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Memorystore for Redis Cluster の一般提供を開始

2023年11月15日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 11 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Memorystore for Redis Cluster のプレビュー版の発表以来、金融、小売、広告、製造、ソーシャルメディアなど、さまざまな業界のお客様が Memorystore for Redis Cluster のパフォーマンスとスケーラビリティを活用しています。

本日、リードレプリカを有効にすることで SLA で 99.99% の可用性を保証する Memorystore for Redis Cluster の 一般提供(GA)を発表しました。Memorystore for Redis Cluster は、フルマネージドで、 オープンソース ソフトウェア(OSS)と完全に互換性のある Redis Cluster をダウンタイムなしのスケールインおよびスケールアウトで利用することができます。マイクロ秒のレイテンシで、既存の Memorystore for Redis の 60 倍のスループットを提供します。Memorystore for Redis Cluster は、プライマリノードとレプリカノードをインテリジェントに複数のゾーンに配置し、フェイルオーバーを自動的に管理することで高可用性を実現し、複雑な管理業務負荷を軽減します。

PLAID、Wright Flyer Studios、Reddit のようなパフォーマンスに敏感なお客様は、 SLA で99.99% を保証する Memorystore for Redis Cluster の一般提供を待ち望んでいました。

「Memorystore for Redis Cluster は、ワークロードに必要なスケーラビリティと管理性をもたらし、Memorystore をこれまで以上に有意義に活用できます。オープンソースのクラスタ クライアントと互換性があることで、自前で運用している既存の Redis クラスタからの移行も容易です。SLA で 99.99% の可用性が保証された今、こちらを採用して Google Cloud 上でキャッシュのニーズを満たせるようになったことを嬉しく思っています。」- Reddit シニア エンジニアリング マネージャー Stanley Feng 氏

パフォーマンスとスケーリング

Memorystore for Redis Cluster は、Memorystore のスケールとパフォーマンスを次のレベルに押し上げ、Memorystore for Redis の 10 倍のデータをサポートし、マイクロ秒のレイテンシで最大 60 倍 のスループットを提供します。Memorystore の吟味され本番用途に適したインフラストラクチャは、事前に構成された最適な Redis プラットフォームを提供し、パフォーマンスを大幅に向上させます。ダウンタイムなしのスケーリングにより、本番アプリケーションを停止することなく、ワークロードの需要に基づき必要な容量のみ追加し、小規模に始めて少しずつ拡張させることが可能です。スケーリング時にデータ損失が発生しやすいクライアント シャード キャッシング アーキテクチャとは異なり、Memorystore for Redis Cluster のシンプルなスケーリング API は、データの損失なくクラスタを拡大または縮小し、コストを最適化することができます。Memorystore for Redis Cluster のダイレクト アクセス(プロキシレス)アーキテクチャは、クラスタにノードを追加してもスループットがリニアにスケールすることを保証し、予測可能で非常に低いレイテンシを提供し、プロキシベースのアーキテクチャのコストとレイテンシのオーバーヘッドを排除します。

サイバーエージェントグループの株式会社アプリボットは、スマートフォン向けのゲームやサービスを制作、運営しており、Redis とその超高速パフォーマンスを活用してしています。

「Memorystore for Redis Cluster の一般提供開始をとても嬉しく思います。アプリボットでは、スマートフォンなどを利用したゲームや各種サービスの制作・運営を行っております。弊社では Memorystore を既に利用しておりますが、今回のクラスタ対応により性能やスケーラビリティがさらに向上することを期待しています。」 - 株式会社アプリボット バックエンドエンジニア リーダー 伊藤直人氏

高い可用性

Memorystore for Redis Cluster は、複数のフォールト ドメイン(ゾーン)にまたがるデータ複製、自動フェイルオーバー、プライマリとレプリカのインテリジェントなノード配置により、高可用性を提供する堅牢なコントロール プレーンで構築されています。またノードやゾーンの障害が発生した際は、レプリカノードへの効率的なフェイルオーバー、プライマリへの昇格、障害ノードの自動修復をシームレスなオーケストレーションで行います。Memorystore for Redis Cluster の耐久性のあるアーキテクチャは、Redis クライアントが直接シャード(プライマリとレプリカ ノード)にアクセスするため、信頼性の高い設計となっています。この設計により、各シャードの故障は独立して扱われるため、プロキシベースのアーキテクチャにつきものの単一障害点のリスクを回避できます。

