データベース
Google Cloud データベースのまとめ: 2024 年 1 月
2024年2月7日
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 1 月 31 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
このたび、Google Cloud のデータベース サービスに関するあらゆる情報をまとめてお届けする新しい定期ブログシリーズを開始することになりました。最新の機能リリースやイノベーションなど、Google Cloud データベース サービス関連の最新情報をチェックするためにお役立てください。
すでにご存知かもしれませんが、2023 Gartner® Magic Quadrant™ のクラウド データベース管理システム部門において Google Cloud がリーダーに選出されました。また、「ビジョンの完全性」については評価対象の全ベンダーの中で最高の評価を受けています。4 年連続でリーダーに選出されたということは、組み込みのインテリジェンス、オープンデータ エコシステム、統合データサービスなどの分野において、お客様に継続的にイノベーションを提供してきた証であると考えています。レポートは無料でダウンロードしてお読みいただけます。
データベース ポートフォリオの最新情報を以下にご紹介します。
AlloyDB for PostgreSQL
- AlloyDB は、自動的に繰り返しバックアップを行う差分バックアップを採用しています。この方法では、フル バックアップではなくサイズの小さなファイルを使って、貴重なデータを守ります。結果として、ストレージ費用が下がり、バックアップ速度が大幅に向上します。
- AlloyDB System Insights ダッシュボードまたは Cloud Monitoring ダッシュボードを使って AlloyDB インスタンスを監視できます。
- AlloyDB は、特定のリージョンでクラスタごとに最大 64TiB のストレージをサポートします。
- AlloyDB の Terraform サポートが一般提供となりました。
- AlloyDB の確約利用割引により、データベースのコンピューティング費用を最大 52 % 削減できるようになりました。
AlloyDB Omni
- AlloyDB Omni(任意の環境で実行可能な AlloyDB のダウンロード版)が一般提供となりました。詳しくは、リリース時のブログをご覧ください。
- AlloyDB Omni バージョン 15.4.0 の提供が開始されました。このバージョンには以下の変更が含まれています。
- pgvector をバージョン 0.5.0 にアップデート
- PostgreSQL をバージョン 15.4 にアップデート
- AlloyDB Omni Kubernetes Operator バージョン 0.3.0 のプレビュー版が公開されました。このリリースでは、バグの修正とオペレーターの改善が行われています。Kubernetes オペレーターを使った AlloyDB のアップグレードについて詳しくは、AlloyDB Omni のアップグレードをご覧ください。
Cloud SQL
- MySQL および PostgreSQL 向けの Cloud SQL Enterprise Plus エディションがリリースされました。このリリースでは、読み取り / 書き込み速度、可用性、データ保護機能が向上しており、特に要求の厳しいワークロードの実行にも対応することが可能です。詳しくは、こちらをご覧ください。
- Enterprise エディションのインスタンスを、中断を最小限に抑えながら Enterprise Plus エディションにインプレース アップグレードできるようになりました。同様に、Enterprise Plus エディションを Enterprise エディションにインプレースで切り替えられます。詳しくは、インプレース アップグレードによってインスタンスをアップグレードするをご覧ください。
- データ キャッシュとは、Cloud SQL Enterprise Plus エディションで利用可能なオプションで、高速なローカル SSD(ソリッド ステート ドライブ)上にデータページを格納し、クエリ処理を高速化する仕組みです。この機能を、MySQL および PostgreSQL でも利用できるようになりました。
- Private Service Connect が、Cloud SQL(MySQL および PostgreSQL)で一般提供となりました。この機能を使うと、異なるグループ、チーム、プロジェクト、組織に属する複数の VPC ネットワークから Cloud SQL インスタンスに接続できるようになります。
- Cloud SQL for MySQL インスタンスを IAM グループ認証用に構成できるようになりました。IAM グループ認証には、MySQL 8.0 および R20230909.02_00 以降が必要です。この機能はプレビュー版です。
- Cloud SQL for SQL Server は、データの一括挿入によるインポートに対応しています。この機能は、SQL Server 2022 でのみサポートされています。
- Cloud SQL for SQL Server は、トランザクション ログのバックアップのインポートをサポートしています。これにより、バックアップを使って Cloud SQL に移行する際のダウンタイムが短縮されます。
Memorystore
