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顧客事例

アビームコンサルティング:ESG や SDGs を経営管理に組み込み、企業価値として経営判断に生かす基盤を支える Google Cloud

2022年6月27日
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Google Cloud Japan Team

「Real Partner®」という経営理念に基づき、創業以来 40 年以上にわたりクライアントの変革実現への挑戦を支援するアビームコンサルティング株式会社(以下、アビームコンサルティング)。未来への持続的な成長に向け、従来の延長線上にない大胆な変革を実現する取り組みの一環として、Digital ESG経営管理を推進。ESG / SDGs と企業価値との価値関連性をデータドリブンで把握する Digital ESG Platform に Google Cloud を採用しています。この取り組みについて、デジタルプロセスビジネスユニット FMCセクターの 3 名に話を伺いました。

利用しているサービス:

Cloud StorageCompute EngineBigQueryIdentity and Access ManagementPub/SubCloud FunctionsCloud Data FusionError ReportingCloud LoggingCloud Source RepositoriesIdentity-Aware Proxy

利用しているソリューション:

Smart Analytics

データ分析の強みや将来性などを評価して Google Cloud を採用

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2021 年に、「Build Beyond As One. 」という新たなブランド スローガンを掲げ、お客様と共創しながら、これまで不可能だと思われていたことにも挑戦し、新しい価値をともに創り上げていくことを目指すアビームコンサルティング。最新のトレンドとして、DX(デジタル トランスフォーメーション)、ESG(環境:Environment、社会:Social、ガバナンス:Governance)経営、GX(グリーン トランスフォーメーション)を推進。ESG 経営の分野では、Digital ESG経営管理に取り組んでいます。

Digital ESG 経営管理は、目に見えない資本である、ESG や SDGs(持続可能な開発目標)を経営管理に組み込み、企業価値として経営判断に生かす取り組みです。これまで多くのステークホルダーが財務情報を企業判断の軸としてきましたが、ESG や SDGs が注目される現在、サステナブルな企業価値創造に向けた企業の取り組みを評価軸の 1 つとすることも必要です。デジタルプロセスビジネスユニット FMCセクター シニアマネージャーの今野 愛美氏は、次のように話します。

「これまでの経営管理は、財務データを中心に行ってきましたが、これからは非財務データを融合して、意思決定をしたり、マネジメントをしたり、現場のモニタリングをしたりという取り組みが必要ではないかということが課題感、将来展望としてありました。そこで 7~8 年前より、コンサルティングやデジタルツールの活用により、なにができるかを構想しはじめたのが、Digital ESG 経営管理をスタートしたきっかけでした。検討の中で、いくつかのクライアント企業と意見交換し、趣旨に賛同してもらえたことも背景にありました。」

Digital ESG 経営管理を実現するためには、非財務データの収集、分析、可視化が必要。そのための基盤である Digital ESG Platform に、Google Cloud が採用されています。今野氏は、「数年前より、非財務領域が経営管理に深く関わってくるようになり、アビームコンサルティングが得意とする財務領域による経営管理に、非財務領域というエッセンスを掛け合わせた新しいサービスの開発を進めてきました。その延長線上に、Google Cloud によるソリューションの構築、サービスの提供がありました」と話します。

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Google Cloud を採用した理由をデジタルプロセスビジネスユニット FMCセクター マネージャーの武田 景氏は、「データの収集、加工、蓄積のバラエティやセキュリティ、ユーザビリティ、将来性などを評価して採用を決めました。Digital ESG Platform は、クイックな導入が必要で、分析と結果の蓄積も重要になることから、データ分析に強みのある Google Cloud が最適でした。Google Cloud の利用は初めてで不安もありましたが、検討段階から十分にサポートしてもらえたので安心して採用できました」と話しています。

Google Cloud の採用によりシンプルなシステム構成を実現

Digital ESG Platform は、Data Connection、Data Analytics、Cockpit の 3 つの機能で構成されています。Data Connection は、非財務データを収集し、活用できる状態にする仕組み。Data Analytics は、非財務データの変動が、事業活動や損益計算書(PL)、企業価値などにどのようなインパクトがあるかをデータ分析で解明する仕組み。Cockpit は、収集したデータや分析の結果を、社外への説明や社内のモニタリングといった目的に応じて分かりやすく可視化する仕組みです。

アビームコンサルティングでは、2020 年より Data Analytics を利用して、クライアントから提供された非財務データを分析し、分析結果を提供するサービスを展開しています。2022 年 1 月からは、同サービスを利用していたクライアント向けに、Digital ESG Platform の導入も開始しています。Data Analytics のシステム構成はシンプルで、Cloud Storage、Compute Engine、BigQuery で構成され、認証には Identity and Access Management(IAM)、および Identity-Aware Proxy(IAP)が利用されています。

