顧客事例

パーソルキャリア株式会社:Speech-to-Text でキャリア カウンセリング内容を可視化、サービス向上と人材育成を加速

persol-career.png

-人々に「はたらく」を自分のものにする力を- というミッションに基づき、総合人材サービス、パーソルグループのビジョンである「はたらいて、笑おう。」を働くすべての人々が体感でき、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指すパーソルキャリア株式会社(以下、パーソルキャリア)。サービスの品質向上や転職希望者の可能性を広げることを目的とし、キャリア アドバイザーの対面カウンセリングの音声を可視化する仕組みを構築。パーソルキャリアのデジタル戦略推進担当者 2 名、および開発をサポートしたクラウドエース株式会社(以下、クラウドエース)の担当者 3 名に話を伺いました。

利用している Google Cloud Platform サービスCloud StorageCloud Functions Speech-to-Text 

高い音声認識率を評価して Google Cloud Platform を採用

1989 年に転職情報誌「DODA」が創刊し、2019 年に 30 周年を迎えた転職サービス「 doda(デューダ)」。「はたらく今日が、いい日に。」をスローガンとして、より親しみやすく、転職希望者に寄り添うサービスへと進化。公開・非公開求人の紹介に加え、面接対策やキャリアプランに関するアドバイスなどを行う転職支援のプロであるキャリア アドバイザーの存在と役割は、これらサービスの要となっています。

現在、キャリア アドバイザーは、日本全国各地に在籍。業種や職種ごとの専門的な知識や情報を活かし、求人の紹介から履歴書・職務経歴書の書き方、面接のアドバイスまで、転職活動の開始から終了までをトータルにサポートしています。キャリア アドバイザーによる対面カウンセリングの内容は、転職希望者の同意の下、テキスト化されて蓄積。蓄積されたデータは、転職希望者の条件にあった仕事を見つけるマッチング サービスに活用されています。

このカウンセリング内容の蓄積は、以前はキャリア アドバイザーの個人的なメモに留まり、データが共有されることもなかったため、キャリア アドバイザーが転職希望者とどのような会話をし、転職希望者がどこに応募したのか、どのように書類通過したのかという過程と結果を把握することが困難でした。つまりサービス品質のチェックやプロセスを客観的に評価できる材料が乏しく、キャリア アドバイザーの効率的な育成やサービス向上の側面からも、カウンセリングの可視化の必要性が高まっていました。

そこで、スマートスピーカーでカウンセリングの音声を収録し、自動でテキスト化して蓄積、活用する仕組みを構築。その基盤に Google Cloud Platform(GCP)が採用されています。GCP を採用した理由をパーソルキャリア テクノロジー本部 デジタルテクノロジー統括部 データ&テクノロジービジネス部 シニアストラテジストの橋本さんは、「音声をテキストに変換するいくつかの API を検証しましたが、初回で最も高い音声認識率を実現できた GCP の採用を決めました」と話します。

BA2198_small.jpg

「ポイントは、どれだけきれいな音声を収録し、いかに高い認識率でテキスト化できるかです。いくつかの API を検証しましたが、辞書のメンテナンスに工数とコストがかかるのは避けたいと思っていました。最初の認識率は 70% 程度で大丈夫ですが、これを 75% にするために数百時間かけて辞書をメンテナンスするのは現実的ではありません。そこで、世界中でメンテナンスされている辞書を持つ、GCP の音声認識エンジンをもっとも評価しました。」(橋本さん)

カウンセリング内容を Speech-to-Text で自動データ化、キャリア アドバイザーの教育にも活用

GCP によるシステム構築は、2018 年 11 月よりスタート。約 5 か月かけてシステムを構築し、2019 年 4 月より実際の音声の収録を開始しています。試験的に 1 か月あたり 40 件程度の規模からスタートし、まずはチーム内で試行して、その後、活用の幅を広げていく計画です。

このシステムでは、まず、スマートスピーカーで収録されたカウンセリングの音声データを Cloud Storage に登録。音声が登録されたのをトリガーにして、Cloud Functions で Speech-to-Text を呼び出し、Cloud Storage に登録されている音声を Speech-to-Text でテキストに変換。最後に、変換されたテキストを Cloud Storage に蓄積する構成になっています。

パーソルキャリア テクノロジー本部 デジタルテクノロジー統括部 データ&テクノロジー ソリューション部 エンジニアリンググループ シニアエンジニアの小川さんは、次のように話します。「以前にも GCP の経験がありましたが、ここ数年でさらに進化していて、非常に使いやすくなっていました。コマンドラインや API も充実し、管理画面も 1 アクションで遷移できるので、エンジニアにやさしく、開発生産性も向上できました。」