- Memorystore for Redis Cluster は、OSS 完全対応の Redis クラスタ向けの新しいマネージド サービスです。スケーリングを簡単かつ安全に行い、従量課金制モデルのメリットを享受することができます。Memorystore for Redis Cluster によってゼロ ダウンタイムでスケーリングを行う方法については、こちらをご覧ください。
Spanner
- Cloud Spanner Data Boost は、分析やレポート用に運用データをオンデマンドで処理する画期的技術です。具体的には、コンピューティングとストレージを分離する Google のアーキテクチャに基づき、高パフォーマンスおよびワークロード分離を実現しており、既存のトランザクション ワークロードにほとんど影響を与えないのが特長です。
- Spanner の価格パフォーマンスの向上: 価格は据え置きで、スループットが最大 50% 向上し、ノードあたりのストレージが 2.5 倍になりました。Cloud Spanner の高いスループット、事実上無制限のスケーリング、10 ミリ秒未満のレイテンシ、99.999% の可用性を保証する SLA、強力な外部整合性を、ほとんどのワークロードで Amazon DynamoDB の半分の費用で利用できます。
- マネージド オートスケーラーのプレビュー版がリリースされ、Cloud Spanner インスタンスのコンピューティング容量に対応しました。マネージド オートスケーラーは、ワークロードの変化やストレージの要件、ユーザー定義の目標に基づき、Spanner インスタンスのコンピューティング容量を自動的に増減させます。
- Cloud Spanner の Data Catalog サポートが一般提供となりました。詳しくは、Data Catalog を使用したリソース管理をご覧ください。
Bigtable
- リバース スキャンを使用して、行の範囲を逆に読み取ることができます。
- Cloud Bigtable アプリ プロファイルでリクエストの優先度を構成し、特定のワークロードのデータ リクエストを優先できるようになりました。この機能はプレビュー版でご利用いただけます。
- Cloud Bigtable 変更ストリームは、Bigtable データの変更を追跡し、簡単にこのデータにアクセスして他のシステムと統合できる機能です。
- 一定量の Cloud Bigtable コンピューティング リソース(ノード)の継続使用(1 年間または 3 年間)を確約することで、大幅な割引料金が適用される確約利用割引(CUD)を利用できます。
- Cloud Bigtable のインスタンス、クラスタ、テーブルのメタデータが Data Catalog(Dataplex の機能)に自動的に同期されるようになり、データの検出およびガバナンスが向上しました。
Firestore
- Firestore に、エンタープライズのお客様からご要望が多く寄せられていた障害復旧機能であるポイントインタイム リカバリ(PITR)およびバックアップのスケジュール設定のサポートが追加されました。これらの機能は、人的エラーや障害からデータを保護します。
- Firestore が、Eventarc でサポートされている 3 つのトリガー ターゲット(Cloud Run、Google Kubernetes Engine(GKE)、Cloud Functions(第 2 世代))に新たに対応しました。
- Firestore で OR 演算子およびクエリ関数 SUM、AVG を利用できるようになりました。
Database Migration Service
- Database Migration Service に Duet AI が追加され、データベースの移行が簡単になりました。クラウド データベース エンジニアのための Duet AI をご覧ください。
- Database Migration Service が、Oracle から Cloud SQL(PostgreSQL)へのスキーマおよびコードの変換に対応しました。これにより、Database Migration Service ツールだけでコードおよびスキーマの変換からデータの移行までを行えるようになります。詳しくは、ブログ、動画、Cloud Next ‘23 のセッションをご覧ください。
- MySQL および PostgreSQL のデータベースを、Database Migration Service の外部で作成した Cloud SQL インスタンスや AlloyDB クラスタに移行できるようになりました。この方法は、Terraform やその他の Infrastructure as Code ツールを使ってインフラストラクチャを管理している場合に特に便利です。詳しくは、移行ジョブの概要をご覧ください。
- Database Migration Service で AlloyDB for PostgreSQL に移行する際に、PostgreSQL バージョン 15 を選択できるようになりました。AlloyDB for PostgreSQL への移行でサポートされている移行元および移行先のデータベースをご確認ください。
- Database Migration Service で Cloud SQL(MySQL および PostgreSQL)の既存のインスタンスにデータを移行できるようになりました。
最後に
データベースに関するブログで最新動向をご確認ください。マネージド データベース サービスについて理解を深めるには、詳細なプロダクト ドキュメントをご覧ください。
-Google Cloud、データベース担当シニア プロダクト マネージャー Kiran Shenoy