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デジタルプロセスビジネスユニット FMCセクター シニアコンサルタントの杉森 州平氏は、「表計算ソフトで作ったデータ分析用の元ファイルを、Cloud Storage にアップロードし、Compute Engine 上の独自に開発した分析ツールで実行した分析結果を Cloud Storage に書き込む仕組みになっています。分析結果は、BigQuery にも蓄積されます。BigQuery に蓄積したデータは、将来的に別の観点での分析、可視化に活用していくことを検討しています」と話します。

Google Cloud を採用した効果を武田氏は、次のように話します。「少ない工数、少ない要員、2~3 か月という短期間で、クイックに導入できる仕組みを実現できました。これまでのサービスでは、クライアント側で非財務データの追加や分析内容の変更が必要となった場合、アビームコンサルティング側で改めて分析を行い、分析結果を報告していました。Data Analytics をクライアント環境に導入したことで、必要なタイミングでタイムリーにデータの追加や変更ができるようになりました。」

また杉森氏は、「Google Cloud の導入経験が浅く、構築方法の検討からスタートしましたが、構成に必要なプロダクトの情報を含め丁寧なチュートリアルが用意されていたので、都度調査を挟みながら構築することができました。またユーザーインターフェースが洗練されており、未経験でもわかりやすい操作性だと感じました。我々の調査だけでは不十分な部分については Google Cloud の担当者にアドバイスをいただき、現在のシンプルで今後の展望を検討しやすいシステム構成に落ち着きました」と話しています。

データの分析を深めていく意味で Vertex AI や Looker に期待

Digital ESG 経営管理では、大きく 2 つのポイントでサービスを拡大中です。1 つ目は、社内外のデータをいかに効率的に、正確に収集するかです。自動連携の実現により、これまでデータ収集に費やしてきた工数を、より付加価値の高い業務に割くことができるようになります。現在の Digital ESG Platform でも自動連携機能は設定済みですが、クライアント企業の DX/EX 活用ステージに合わせた様々なサービス提供を始めています。2 つ目は、社内にない非財務データの活用です。たとえば、データ プロバイダーが持っている外部データも含めて、効率的に Digital ESG Platform に集積し活用する仕組みです。

武田氏は、次のように話します。「分析手法を増強中です。現在の分析手法は、全社的な ESG 活動と企業価値を俯瞰し、どの活動が、どの様な成果を生んでいるのか、その全体的な構造を把握することを最も重要視しています。この構造を把握した企業の次なる狙いは、分析結果を踏まえ、企業が取り得る具体的な施策の意思決定です。具体的なアクション プランを策定するには、企業のデータをもっと深く、トランザクション レベルで分析し、どんな施策がステークホルダーの価値になるかを分析できる仕組みが必要です。データドリブンに意思決定ができる仕組みを実現したいと思っています。」

また杉森氏は、「BigQuery に蓄積したデータの分析を深めていく意味で Vertex AI に興味があります。現状、統計的手法での分析を実施していますが、今後データ量の増大や、データ粒度の詳細化が可能になれば、AI の活用が有効になります。AI を使ったシミュレーションは、Digital ESG 経営管理との親和性も高く、さらなる企業価値向上に向けたご支援が期待できます。また、データを可視化する BI ツールとして、Looker にも興味があります。」と話します。

Google Cloud への期待について今野氏は、「現在の形が Digital ESG 経営管理の完成形ではなく、今後もお客様の要望や社会の変化に応じて進化させていかなければならないと思っています。次の展開をどうするかを考えるときに、基盤やツールと合わせて考えることも重要で、それでこそ経営管理の中に非財務要素を融合できると考えています。その部分に関しても、Google Cloud と一緒に検討、実現していきたいと思っていますので、引き続き変わらぬサポートを期待しています。」と話しています。


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アビームコンサルティング株式会社

1981 年 4 月、等松・トウシュロス コンサルティング株式会社として設立。2003 年に現在の社名に変更。国内外の 29 拠点(2022 年 4 月 8 日現在)で、マネジメント コンサルティング、ビジネスプロセス コンサルティング、IT コンサルティング、アウトソーシングを事業として展開。日本発、アジア発のグローバル コンサルティングファームとして、クライアントとともに歩み、クライアントの変革を実現する「Real Partner®」を目指している。

インタビュイー

・アビームコンサルティング株式会社

デジタルプロセスビジネスユニット FMCセクター

シニアマネージャー 今野 愛美 氏

・アビームコンサルティング株式会社

デジタルプロセスビジネスユニット FMCセクター

マネージャー 武田 景 氏

・アビームコンサルティング株式会社

デジタルプロセスビジネスユニット FMCセクター

シニアコンサルタント 杉森 州平 氏


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