Google Cloud Managed Service for Prometheus の一般提供を開始
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Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 3 月 3 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google Cloud Managed Service for Prometheus の一般提供が始まりました。オープンソース互換モニタリングの利点と、Google 規模のマネージド サービスの使いやすさのすべてを活用できます。
クラウド コンピューティング業界全体でマネージド プラットフォームとサービスが急速に採用されていることは、インフラストラクチャの管理に開発者の時間を浪費することを望まない企業が増え続けていることを示すものです。Google Cloud は最近、「The Forrester Wave™: Public Cloud Container Platforms, Q1 2022」においてリーダーと認定されました。レポートの著者は「大企業は、クラウドネイティブ アプリケーションの開発と運用を加速し、簡素化できるとともに、フルスタックのクラウドネイティブ機能による復元性、管理性、オブザーバビリティを持つ、エンタープライズ コンテナ プラットフォームを求めている」と言及しました。
Google の SRE ブックで規定されたモニタリングの 4 つのゴールデン シグナルをより的確に把握するには、指標をキャプチャする必要があります。セルフマネージド Kubernetes と Google Kubernetes Engine(GKE)の両方の環境において、事実上の標準モニタリング テクノロジーは、オープンソースの指標収集およびアラートツールの Prometheus です。Prometheus は小規模のデプロイメントでは変更不要でそのまま動作しますが、大規模に運用するには固有の難しい課題がいくつかあります。
自分の Kubernetes インフラストラクチャの管理を望まないという理由で GKE を使用するのと同様に、Managed Service for Prometheus は、自分の Prometheus インフラストラクチャの管理を望まないユーザー向けのものです。システムを動かし続けるだけの面倒な作業から開発者を解放し、顧客のための機能を構築するために労力を費やすことが可能になります。
Alto で CTO とエンジニアリング担当バイス プレジデントを務める Jonathan Campos 氏は、「このサービスを採用して以来、自社の Prometheus の管理を合理化でき、多くのデータソースを単一の画面に統合することで運用が簡素化されたことに、大いに満足しています。さらに、過去のデータの管理に気を使う必要がないため、クラスタ ストレージを 1TB から 50GB に減らしながら、Prometheus のデータ保持期間を 7 日間から 2 年間に伸ばすことができました」と述べています。
Managed Service for Prometheus を使用する利点
追加料金なしですべての指標を 2 年間保持可能: 長期ストレージを手動でシャーディングするのは、独自の Prometheus 互換アグリゲーターを使用するときの大きな問題点でした。Monarch は Cloud Monitoring だけではなく、Google のすべてのモニタリングを行うシステムで、このシステムのグローバルな規模とスケーラビリティにより、Managed Service for Prometheus の指標を簡単に長期保存できるようになりました。この利点は、すべての指標を 2 年間保持するポリシーとしてお客様が利用でき、追加料金は必要ありません。
費用対効果の大きいモニタリング: オープンソースからマネージド サービスへの切り替えにはコスト増加の懸念が常にあるものですが、このサービスの価格モデルは明快で予測可能なものです。サンプルごとの請求なので、コンテナが動作し、指標データを送信しているときにしか料金は発生しません。これにより、水平 Pod 自動スケーリングのように、コンテナのスケールアップとスケールダウンが頻繁に行われるような機能でも、料金の心配がありません。Managed Service for Prometheus では、それ以外のコストのコントロールとコスト削減の手法として、たとえばスパース ヒストグラムについての割引料金、より長いサンプリング期間について割引になる料金体系、集計前のデータをローカルでのみ送信する機能なども使用できます。
コストの識別と割り振りが簡単: Cloud Monitoring 内では、Prometheus の取り込み量を指標名と名前空間ごとに簡単に分類できます。これにより、どの指標で最も多くの請求が発生しているか、どのチームの名前空間がそれらの指標の送信を担当しているかを識別し、コスト削減のための行動に移すことができます。
既存のクエリやアラートのワークフローは変更不要: 既存の Prometheus コレクションのデプロイメントを再利用することも、Google のマネージド コレクションに切り替えることも選択できます。いずれの場合も、今日使用しているのと同じ Grafana ダッシュボードやアラート構成をそのまま使用できます。PromQL がダッシュボードやアラートと互換性があるため、既存のインシデント作成と調査のワークフローも、これまでと同様に使用できます。
Prometheus 指標と Google Cloud システム指標を同時に表示: 多くの組織は、すべての指標ソースを「単一の画面」で表示して運用を簡素化しようと試みていますが、これは困難なことです。Google のサービスは Cloud Monitoring と同じテクノロジーとバックエンド上で構築されているので、Prometheus 指標を Cloud Monitoring 内で使用できるダッシュボード、アラート、SLO モニタリングとともに使用できます。Prometheus 指標を GKE 指標、お客様のロードバランサ指標などと並べてグラフ化できます。
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Managed Service for Prometheus を使用しているお客様について詳しくは、Google のウェブサイトをご覧ください。
今後のリリース予定
一般提供は最初の段階にすぎません。Managed Service for Prometheus については、次のような多くの優れた機能がロードマップに予定されています。
Cloud Monitoring で無料の GCP システム指標、たとえば GKE、Anthos、Istio 指標などの PromQL クエリを使用できるため、これらの指標を Prometheus 指標と並べて Grafana でグラフ化できる
一般に使用されるエクスポーター、たとえば kube-state-metrics や node-exporter などについて推奨のデフォルト コレクション構成
オンプレミス クラスタ用に最適化されたネットワーク パフォーマンス
ターゲットの発見や健全性ページなどのデバッグツール
その他多数
ご利用方法
Managed Service for Prometheus の設定は簡単です。
環境をゼロから構築する、またはフルマネージドを十分に活用することを希望される場合、マネージド コレクタを任意の Kubernetes クラスタに、Cloud Console の GKE UI、gcloud CLI、または kubectl を使用してデプロイできます。
Prometheus デプロイメントがすでに存在する場合、ご利用の Prometheus バイナリを Managed Service for Prometheus バイナリに置き換えるだけで、既存の構成を使い続けることができます。
ご利用を開始するには、Google Cloud Managed Service for Prometheus のドキュメントをご覧ください。また、サービスを設定するいくつかの異なる方法についてこちらの動画をご覧ください。
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Managed Service for Prometheus を設定するとき使用される kubectl コマンドが示されている動画のスクリーンショット
最後に、ご質問や機能に関するご要望については、Google Cloud コミュニティのサイトをご覧ください。Google Cloud Managed Service for Prometheus や Google Cloud のオペレーション スイートを利用中の他のお客様のトピックもご覧いただけます。
- プロダクト マネージャー Lee Yanco