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データベース

AlloyDB Omni によるパフォーマンス強化: トランザクション、分析、ベクトル検索の高速化

2024年12月12日
Bjoern Rost

Product Manager

Ravi Murthy

Engineering Director, AlloyDB

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※この投稿は米国時間 2024 年 11 月 16 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

AlloyDB Omni は、新たにバージョン 15.7.0 がリリースされ、PostgreSQL ワークフローに対し以下の重要な強化が図られています。

  • パフォーマンスの高速化

  • 新しい超高速ディスク キャッシュ

  • カラム型エンジンの強化

  • ScANN ベクトル インデックスの一般提供

  • 新たな AlloyDB Omni Kubernetes オペレーターのリリース

今回のアップデートにより、データセンター、エッジ、ノートパソコン、クラウドなどあらゆる環境で 100% PostgreSQL 互換性を確保して、トランザクションと分析ワークロードから最先端のベクトル検索まで実現できます。

さっそく本題に入りましょう。

パフォーマンスの向上

多くのワークロードは、標準的な PostgreSQL と比べるとすでに強化されています。Google のパフォーマンス テストでは、AlloyDB Omni は、トランザクションのワークロードにおいて標準的な PostgreSQL よりも 2 倍以上高速となっており、チューニングの大部分は自動的に行われ、特別な構成も必要ありません。主な利点の一つとしてメモリ エージェントが挙げられますが、これにより共有バッファを最適化すると同時にメモリ不足エラーを回避できます。一般的に、AlloyDB Omni のメモリを多く構成するほどパフォーマンスが向上し、共有バッファからより多くのクエリを処理して、特に耐久性のあるネットワーク ストレージを使用している場合、メモリよりも大幅に遅くなる可能性のあるディスクへの呼び出しの必要性を減らすことができます。

超高速ディスク キャッシュ

このメモリとディスク ストレージのトレードオフも、超高速ディスク キャッシュの導入により、より柔軟になりました。これにより、高速で、ローカルな、必ずしも耐久性があるとは限らないストレージ デバイスを Postgres のバッファ キャッシュの拡張機能として構成できます。AlloyDB Omni は、新しいデータの記憶領域を確保するためにメモリのデータを期限切れにする代わりに、それほど新しくないデータのコピーをディスク キャッシュに保存して、永続ディスクからより速くアクセスできるようにします。

カラム型エンジンの強化

AlloyDB Omni の分析アクセラレータは、混合ワークロードに変革をもたらしています。開発者は、余分なデータ パイプラインや個別のデータベースを管理する負担を負うことなく、トランザクション データからリアルタイムの分析情報を得るために、AlloyDB Omni が非常に役立つことを認識しています。この代わりに、カラム型エンジンを有効化し、メモリの一部をカラム型エンジンに割り当て、クエリを高速化するためにカラム型エンジンでどの列またはテーブルにデータを入力するかを AlloyDB Omni に判断させることができます。Google のベンチマークでは、カラム型エンジンにより、標準的な PostgreSQL と比較して分析クエリを最大 100 倍高速化できます。

分析アクセラレータの実際のサイズ限度は、カラム型エンジンに割り当てられるメモリの量によって決定されました。新機能では、カラム型エンジンがデータをあふれさせるための高速ローカル ストレージ デバイスを構成できます。これにより、分析クエリを実行できるデータの量が増加します。

ScaNN の一般提供開始

最後に、AlloyDB Omni は、ベクトル データベースのユースケース用に、すでに ivf インデックスまたは hnsw インデックスを使用した pgvector により優れたパフォーマンスを保証しています。しかし、ベクトル インデックスはクエリを高速化する優れた方法ですが、構築と再構築に時間がかかることがあります。Google Cloud Next 2024 では、利用可能なもう一つのインデックス タイプとして ScaNN インデックスを紹介しました。AlloyDB AI ScaNN インデックスは、最大で 4 倍高速なベクトルクエリを提供することで、標準的な PostgreSQL HNSW インデックスを凌駕しています。純粋な速度以外にも、ScaNN は実世界の用途に以下のような大きな利点をもたらします。

  • 迅速なインデックス作成: インデックス作成時間を大幅に短縮することで、開発を加速し、大規模デプロイにおけるボトルネックを解消します。

  • メモリ使用率の最適化: PostgreSQL HNSW インデックスと比較してメモリ消費量を 34 倍削減します。これにより、より大きなワークロードをより小さなハードウェアで実行できるようになり、多様な混合型ワークロードのパフォーマンスが向上します。

AlloyDB Omni バージョン 15.7.0 では、AlloyDB AI ScANN インデックスが一般提供されています。

新しい Kubernetes オペレーター

Google は、AlloyDB Omni の新バージョンに加え、AlloyDB Omni Kubernetes オペレーターのバージョン 1.2.0 もリリースしました。このリリースでは、高可用性が有効な場合のヘルスチェックのより多くの構成オプションのサポート、障害復旧のセカンダリ クラスタがプライマリに昇格したときに高可用性を有効にする構成のサポート、PostgreSQL のログファイルが使用する保存容量の管理を支援するログ ローテーションのサポートが追加されています。

さっそく、リリースノート全文を読み、新機能を体験してみましょう。今すぐマーケットプレイスのイメージで試すか、Docker Hub から最新のコンテナ イメージを入手してください。また、なぜ AlloyDB PostgreSQL にとって新しい方法なのかをこちらの電子書籍でご確認ください。

-プロダクト マネージャー Bjoern Rost
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AlloyDB エンジニアリング ディレクター Ravi Murthy
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