Google Cloud Platform

Cloud Video Intelligence API 登場と Cloud ML の最新アップデート

企業において AI(人工知能)は重要な役割を担いつつありますが、その一方で、状況についていけず苦労を強いられている企業も増えています。私たち Google の重要な目標の 1 つは、そうした企業に手を差し伸べ、あらゆる規模や業種の企業、あるいは洗練された組織が、機械学習をイノベーションのツールとして活用できるようにすることです。

私たちは、AirbusDisneyOcado などの早期導入企業が刺激的なユース ケースに取り組んでいるのを見るにつけ、お客様が AI を広範なデータ アナリティクス戦略の一部に組み込みつつあることを実感しています。そこで今回、あらゆる企業、データ サイエンティスト、デベロッパーに機械学習へのアクセスを提供する新しい製品と研究教育プログラムを Google Cloud Next '17 で発表しました。

また、Kaggle が Google Cloud の一員になることについても、とてもうれしく思っています。Kaggle は、データ サイエンティストと機械学習のエキスパートが集う世界最大のコミュニティです。80 万人を超えるデータのエキスパートたちが、機械学習とデータ アナリティクスに関する最新のテーマを掘り下げ、分析し、理解するために Kaggle を活用しています。

Cloud Video Intelligence API による動画の内容の理解

Cloud Video Intelligence API(現時点ではプライベート ベータ)は、強力な深層学習モデルを使用しています。このモデルは、TensorFlow などのフレームワークを駆使して構築され、YouTube などの大規模なメディア プラットフォームにも適用されています。

この API は、動画を対象とした検索サービスとしては他に類を見ないものです。エンティティ(“dog” や “flower”、“human” などの名詞と、“run” や “swim”、“fly” などの動詞)の情報を基に、それらを含む動画コンテンツを検索します。しかも、そうしたエンティティが出現するタイミングを文脈的に理解できるので、たとえば “Tiger” を検索すると、Google Cloud Storage の動画コレクション全体にわたって、トラが含まれているすべてのショットを正確に見つけ出すことができます。

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Google は世界最大手のメディア企業各社と長きにわたって協力関係を築いており、それらの企業が動画のような非構造化データから価値を見つけ出せるように手助けをしてきました。

Cloud Video Intelligence API は、大手メディア企業やコンシューマー テクノロジー企業がメディア カタログを作成したり、クラウド ソース コンテンツの簡単な管理方法を見つけたりするためのもので、たとえば Cantemo のようなパートナーは自らの動画管理ソフトウェアにこの API を組み込んでいます。

今回の発表により、Google Cloud Machine Learning(Cloud ML)は、画像、ビデオ インテリジェンス、音声認識、自然言語、翻訳、求人求職の各分野をカバーするサービスとして一段と拡充されました。これらの API を使用すれば、非構造化データを見聞きし、理解する次世代のアプリケーションを構築できます。機械学習のユース ケースは、お勧め商品の提案から、医療イメージ分析、詐欺行為の発見、さらにその先まで大きく広がるでしょう。

Cloud Machine Learning Engine の正式リリース

このほど正式リリースされた Cloud Machine Learning Engine(Cloud ML Engine)は、独自モデルを訓練してクラウドの本番環境にデプロイしたいと考えている企業にとって魅力的な選択肢です。マネージド サービスの利点を享受しながら、あらゆるタイプ、あらゆる規模のデータを扱う TensorFlow ベースのカスタム機械学習モデルを構築できます。

Cloud ML Engine は、Cloud Dataflow(データ処理)、Cloud Datalab(データ サイエンス ワークフロー)、Google BigQuery(SQL アナリティクス)を含む Google Cloud Platform(GCP)の完全なデータ アナリティクス パイプラインにも組み込まれています。

私たちは、Cloud ML Engine を利用したソリューションを計画している技術パートナーとの協力作業も進めています。最近の例で言えば、Cloud ML Engine を使ってエンドユーザーのためにリアルタイム アナリティクスを提供する SpringML や、ゼロデイ攻撃の脅威を見つけてブロックする SparkCognition などが挙げられます。

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Google のエキスパートから機械学習を学ぶ

Google の Advanced Solutions Lab(ASL)では、機械学習の効果をすぐに取り入れたいお客様のために専用のファシリティを用意しています。そこでは、Google の機械学習のエキスパートとお客様が直接コラボレートしながら、お客様が抱える喫緊の課題を機械学習で解決することに取り組みます。

