Ticketmaster は、世界有数のライブイベント チケット会社です。1976 年創業の同社は、合計 29 か国で年間 5 億枚以上のチケットを販売しています。自然言語処理の精度と機能が絶えず向上したことに伴い、Ticketmaster では Dialogflow の会話型テクノロジーを採用し、チケットの購入者により高速かつカスタマイズされたサービスを提供できるようになりました。

「会話型ツールにまつわるチャンスは非常に大きなものです」と Ticketmaster のソフトウェア エンジニアである Patrick Jackson 氏は語ります。同社は、より快適なブラウジングに関する操作性の実現、イベント検索の改善、会場と駐車場への道順の表示に関する向上について、可能性を目の当たりにしてきました。「このような会話型インターフェースによって、場合によってはアプリやウェブサイトを開くよりも、極めて高速で快適なエクスペリエンスを実現できます。当社の目標は、イベントを見つけてチケットを取得する際のアシスタントになることです」と Jackson 氏は付け加えました。

2017 年 1 月に Dialogflow の使用を開始する前に、Ticketmaster のチームではいくつかの競合する技術について調査しました。「それらの多くについて、長所と短所を認識し、Dialogflow に決定しました」と Jackson 氏は話します。同社のチームが Dialogflow を選んだ主な理由は次の 3 つです。

  1. すばやく簡単に構築を開始できる: チームは、会話エクスペリエンスを構築し、稼働する際の労力とコーディングを最小限に抑えることができました。
  2. 優れたデベロッパー エクスペリエンス: 直感的な開発環境により、エクスペリエンスの外観、印象、サウンドを容易に選択できました。
  3. 容易なスケーリング: ユーザーベースの拡大に合わせてエクスペリエンスを的確に拡張できます。

自然言語処理の経験がほとんどなかったにもかかわらず、チームは Dialogflow のツールを容易に使用して魅力的な音声ユーザー エクスペリエンスを作成しました。「機械学習と自然言語処理における Dialogflow の専門知識を活用できたため、私たちは実行方法を知っている対象に集中できました」と Jackson 氏は話します。「Dialogflow のおかげで、インテントを簡単に追加できるようになり、何千もの異なる音楽アーティストの名前を理解できるよう自社のシステムをトレーニングできました。Dialogflow のシンプルさと柔軟性により、バックエンド、すなわち当社の専門分野であるイベント検出のドメインの処理とチケット発行に集中できます」

Jackson 氏のチームにとっても、Dialogflow の自然言語理解の精度には目を見張るものがありました。「システムが、自分や周囲のすべての人たちの話を実にうまく翻訳してくれることには驚きを隠せません」と彼は語ります。たとえば、Ticketmaster の顧客は、Android または iOS スマートフォンで Google アシスタントに「Talkmaster と話したい」と言ってから、Ticketmaster に「今週末に開催される楽しいイベントにはどんなものがありますか」と直接問い合わせます。すると、Ticketmaster が会場、日付、時間のリストを表示します。会話インターフェースで会話することで、顧客は既存の Ticketmaster アカウントから直接チケットを購入できます。

「Dialogflow のおかげで、コーディングに多くの時間を費やすことなく、すぐに会話を始めることができました」と Jackson 氏は話します。すばらしい結果が得られたことから、Dialogflow のクロスプラットフォーム機能を活用して、取り組みの幅を広げ、Google アシスタントを搭載したより多くのデバイス、Amazon Alexa、Facebook メッセンジャー、Cortana などのより多くのプラットフォームに対して会話機能をリリースし、米国外の国際市場に進出する予定です。「私たちは Dialogflow の力を認識しています」と Jackson 氏は付け加えます。「これは人間とコンピュータの相互作用の新しい波だと感じ始めています」

Ticketmaster ではシステムの調整を継続する一方、「人間による発話に非常に近い音声機能を作成できたと感じています」と Jackan 氏は話します。チームでは、Dialogflow のプラットフォームを使用してユーザー ジャーニーの改善を続けています。「ユーザーのことをよりよく知ることによって、ユーザーが関心を持つ可能性のあるイベントをより的確に提案し、チケットを簡単に購入できるようにサポートすることが可能です。この取り組みをより多くの人々を対象に広め、それが成功する方法を知る秘訣だと考えています」