コンテンツに移動
アプリケーション モダナイゼーション

2025 年に向けたプラットフォームの準備: プラットフォーム エンジニアリングに関する新たな調査で成功の秘訣が明らかに

2025年2月5日
Ning Ge

Product Marketing Manager, Google

Dave Bartoletti

Senior Product Manager, Google

※この投稿は米国時間 2025 年 1 月 24 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Gartner 2024 年の戦略的テクノロジーのトレンド、トップ 10 の一つであるプラットフォーム エンジニアリングは、ソフトウェア デリバリーの迅速化や開発者の生産性向上を求める企業にとって不可欠なものとして急速に注目を集めています。プラットフォーム エンジニアリングはどのようにしてそれを実現するのでしょうか?プラットフォーム エンジニアリングは、開発者にかかる認知負荷を最小限に抑えながら、効率的でスケーラブルなソフトウェアの開発、デプロイ、管理を可能にする適切なインフラストラクチャ、ツール、プロセスを提供します。

プラットフォーム エンジニアリングを成功させる秘訣を紐解くために、Google Cloud Enterprise Strategy GroupESG)と協力して、正式なプラットフォーム エンジニアリング チームを持つ、従業員が 500 人以上の組織で働いている世界中の IT プロフェッショナルやアプリケーション開発者 500 人を対象に、包括的な研究調査を行いました。その目標は、プラットフォーム エンジニアリングを導入しているかどうか、導入している場合は、それが企業のソフトウェア デリバリー能力にどのような影響を与えているかを把握することでした。

調査結果のレポートBuilding Competitive Edge With Platform Engineering: A Strategic Guide(プラットフォーム エンジニアリングで競争力を高める: 戦略ガイド)」では、課題を克服し、プラットフォーム エンジニアリングを最大限に活用するための一般的なパターン、予想されること、実践的なベスト プラクティスを明らかにしています。このブロク投稿では、調査で得られた特に有用な分析情報をいくつか取り上げてご紹介します。

プラットフォーム エンジニアリングはもはや必須

調査では、プラットフォーム エンジニアリングがもはや生まれたばかりの概念ではないことが明らかになりました。調査への参加を依頼したグローバル組織の 55% がすでにプラットフォーム エンジニアリングを導入していました。そのうち 90% は、より多くの開発者に向けてその対象範囲を広げることを計画しています。さらに、プラットフォーム エンジニアリングを導入している企業の 85% が、開発者はプラットフォームに頼って成功していると報告しています。これらの数字は、プラットフォーム エンジニアリングがもはや単なるトレンドではなく、クラウドや IT への投資の可能性を最大限に引き出して競争上の優位性を獲得することを求めている組織にとって、必要不可欠な戦略となりつつあることを示しています。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/1_eQFVQSh.max-900x900.jpg

図 1: 調査した 900 社以上のグローバル組織の 55% がプラットフォーム エンジニアリングをすでに導入

プラットフォーム エンジニアリングを成功に導く 3 つの鍵

レポートでは、成熟したプラットフォーム エンジニアリング リーダーの成功の核となる 3 つの重要な要素を特定しています。

  1. プラットフォーム エンジニアと他のチーム間の密接なコラボレーションを促進して足並みを揃える

  2. 「プロダクトとしてのプラットフォーム」アプローチを採用し、開発者プラットフォームに明確なロードマップ、伝達価値、緊密なフィードバック ループを設ける

  3. デプロイ頻度、障害復旧時間、変更のリードタイムなど、明確な指標を使用してパフォーマンスを測定することで成功を定義する

注目すべき点は、多くの組織がプラットフォーム エンジニアリングの導入に取り組んでいる一方で、上記の 3 つの重要な要素を手法に完全に組み込んでいるのはわずか 27% にすぎないことです。これは、さらに改善できる大きなチャンスがあることを示しています。

