顧客事例

株式会社マーケティングアプリケーションズ:Migrate for Compute Engine と PSO のサポートが移行成功の鍵

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「難しいことを簡単に、複雑なことをシンプルに」というミッションに基づいて、マーケティングリサーチ領域における IT ソリューションを提供する株式会社マーケティングアプリケーションズ(以下、マーケティングアプリケーションズ)。実査や集計のためのアンケートシステムを支えるプラットフォームを、オンプレミスからクラウドにマイグレーションするにあたり、Migrate for Compute Engine を採用しています。このプロジェクトについて、同社の最高技術責任者および技術担当者に話を伺いました。

利用している Google Cloud サービス:Compute EngineSoletenantを含む)、Cloud StorageGoogle Kubernetes EngineMigrate for Compute EngineVirtual Private CloudCloud InterconnectCloud VPNOperations(旧 Stackdriver)

シンプルかつ必要十分な機能やライブ マイグレーションで Google Cloud  を採用

マーケティング リサーチ領域の IT ソリューション ベンダーであるマーケティングアプリケーションズでは、リサーチ会社、消費財メーカー、広告代理店などの企業向けに、高度な分析や洞察が必要なリサーチャーをサポートするクラウド型アンケート システムや集計ツール、消費者パネル、オペレーション リソースを提供。テクノロジーとヒューマン リソースの両面からマーケティング リサーチをサポートしています。

提供するサービスは、アンケート画面の作成から配信、回収までをサポートする MApps for Survey、アンケート結果の収集と分析レポートの作成をサポートする MApps for Analysis、200 万人を超える大規模な市場調査専用パネルを提供する MApps Panel 等で構成されるリサーチ プラットフォームのほか、専門のリサーチャーが実査から集計、分析までをサポートする BPO サービス、セルフ型アンケート ツールのサーベロイドです。

リサーチ プラットフォームは、データセンターにサーバーやネットワークなどの機器を設置したオンプレミス環境に仮想基盤を構築し運用管理をしていましたが、オンプレミス環境の維持、管理が、コスト面、運用面、技術面などのさまざまな課題により困難になってきました。そこで、まずはオンプレミス環境をパブリック クラウドにリフトし、最終的にはクラウド ネイティブにシフトすることを決定しました。

リードエンジニア豊部卓さんは、「オンプレミス環境の老朽化により、毎日のように仮想基盤に問題が発生、復旧に時間がかかるなど、サービスにも影響を及ぼしていました。また、キャパシティの拡大も課題の 1 つで、サーバーやネットワーク機器を調達し、データセンターに設置して、各種設定を行うのはフレキシブルではありません。オンプレミス環境の保守切れも迫っていました」と話します。

このような、マーケティング アプリケーションズが抱える課題を解決するためのインフラに選定されたのが、Google Cloud でした。

Google Cloud を採用した理由を執行役員 CTO である猪狩創さんは、「増大する運用負荷をいかに軽減できるかが最大の課題でした。シンプルで必要十分な機能があり、ライブ マイグレーションにより運用管理も楽になりそうだと思ったのが、選定した最大の理由でした。特に、ライブ マイグレーションは高速で、非常に優秀だと感じています」と話します。

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コンテナ化で管理を容易に

 オンプレミス環境のリフト&シフトは、3 つのフェーズで実施されています。2019 年 4 月~6 月の期間で実施されたフェーズ 1 では、リサーチ プラットフォームのメインサービスである MApps for Survey のリフトとシフトまでを完了。まずは、MApps for Survey のクライアント機能を Kubernetes クラスタへとシフトしています。

MApps for Survey は、マルチテナンシーなプロダクトなので、クライアントに提供するサービスのプランに応じて、ウェブサーバーをフレキシブルに提供できなければなりません。そこで、最適なリソースの配分が必要であり、コンテナ化が有効になります。

「以前は追加のリソースが必要になった場合、インスタンスを作成し、設定するなどの手作業によるスケールアウトが必要でした。Kubernetes にすれば、稼働状況に応じて、上限の範囲内で自動的にスケールアウトすることもできます。最初の整備ができれば、あとは運用管理が非常に楽になります。正しい運用体制を確立できます。」(猪狩さん) 

