-aiplatform.googleapis.com/v1/projects/${PROJECT_ID}/locations/us-central1/publishers/google/models/${MODEL_ID}:${API} -d '{ "contents": [{ "role": "user", "parts": [{ "text": "Which theaters in Mountain View show the Barbie movie?" }] }, { "role": "model", "parts": [{ "functionCall": { "name": "find_theaters", "args": { "location": "Mountain View, CA", "movie": "Barbie" } } }] }, { "parts": [{ "functionResponse": { "name": "find_theaters", "response": { "name": "find_theaters", "content": { "movie": "Barbie", "theaters": [{ "name": "AMC Mountain View 16", "address": "2000 W El Camino Real, Mountain View, CA 94040" }, { "name": "Regal Edwards 14", "address": "245 Castro St, Mountain View, CA 94040" }] } } } }] }], "tools": [{ "functionDeclarations": [{ "name": "find_movies", "description": "find movie titles currently playing in theaters based on any description, genre, title words, etc.", "parameters": { "type": "OBJECT", "properties": { "location": { "type": "STRING", "description": "The city and state, e.g. San Francisco, CA or a zip code e.g. 95616" }, "description": { "type": "STRING", "description": "Any kind of description including category or genre, title words, attributes, etc." } }, "required": ["description"] } }, { "name": "find_theaters", "description": "find theaters based on location and optionally movie title which are is currently playing in theaters", "parameters": { "type": "OBJECT", "properties": { "location": { "type": "STRING", "description": "The city and state, e.g. San Francisco, CA or a zip code e.g. 95616" }, "movie": { "type": "STRING", "description": "Any movie title" } }, "required": ["location"] } }, { "name": "get_showtimes", "description": "Find the start times for movies playing in a specific theater", "parameters": { "type": "OBJECT", "properties": { "location": { "type": "STRING", "description": "The city and state, e.g. San Francisco, CA or a zip code e.g. 95616" }, "movie": { "type": "STRING", "description": "Any movie title" }, "theater": { "type": "STRING", "description": "Name of the theater" }, "date": { "type": "STRING", "description": "Date for requested showtime" } }, "required": ["location", "movie", "theater", "date"] } }] }] }'
モデルのレスポンスは次のようになります。
2 番目のモデル リクエストに対するレスポンス
{ "candidates": [ { "content": { "parts": [ { "text": " OK. Barbie is showing in two theaters in Mountain View, CA: AMC Mountain View 16 and Regal Edwards 14." } ] } } ], "usageMetadata": { "promptTokenCount": 9, "candidatesTokenCount": 27, "totalTokenCount": 36 } }
チャットの例
関数呼び出しを使用して、チャット セッションをサポートできます。チャット セッションは、ユーザーがフォローアップの質問をする可能性が高い、自由形式の会話のシナリオで役立ちます。
チャット セッションのコンテキストで関数呼び出しを使用する場合、セッションでコンテキストが保存され、すべてのモデル リクエストにそれが追加されます。Vertex AI は、やり取りの履歴をクライアント側に保存します。
Python
次の例では、2 つの関数と 2 つの連続したプロンプトを使用したチャットのシナリオを示します。GenerativeModel
クラスとそのメソッドを使用します。マルチモーダル モデルで Vertex AI SDK for Python を使用する方法については、Vertex AI SDK for Python でのマルチモーダル クラスの概要をご覧ください。
Python をインストールまたは更新する方法については、Vertex AI SDK for Python をインストールするをご覧ください。詳細については、Python API リファレンス ドキュメントをご覧ください。
Java
このサンプルを試す前に、Vertex AI クイックスタート: クライアント ライブラリの使用にある Java の設定手順を完了してください。詳細については、Vertex AI Java API のリファレンス ドキュメントをご覧ください。
Vertex AI に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、ローカル開発環境の認証を設定するをご覧ください。
Go
このサンプルを試す前に、Vertex AI クイックスタート: クライアント ライブラリの使用にある Go の設定手順を完了してください。詳細については、Vertex AI Go API のリファレンス ドキュメントをご覧ください。
Vertex AI に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、ローカル開発環境の認証を設定するをご覧ください。
Node.js
このサンプルを試す前に、Vertex AI クイックスタート: クライアント ライブラリの使用にある Node.js の設定手順を完了してください。詳細については、Vertex AI Node.js API のリファレンス ドキュメントをご覧ください。
Vertex AI に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、ローカル開発環境の認証を設定するをご覧ください。
並列関数呼び出しの例
「Get weather details in New Delhi and San Francisco?」のようなプロンプトでは、モデルが複数の並列関数呼び出しを提案する場合があります。並列関数呼び出しをサポートするモデルの一覧については、サポートされているモデルをご覧ください。
REST
この例では、1 つの get_current_weather
関数を使用するシナリオを示します。ユーザー プロンプトは「Get weather details in New Delhi and San Francisco?」です。モデルは、パラメータ New Delhi
