asmcli
は、Anthos Service Mesh のインストールまたはアップグレードに使用できる Google 提供のスクリプトです。asmcli
を使用すると、プロジェクトとクラスタは次のように構成されます。
- Google Cloud プロジェクトに対して必要な Identity and Access Management(IAM)権限を付与します。
- Google Cloud プロジェクトで必要な Google API を有効にします。
- メッシュを識別するラベルをクラスタに設定します。
- クラスタを登録します(まだ登録されていない場合)。
asmcli
でプロジェクトとクラスタを構成する場合は、--enable_all
フラグのみを指定します。
asmcli
が、プロジェクトとクラスタの情報を使用して YAML ファイルを構成します。これらの構成ファイルは、Anthos Service Mesh クラスタ内コントロール プレーンをインストールする際に必要になります。
デフォルトでは、asmcli
はコントロール プレーンと一緒に Ingress ゲートウェイをインストールしません。これは評価やシンプルなユースケースに適していますが、ゲートウェイをコントロール プレーンに結合すると、管理とアップグレードが複雑になります。本番環境のデプロイでは、個別にゲートウェイをインストールすることをおすすめします。
asmcli
は、istioctl install
と install_asm
スクリプトの代わりになります。
install_asm
と asmcli
はよく似ていているように見えるかもしれませんが、次の点が大きく異なります。
新規インストールとアップグレードには
asmcli install
を使用します。これには、install_asm
のような--mode
オプションはありません。asmcli install
を実行すると、クラスタに既存のコントロール プレーンが存在するかどうかが確認されます。既存のコントロール プレーンがない場合、asmcli
は Anthos Service Mesh をインストールします。クラスタに既存のコントロール プレーン(Anthos Service Mesh コントロール プレーンまたはオープンソースの Istio コントロール プレーン)がある場合:既存のコントロール プレーンのリビジョン ラベルが、新しいコントロール プレーンのリビジョン ラベルと一致しない場合、
asmcli
はカナリア アップグレードを実行します。コントロール プレーンのリビジョン ラベルが一致している場合、
asmcli
はインプレース アップグレードを実行します。
asmcli
のオプションとフラグのほとんどはinstall_asm
と同じように機能します。
istioctl install
に慣れていて、-f
コマンドライン引数で IstioOperator
YAML ファイルを渡してコントロール プレーンを構成している場合は、--custom_overlay
オプションを使用してファイルを asmcli
に渡すことができます。Anthos Service Mesh のドキュメントでは、これらのファイルをオーバーレイ ファイルと呼んでいます。
このプレビュー版では、asmcli
を使用して次のプラットフォームに Anthos Service Mesh クラスタ内コントロール プレーンをインストールするためのドキュメントが用意されています。
GKE:
新規インストールの場合、クラスタは同じプロジェクトにすることも、別のプロジェクトにすることもできます。
アップグレードの場合、初期インストールで
asmcli
を使用しない限り、このasmcli
のプレビュー リリースで異なるプロジェクトのクラスタをアップグレードすることはできません。マルチプロジェクト メッシュをアップグレードする場合は、マルチプロジェクト メッシュの GKE での Anthos Service Mesh のアップグレードをご覧ください。
オンプレミス: GKE on VMware と Bare Metal 向け Google Distributed Cloud Virtual で、新規インストールとアップグレードの両方がサポートされています。