また、Migrate for Compute Engine を活用することで、自社サーバー機能を Google Cloud にリフト。フェーズ 2 では MApps for Survey 以外のクライアントに提供するプロダクトの移行を、フェーズ 3 では MApps for Survey 以外の自社サーバー機能を移行しています。フェーズ 1、フェーズ 2 は、2019 年 11 月に完了。  フェーズ 3 は、2020 年 5 月に完了しています。

リサーチ プラットフォームのリフトでは、基本的なサーバー機能を Compute Engine のインスタンスにより構築。一方、シフトでは、MApps for Survey のコンテナ化に Google Kubernetes Engine(GKE)を採用。ストレージ環境として、Cloud Storage(GCS)や Cloud Filestore なども利用されています。

Google Cloud を採用した効果を豊部さんは次のように話します。「Compute Engine は、あらかじめリソースを購入しておかなくても、使っていれば自動的に割引されるし、使ってないときは課金されないので、柔軟にコストを最適化することができます。また、オンプレミス環境では、インフラの設定変更が必要なときに、インフラの専門家に依頼することが必要でしたが、GCP はアプリケーション開発者が容易にインフラを設定変更できるので非常に便利です。コンテナ化を進めるとコンテナ化の専門家が必要になりますが、GKE によりコンテナの管理も容易になりました。」

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Google PSO コンサルティング サービスの支援により少人数・短期間の移行を実現

 オンプレミス環境のマイグレーションは、Migrate for Compute Engine を使って進めましたが、Migrate for Compute Engine に対応していない古いオペレーティング システムがあったため、マイグレーションには少し工夫が必要でした。そこで、Google Professional Services Organization(PSO)に相談することを決定します。

猪狩さんは、「PSO のサポートを利用してみたらという提案は、2019 年 4 月ごろから月に 1 回開催していた定例会の中でありました。マイグレーションは環境に依存するため、ツールでそのまま移行できるケース、アーキテクチャを変えて移行した方がいいケースを判断でしながら進めていく必要があると理解しました。手戻りなく、正しい判断を行いながら移行を効率的に進めるため、コンサルティング サービスの利用を決めました」と当時を振り返ります。

例えば、複数のグローバル IP アドレスからメールを送信しているメール配信システムを GCP にリフトするときに、ロードバランサ―と転送ルールの設定により、複数のグローバル IP アドレスから送信できる方法は、 PSO より提案されて採用したもの。問題が発生したときに、不具合なのか、設計ミスなのかをすぐに判断してもらえることも 大きな価値の一つだったといいます。

豊部さんは、「PSO チームの判断が速かったので、少人数かつ約 2 か月という短期間で、この規模の移行を実現できました。当初は自力で対応しようとしていたのですが、いま考えると無謀でしたね。今後、同様のプロジェクトがあれば、コンサルティング サービスを利用していきたいと思っています」と話します。 

「GKE で Kubernetes クラスタを運用できているのは大きな効果です。キャパシティに対する不安がなくなりました。これは今後、長期的にサービスを運用していく観点から重要なポイントです。現状、すべてを実現できているわけではないのですが、今後クラウドネイティブにシフトしていくための下準備としては十分に満足できるプロジェクトだったと評価しています。」(猪狩さん)


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(写真左から)
・執行役員 CTO 猪狩 創 氏

・リードエンジニア 豊部 卓 氏

株式会社マーケティングアプリケーションズ
2006 年 9 月に株式会社ボーダーズとして設立され、2015 年 2 月に株式会社マーケティングアプリケーションズに社名変更。市場調査会社や広告代理店、メーカー、シンクタンク、コンサルティング、各種メディアなど、200 社以上に国内ナンバーワン シェアのマーケティング リサーチ業界向けプラットフォーム サービスを提供しています。グループ企業として、株式会社データテクノロジーラボ、株式会社まーけっち、株式会社プログラミングファストの 3 社があります。


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