さらに、Memorystore for Redis Cluster のコントロール プレーンは、Create-Before-Destroy (破棄前に作成) とグレースフル シャットダウンのメンテナンス戦略を採用し、ダウンタイムの発生やワークロードの中断を排除します。アクティブなクラスタ ノードをインプレイスでアップグレードするのではなく、Memorystore はまず新しいソフトウェアで、追加費用なく全く新しいレプリカを作成し、古いノードから新しいノードへのロスレス フェイルオーバーをコーディネイトし、最後に古いノードをグレースフル シャットダウンします。

日本の通信最大手である株式会社NTTドコモは、Memorystore for Redis Cluster の一般提供開始に際し、次のように述べています。

「Memorystore for Redis Cluster の一般提供開始を歓迎します。NTTドコモではマネージドサービスを活用することで、お客様に提供する価値の創出に集中できるサービス運用を実現しています。マネージド データベースとして高い可用性 SLA を実現し、メンテナンス時のシステム影響を最小化できる本サービスを活用していきたいと考えております」 - 株式会社NTTドコモ サービスデザイン部 担当課長 加藤雅俊氏

Google Cloud との統合と自動化

Memorystore for Redis Cluster は、最初からプライベートかつセキュアな接続のための PSC(Private Service Connect)で構築されています。PSC を利用することで、プロビジョニングを簡素化し、自動化されたシングル ステップ プロセスで簡単にプライベート ネットワークを構成し、双方向アクセスによるセキュリティ問題を回避し、Virtual Private Cloud (VPC) ピアリング ベースの実装がもたらすクオータの問題に制限されないようにしました。また、どのような規模(たとえ 250 ノードの Redis クラスタ)でも 2 つの IP アドレスしか必要としないため、クラスタのエンドポイント管理も簡素化され、IP の枯渇や連続的な拡張の問題に対処できます。PSC を使用すると、クライアント アプリケーションはどのリージョンからでもクラスタに簡単にアクセスでき、ネットワークと Redis 管理者の権限の分離やクラスタ エンドポイントに使用する IP アドレス空間の制御など、高度なセキュリティ制御が可能です。

Memorystore for Redis Cluster は Google Identity and Access Management (IAM) と統合されており、特にマイクロサービス ベースのクライアント アーキテクチャの場合、クラスタへのアクセスを簡単に管理、制御できます。また、監査ログ、TLS による転送中の暗号化Cloud Monitoring との統合により、クラスタのメトリクスにアクセスして必要な対応を行うことができます。

フルマネージドと DIY の比較

多くのお客様にとって、Memorystore for Redis Cluster のフルマネージドという性質が移行を促す理由となります。Compute Engine VM 上での Redis パフォーマンスのチューニング、複雑なクラスタトポロジのオーケストレーション、ネットワーク実装の最適化、メンテナンスの管理、障害やアップグレードに直面した際の自己管理による高可用性の確保といった、面倒で手間の多い作業負荷をオフロードすることができます。お客様は Redis の新機能への対応やそれらを無停止のメンテナンス オペレーションで提供するための Google の継続的な投資をそのまま頼りにすることができます。それにより、Redis クラスタの管理に時間を取られることなく、組織の価値構築に注力することが可能になります。Memorystore の確約利用割引(CUD)はすでに Memorystore for Redis Cluster で利用可能で、Memorystore for Redis だけでなくMemcached にも適用できるため、3年間の CUD で 40%、1 年間の CUD で 20% のコスト削減が可能です。

185 か国以上で無料カーナビゲーションアプリを提供する Waze は、Memorystore for Redis Cluster を採用し、フルマネージドサービスにより、アプリケーションのパフォーマンス向上を実現しています。

「Waze は、99.99% の SLA、ダウンタイムなしのスケーラビリティ、柔軟な Redis データタイプを活用し、Memorystore for Redis Cluster を主力の キャッシュ ソリューションとして使用できることを嬉しく思います。当社のプラットフォームを拡張し、ユーザーにより良いエクスペリエンスを提供するにあたり、Memorystore for Redis Cluster の超高速のパフォーマンスはとても役立っています。」 - Waze DevOps エンジニア Yuval Kamran 氏

はじめるにあたって

Memorystore for Redis Cluster への移行をどのように始めればよいのか、あるいはどの程度の労力が必要なのか、悩まれるかもしれません。すでに公開している OSS RIOT を使用したダウンタイムなしの移行に関するブログで、コードスニペットと詳細なステップバイステップの移行方法をご紹介しています。

Google Cloud コンソールにアクセスして数クリックでクラスタを作成し、スケールインまたはスケールアウトを簡単に行うことができます。フィードバックは、cloud-memorystore-pm@google.com までご連絡ください。

-Product Manager, Kyle Meggs

-Software Engineer, Dumanshu Goyal

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