お客様は、こうしたユニークな経験を通じて、TensorFlow と Cloud ML Engine を使った機械学習の基礎をしっかりと身につけながら、具体的なビジネス ユース ケースを探ることができます。

優れたパートナーシップは、思いがけないところで可能性を見つけ出すことから生まれます。機械学習のパイオニアである Google と、カスタマー エクスペリエンスのパイオニアである USAA は、Advanced Solutions Lab を通じて素晴らしいパートナーシップを築きました。Robert Welborn 氏、AVP、Data Science、USAA

Cloud Vision API 1.1(ベータ)

急成長を遂げた Cloud ML API の 1 つが Cloud Vision です。昨年 4 月のリリース以来、この API は画像からメタデータを抽出するのに使用され、その数は 10 億を超えました。今回、Google のお客様やパートナー向けとして、多種多様な画像を分類するのに役立つ新機能が導入されています。

Cloud Vision API は、Google のナレッジ グラフに含まれる数百万のエンティティを認識できるようになるとともに、契約書や研究論文、書籍などの重い文書からテキストを抽出できるように OCR 機能が強化されました。

コンピュータによる画像処理は、もはやクールな機能にとどまらず、今では企業コンピューティングの基礎を支える重要な要素へと発展してきています。そうしたなか、Cloud Vision API はすべてのクラウドのお客様に対し、このテクノロジーへの高速かつ信頼性の高いアクセスを提供します。

住宅売買情報を提供する Realtor.com は、ユーザーがスマートフォンで興味のある住宅の写真を撮ると、その物件に関する情報がすぐに入手できる機能を Cloud Vision API で実現しています。

Google が提供する機械学習サービスのおかげで、位置情報だけを使って検索結果を返す同種の機能に比べて 24 ポイントも高い一致率を達成できました。David White 氏、SVP、Consumer Experience、realtor.com

通勤時間の短縮を条件に Cloud Jobs API で職探し

Cloud Jobs API は、従来よりもきめの細かい仕事探しを機械学習によって実現し、求人求職サイトの機能向上に一役買っています。この API は最初の発表以来、CareerBuilder や Dice、Jibe といったテスターのフィードバックを取り入れながら改良されてきました。そして今回、希望する通勤時間と交通手段に基づいて求人情報を返す Commute Search などの新機能が追加されました。

ガンの予防と克服に力を入れる Johnson & Johnson は、この専門的で適任者の少ない分野で 350 人以上の採用ポストを用意しており、Cloud Jobs API を使って求職者が適切なポストを見つけられるようにしています。

Cloud Jobs API を使用した機械学習により、求職者のエクスペリエンスを向上させ、適切なタイミングで適切なポストを見つけることが難しいという応募者の悩みを解決することができました。Sjoerd Gehring 氏、VP of Talent Acquisition、Johnson & Johnson

正式リリース版の Cloud Datalab によるデータの探索

Cloud Datalab は、BigQuery や Cloud Storage、ローカル ストレージに格納されているデータの探索、分析、視覚化を容易にする、デベロッパー や データ サイエンティストのためのインタラクティブなデータ サイエンス ワークフロー ツールです。

Cloud Datalab を使用すれば、機械学習開発プロジェクトのライフサイクル全体を見据えたアプローチをとることができます。具体的には、最初はローカルに格納されている小規模なデータ セットでモデル プロトタイプを作り、次にフルデータ セットを使ってクラウドで訓練するのです。

今回の正式リリース版では、新たに TensorFlow と Scikit-learn をサポートするとともに、Cloud Dataproc を介した Apache Spark、もしくは Cloud Dataflow でのバッチおよびストリーム処理にも対応しました。

機械学習を活用したビジネスの推進に向け、行動を開始されることを私たちは期待しています。機械学習で成功を収めるための手助けとして Google は何をすべきなのか、ご意見をお寄せください。特に、私たちが今まで考えたこともないような新しいユース ケースの提案をお待ちしています。

* この投稿は米国時間 3 月 8 日、Google Cloud AI and Machine Learning の Chief Scientist である Fei-Fei Li によって投稿されたもの(投稿はこちら)の抄訳です。

- By Fei-Fei Li, Chief Scientist, Google Cloud AI and Machine Learning