EBA2180.jpg

システム構築により、これまでキャリア アドバイザーによる手作業だったカウンセリング内容のデータ入力を自動化したことで、キャリア アドバイザーにとっても必要以上の手間を増やすことなく、より詳細なカウンセリング内容のデータ化が実現。年収や勤務地、職種などの転職者の細かな希望条件を、登録データから自動的に抽出し、転職希望者に最適な企業を紹介することができます。カウンセリングの「質の見える化」も実現できました。

「可視化されたカウンセリング データの有効活用は、キャリア アドバイザーの育成教育の面でも大いに期待できます」と話すのは橋本さん。

これまでの講師によるマンツーマンでの教育に加え、テキスト化した音声データを活用して、優れたカウンセリング内容を、音声やテキストでいつでも参照、学習できるようにすることで、カウンセリングの質の向上と育成時間短縮の両方に効果を発揮。結果的に、キャリア アドバイザー育成のコストの面でも、講師 1 人あたり月に数十万円の削減につながっているといいます。

パートナーのサポート

システム構築は、クラウドエースがサポートをしています。社内の別プロジェクトで利用していた GCP の支払い代行サービスを接点に、今回の GCP を基盤としたサービス構築を相談したところ「GCP の知見が非常に豊富だと感じて」(橋本さん)サポートを依頼することにしたとのこと。お話の様子からも、両社のよいチームワークが伺えます。 

サポート内容について、クラウドエースの担当者は、次のように話します。

「スマートスピーカーの検証から GCP による基盤設計、アプリケーション開発までの提案、要件定義、システム構築をサポートしました。今後は、インフラ運用の自動化に関しても提案していきたいと思っています。」( クラウドエース 事業推進本部 第一営業部 萩生さん)

「パーソルキャリアのエンジニアと 1 つのチームとしてコミュニケーションしながらプロジェクトを推進できたので、非常にシステムを構築しやすかったし、生産性も向上できたと思います。」(クラウドエース システム開発部 リーダー 蔵持さん) 

「今後は、Cloud AutoML などの機械学習モデルを利用して、転職条件などを学習させることで、マッチングの精度を向上させる提案をしたいと思っています。また、画像解析や音声解析、統計、分析などの仕組みの提案も検討しています。」(クラウドエース 技術本部 コンサルティング部 部長 菊地さん)

000012342.jpeg

一方、橋本さんからも、「今後は、Vision API や AutoML VIsion などを使い、カウンセリング中の転職希望者の表情を解析することで、マッチング サービスの精度を向上したいと思っているので、それも含めて、今後もクラウドエースのサポートには大いに期待しています。」 

また、小川さんも GCP の新たな活用に期待を寄せます。「機会があれば、今後は新規プロジェクトに Google Kubernetes Engine(GKE) を使ってみたいと思っています。コンテナ化により、インフラに依存することなく、システム開発を高速化、効率化することができます。また、 App Engine を利用したアプリケーションの開発や管理を効率化にも興味があります。新たな GCP の検討にも知恵を借りたいです。」


Persol_CA_Logo for Blog.jpg
EBA2120_small.jpg

(写真右より)

パーソルキャリア株式会社

  • テクノロジー本部 デジタルテクノロジー統括部 データ&テクノロジービジネス部 ビジネスグループ シニアストラテジスト 橋本 久 氏

  • テクノロジー本部 デジタルテクノロジー統括部 データ&テクノロジー ソリューション部 エンジニアリンググループ シニアエンジニア 小川 由輝 氏

クラウドエース株式会社

  • システム開発部 リーダー 蔵持 直樹 氏

  • 事業推進本部 第一営業部 萩生 拓海 氏

  • 技術本部 コンサルティング部 部長 菊地 正太 氏

パーソルキャリア株式会社

 パーソルキャリア株式会社は、パーソルグループの「リクルーティングセグメント」中核会社として、-人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス人材のキャリア戦略プラットフォーム「iX」をはじめとした人材紹介、求人広告、新卒採用支援等のサービスを提供しています。 

2017 年 7 月より、株式会社インテリジェンスからパーソルキャリア株式会社へ社名変更。グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指します。


クラウドエース株式会社

(Google Cloud Platform パートナー)


パーソルキャリア株式会社の導入事例 PDF はこちらをご覧ください。

その他の導入事例はこちらをご覧ください。