Dun & Bradstreet が Gemini Code Assist でソフトウェア開発を変革
Ryan J. Salva
Senior Director, Product Management
※この投稿は米国時間 2024 年 12 月 13 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
ビジネスデータと分析情報の大手グローバル プロバイダである Dun & Bradstreet は、イノベーションの最前線に立ち続けることに尽力しています。過去 2 年間の取り組みには、AI ソリューションを導入し、ソフトウェア開発ライフサイクルを改善するための計画的なアプローチも含まれています。
Dun & Bradstreet は、開発速度とセキュリティを喫緊の検討事項とする一方で、多くのグローバル企業に共通する次のような生産性と運用面の課題も抱えていました。
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新しいチームメンバーのオンボーディングに多大な時間がかかる
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レガシー コードベースのサイロ化した知識
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テスト カバレッジの低さ
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アプリケーションのモダナイゼーションの課題
ソフトウェア開発の加速という目標を達成するには、「人材、プロセス、ツール」の総合的なアプローチを取り、ほとんどの企業のエンジニアリング チームが直面する従来の開発ライフサイクルの問題を解決する必要があることを Dun & Bradstreet は認識していました。この新たな取り組みの軸となるものとして、同社は AI アシスタンスに注目しました。
ソフトウェア開発ライフサイクルの未来に向けたパートナー探し
Dun & Bradstreet は、市場を動かし経済を促進する情報を提供する企業として、すべてのテクノロジー ツールに対して高いハードルを設けており、同社のサービスを利用する金融専門家や行政機関のリーダーから寄せられるものと同様の高い期待値を設定していました。
Dun & Bradstreet は、オープンソースと商用の両方の選択肢を検討しながら、最高のパートナーとコーディング支援ツールを特定するために徹底的な評価プロセスを実施しました。最終的に、Gemini モデルのパフォーマンス、既存の開発環境とのシームレスな統合、堅牢なセキュリティ機能の評価から Gemini Code Assist を選択しました。
Gemini Code Assist の実装は、Dun & Bradstreet の開発チームと Google Cloud チームの共同作業でした。チームに加わっていた Dun & Bradstreet の開発者は、自分たちの特定のニーズやワークフローに対応させるため、ツールの構成とカスタマイズに積極的に関与しました。
Dun & Bradstreet が重視したのは Google のセキュリティ体制でした。AI を開発プロセスに組み込むには、最高レベルのプライベート データ保護と、生成されたコードの安全性を保証するガードレールの両方が必要でした。セキュリティに関する Google の専門知識とガイダンスにより、Dun & Bradstreet は自信を持って前進できました。その主な要因は次のとおりです。
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Gemini モデルは社内で構築されているため、Google はモデルのトレーニングに使用されるすべてのソースコード サンプルを完全に検証し、フィルタできる。
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信頼と検証: 企業の既存のコーディングとレビューのライフサイクルに統合することで、まったく新しいシステムについて開発者が学ばなくても、人間の監視の下でモデル出力を導くことができる。
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Google と Snyk とのパートナーシップにより、AI が生成したコードと人間が書いたコードの両方をカバーする、自動化されたセキュリティ スキャンのための追加オプションが提供される。
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Google の AI に関する原則が、Gemini Code Assist のアーキテクチャと設計上の決定を支えている。プライバシーとセキュリティの保護には、顧客コード参照のシングル テナント保管、暗号化されたロギング、偶発的なデータ漏洩を防ぐためのきめ細かな管理コントロールが含まれる。
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Google の補償ポリシー。
Dun & Bradstreet でサイバーセキュリティおよびテクノロジー リスク部門最高責任者を務める Jay DePaul 氏は次のように述べています。「AI を活用したコード作成は、単に効率性を飛躍的に向上させるだけでなく、イノベーションとセキュリティの組み合わせによってビジネスの成功を促進できることを証明するものです。堅牢なガードレールを組み込むことで、チームはより迅速、安全、スマートに構築できます。」
変革の実践
Dun & Bradstreet は、2024 年 10 月に Gemini Code Assist の導入を決定しました。このソリューションは現在、組織の他のチームにも展開され始めています。Gemini Code Assist の直感的なインターフェースと包括的なドキュメントのおかげで、導入はスムーズに進んでいます。
大規模な組織でインキュベーションのためのプログラムを用意すると、技術面だけでなく、潜在的な導入阻害要因の解消にも役立ちます。たとえば、Dun & Bradstreet のチームは、「コーディング アシスタントは開発者に取って代わるものではなく、パートナーとして開発者を支援するものである」ということを、チームに伝える必要性があることを認識しました。
すでに展開を進めている Dun & Bradstreet は、Gemini Code Assist の導入を促進した要因として以下を挙げています。
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開発者の生産性向上: Gemini Code Assist の AI によるコードの提案と補完により、開発者がコードを記述する時間が大幅に短縮されました。繰り返し作業を自動化する Gemini Code Assist の機能によって、開発者の時間が節約され、より複雑で創造的な作業に集中できるようになりました。
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コード品質の向上: Gemini Code Assist の自動コードレビュー機能と lint チェック機能は、Dun & Bradstreet の開発者が開発プロセスの早い段階でエラーや潜在的な問題を検出するのに役立ちました。これにより、バグが大幅に減少し、全体的なコード品質が向上しました。
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アプリケーションのモダナイゼーションの簡易化: Spring アプリを Kotlin に変換する際に、時間を大幅に節約できました。
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開発者の効率性向上: 初期の社内指標では、開発者の生産性が 30% 向上しました。
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開発者のオンボーディング: Dun & Bradstreet の新しい開発者は、Gemini Code Assist が提供するリアルタイムのガイダンスとサポートのおかげで、より早く業務に取り組み始めることができています。
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知識共有の強化: Gemini Code Assist によって、Dun & Bradstreet の開発チーム内で知識を共有する文化が醸成されました。コード例やベスト プラクティスを提供する機能により、開発者が互いに学び合い、効果的に協力することが容易になりました。
AI で道を切り開く
高度な AI 機能とインテリジェントなコード アシスタンスによって Dun & Bradstreet の開発者を支援する Gemini Code Assist は、同社にとって価値のあるソリューションであることが証明されました。
Dun & Bradstreet でエンタープライズ エンジニアリング部門バイス プレジデントを務める Adam Fayne 氏は次のように述べています。「AI を活用したコード作成は、ソリューション提供ビジネスに携わるすべての人にとって画期的です。当社のチームは、セキュリティや品質に妥協することなく、イノベーション、テスト、デプロイを迅速に行えるようになりました。」
同社は開発速度を加速し、ソフトウェア品質を向上させ、市場での競争力を維持することができています。Dun & Bradstreet をはじめとする多くの企業が、Google Cloud と Gemini を活用して、ソフトウェア開発者のライフサイクルを大幅に強化しています。実際、Google Cloud は最近、ビジョンの完全性と実行能力が評価され、2024 Gartner Magic Quadrant for AI Code Assistants のリーダーに選出されました。
Gemini Code Assist のユースケースや今すぐ使い始める方法の詳細については、Gemini Code Assist のウェブサイトをご覧ください。