を指定した場合と、パラメータ San Francisco
を指定した場合の get_current_weather
関数の 2 つの並列呼び出しを提案しています。
モデル リクエストのパラメータの詳細については、Gemini API をご覧ください。
candidates { content { role: "model" parts: [ { function_call { name: "get_current_weather" args { fields { key: "location" value { string_value: "New Delhi" } } } } }, { function_call { name: "get_current_weather" args { fields { key: "location" value { string_value: "San Francisco" } } } } } ] } ... }
次のコマンドは、関数の出力をモデルに提供する方法を示しています。my-project は、Google Cloud プロジェクトの名前で置き換えます。
モデルのリクエスト
PROJECT_ID=my-project MODEL_ID=gemini-1.5-pro-002 VERSION="v1" LOCATION="us-central1" ENDPOINT=${LOCATION}-aiplatform.googleapis.com API="generateContent" curl -X POST -H "Authorization: Bearer $(gcloud auth print-access-token)" -H "Content-Type: application/json" https://${ENDPOINT}/${VERSION}/projects/${PROJECT_ID}/locations/${LOCATION}/publishers/google/models/${MODEL_ID}:${API} -d '{ "contents": [ { "role": "user", "parts": { "text": "What is difference in temperature in New Delhi and San Francisco?" } }, { "role": "model", "parts": [ { "functionCall": { "name": "get_current_weather", "args": { "location": "New Delhi" } } }, { "functionCall": { "name": "get_current_weather", "args": { "location": "San Francisco" } } } ] }, { "role": "user", "parts": [ { "functionResponse": { "name": "get_current_weather", "response": { "temperature": 30.5, "unit": "C" } } }, { "functionResponse": { "name": "get_current_weather", "response": { "temperature": 20, "unit": "C" } } } ] } ], "tools": [ { "function_declarations": [ { "name": "get_current_weather", "description": "Get the current weather in a specific location", "parameters": { "type": "object", "properties": { "location": { "type": "string", "description": "The city and state, e.g. San Francisco, CA or a zip code e.g. 95616" } }, "required": [ "location" ] } } ] } ] }'
モデルによって作成された自然言語のレスポンスは次のようになります。
モデルのレスポンス
[ { "candidates": [ { "content": { "parts": [ { "text": "The temperature in New Delhi is 30.5C and the temperature in San Francisco is 20C. The difference is 10.5C. \n" } ] }, "finishReason": "STOP", ... } ] ... } ]
Python
関数呼び出しのベスト プラクティス
関数名
関数名にピリオド(.
)、ダッシュ(-
)、スペース文字は使用しないでください。代わりに、アンダースコア(_
)か他の文字を使用します。
関数の説明
関数の説明はわかりやすく丁寧に記述します。たとえば、book_flight_ticket
関数の場合:
- 関数の適切な説明の例:
book flight tickets after confirming users' specific requirements, such as time, departure, destination, party size and preferred airline
- 関数の不適切な説明の例:
book flight ticket
関数のパラメータ
説明
パラメータの説明は、希望する形式や値などの詳細を含めて、明確かつ詳細に記述します。たとえば、book_flight_ticket
関数の場合:
departure
パラメータの適切な説明の例:Use the 3 char airport code to represent the airport. For example, SJC or SFO. Don't use the city name.
departure
パラメータの不適切な説明の例:the departure airport
型
可能であれば、モデルのハルシネーションを減らすために、厳密に型指定されたパラメータを使用してください。たとえば、パラメータ値が有限集合の場合、値の集合を説明に入れるのではなく、enum
フィールドを追加します。パラメータ値が常に整数の場合は、型を number
ではなく integer
に設定します。
システム指示
日付、時刻、位置情報のパラメータを伴う関数を使用する場合は、現在の日付、時刻、関連する位置情報(都市や国など)をシステム指示に含めます。これにより、ユーザーのプロンプトに詳細情報が含まれない場合でも、リクエストを正確に処理するために必要なコンテキストが提供されます。
ユーザー プロンプト
最適な結果を得るには、ユーザー プロンプトの先頭に次の詳細を付加します。
- モデルの追加コンテキスト(例:
You are a flight API assistant to help with searching flights based on user preferences.
) - 関数の使用方法と使用のタイミングに関する詳細や手順(例:
Don't make assumptions on the departure or destination airports. Always use a future date for the departure or destination time.
) - ユーザーからの質問があいまいな場合に、質問を明確にするための指示(例:
Ask clarifying questions if not enough information is available.
)
生成構成
温度パラメータには、0
または別の小さい値を使用します。これにより、より確信度の高い結果を生成してハルシネーションを減らすようにモデルに指示します。
API 呼び出し
注文の送信やデータベースの更新など、重大な結果をもたらすような関数の呼び出しをモデルが提案する場合は、それを実行する前にユーザーにその関数呼び出しの妥当性を確認してください。
料金
関数呼び出しの料金は、テキストの入力と出力の文字数に基づいて決まります。詳細については、Vertex AI の料金をご覧ください。
ここで、テキスト入力(プロンプト)は、現在の会話ターンのユーザー プロンプト、現在の会話ターンの関数宣言、会話の履歴を参照します。会話の履歴には、以前の会話ターンのクエリ、関数呼び出し、関数レスポンスが含まれます。Vertex AI は、会話の履歴を 32,000 文字で切り捨てます。
テキスト出力(レスポンス)は、現在の会話ターンの関数呼び出しとテキスト レスポンスを表します。
次のステップ
関数呼び出しの API リファレンスを参照する。
Vertex AI の拡張機能について学習する。
LangChain on Vertex AI について学習する。