Anthos Service Mesh は、サイドカー プロキシを使用してネットワークのセキュリティ、信頼性、オブザーバビリティを強化します。これらの機能が、アプリケーションのプライマリ コンテナと分離されて抽象化され、同じ Pod 内に別のコンテナとして提供される、共通のプロセス外プロキシ(サイドカー)に実装されます。これにより、本番環境のアプリケーションを再設計することなくサービス メッシュに参加する Anthos Service Mesh の機能が提供されます。
自動サイドカー プロキシ インジェクションは、Anthos Service Mesh がワークロードの Pod 用に構成した名前空間ラベルを検出すると実行されます。プロキシは、ワークロードのすべての受信トラフィックと送信トラフィックを傍受し、Anthos Service Mesh と通信します。
自動サイドカー インジェクションを有効にする
サイドカー プロキシの挿入には、Webhook ベースの自動サイドカー インジェクタを使用することをおすすめしますが、手動で Pod の Kubernetes 構成を更新することもできます。デフォルトでは、サイドカーの自動インジェクションはすべての名前空間で無効になっています。
自動サイドカー インジェクションを有効にするには:
次のコマンドを使用して、
istiod
のラベルを見つけます。このラベルには、後のステップで使用するリビジョン ラベルの値が含まれます。kubectl -n istio-system get pods -l app=istiod --show-labels
出力は次のようになります。
NAME READY STATUS RESTARTS AGE LABELS istiod-asm-173-3-5788d57586-bljj4 1/1 Running 0 23h app=istiod,istio.io/rev=asm-173-3,istio=istiod,pod-template-hash=5788d57586 istiod-asm-173-3-5788d57586-vsklm 1/1 Running 1 23h app=istiod,istio.io/rev=asm-173-3,istio=istiod,pod-template-hash=5788d57586
出力の
LABELS
列で、接頭辞istio.io/rev=
に続くistiod
リビジョン ラベルの値をメモします。この例での値はasm-173-3
です。リビジョン ラベルを Namespace に適用します。次のコマンドで、NAMESPACE をサイドカー インジェクションを行う名前空間の名前に、REVISION を前の手順でメモした
istiod
リビジョン ラベルにします。kubectl label namespace NAMESPACE istio-injection- istio.io/rev=REVISION --overwrite
次のセクションの手順に沿って、該当する Pod を再起動します。
Pod を再起動してサイドカー プロキシを更新する
自動サイドカー インジェクションでは、Pod の再起動で既存の Pod のサイドカーを更新できます。
Pod を再起動する方法は、Pod が Deployment の一部として作成されたかどうかによって異なります。
Deployment を使用した場合は、サイドカー付きのすべての Pod を再起動する Deployment を再起動します。
kubectl rollout restart deployment -n YOUR_NAMESPACE
Deployment を使用していない場合、Pod を削除すると、自動的にサイドカー付きで再作成されます。
kubectl delete pod -n YOUR_NAMESPACE --all
名前空間内のすべての Pod にサイドカーが挿入されたことを確認します。
kubectl get pod -n YOUR_NAMESPACE
次に前のコマンドの出力例を示します。ここで、
READY
列はワークロードごとに 2 つのコンテナ(プライマリ コンテナとサイドカー プロキシのコンテナ)があることを示しています。NAME READY STATUS RESTARTS AGE YOUR_WORKLOAD 2/2 Running 0 20s ...
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