AI: プラットフォーム エンジニアリングの新たなパートナー

このレポートで示された最も説得力のある分析情報の一つは、プラットフォーム エンジニアリングと AI のシナジー関係です。驚くべきことに、回答者の 86% が、AI のビジネス価値を最大限に発揮するにはプラットフォーム エンジニアリングが不可欠だと確信しています。同時に、大多数の企業は、AI がプラットフォーム エンジニアリングを推進する触媒になるとみなしていて、企業の 94% がプラットフォーム エンジニアリングの将来には AI が「不可欠」または「重要」であると認識しています。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/image2_UjnlMgA.max-1200x1200.png

スピードだけにとどまらない: プラットフォーム エンジニアリングの主な利点

また、この調査では、前述したプラットフォーム エンジニアリングを成功に導く 3 つの主要な要素を採用しているかどうか、またどの程度採用しているかに基づいて、プラットフォーム エンジニアリングの導入組織を 3 つのグループ(新興、確立済み、先進的)に分類しています。調査では、先進的な導入組織がスピード、効率性、生産性の面でより多くのメリットを得ていることを示しています。また、この調査は、新興の導入組織や確立済みの導入組織に対して、プラットフォーム エンジニアリングの全体的な成熟度を高めて、より多くのメリットを得るためのガイダンスを提供しています。

レポートでは、プラットフォーム エンジニアリングの次のような他のメリットにも言及しています。

  • 従業員の満足度の向上、人材の獲得と維持: 成熟したプラットフォームにより、良好な開発者エクスペリエンスが育まれ、それが企業文化に直接影響を及ぼします。成熟した開発者プラットフォームを持つ組織で働く開発者や IT プロフェッショナルは、自分の職場を知人にすすめる可能性がはるかに高くなります。

  • 製品化までの時間を短縮: 成熟したプラットフォーム エンジニアリングの導入組織は、製品化までの時間を大幅に短縮しています。プラットフォーム エンジニアリングの先進的な導入組織の 71% が、製品化までの時間が大幅に短縮されたと回答しています。これに対して、成熟度の低い導入組織では 28% でした。

独力で行わない

調査した組織の大多数(96%)は、オープンソース ツールを活用して開発者プラットフォームを構築しています。さらに、ほとんどの組織(84%)が、外部ベンダーと提携してオープンソース環境の管理とサポートを行っています。サードパーティやクラウド パートナーとプラットフォームを共同管理することで、より高度なイノベーションを実現できるというメリットがあります。プラットフォームを共同管理している組織では、開発者の生産時間の平均 47% をイノベーションと試験運用に割り当てています。これに対して、プラットフォームを社内スタッフで管理する組織では、わずか 38% です。

成功に向けた準備としてレポート全文を読む

このブロク投稿では、調査で得られた主な結果を簡単に紹介しました。レポート全文では、時代の先端を行くために役立つプラットフォーム エンジニアリングの主要な戦略や手法をさらに詳しく紐解いています。レポートをダウンロードして、以下のような他のトピックもご覧ください。

  • 集中型および分散型プラットフォーム エンジニアリング チームの戦略に関する考慮事項

  • プラットフォーム エンジニアリングへの投資の背後にある主な推進要因

  • 開発者のニーズに沿ったプラットフォームの導入を推進するための最優先事項

  • プラットフォーム エンジニアリングの成功への道のりにおいて、予測し、乗り越えるべき主な課題

  • プラットフォーム エンジニアリングで組織全体にわたって生産性、パフォーマンス、イノベーションを高める方法

  • 競争上の優位性を獲得するうえでのプラットフォーム エンジニアリングにおけるオープンソースの戦略的重要性

  • AI 導入の増加に伴う AI / ML ワークロードに対するプラットフォーム エンジニアリングの革新的役割

  • 適切なプラットフォーム エンジニアリング戦略を構築してスケーラビリティとイノベーションを促進する方法

レポート全文をダウンロードしてお読みください。

-Google、プロダクト マーケティング マネージャー Ning Ge
-Google、シニア プロダクト マネージャー Dave Bartoletti

投稿先