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AI & 機械学習

CCAI Platform が一般提供開始: コンタクト センター向けの AI で価値創出までの時間を短縮

2022年10月11日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 10 月 4 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

お客様は、緊急でサポートが必要な場合に、コンタクト センターに連絡します。しかし、需要の増加、新しいチャネル、ピーク時間、オペレーション上の制約により、コンタクト センターではタイムリーな支援の提供に苦慮することが少なくありません。こうしたギャップを埋めるために、企業はお客様の期待への対応と運用効率のバランスを取る AI 主導のソリューションへの投資をますます増やしています。

しかし、そのようなソリューションから価値を構築および創出することは、複雑で困難な場合があります。Google Cloud は、この価値創出までの時間を効率化して短縮する Contact Center AI(CCAI)を構築しました。そして、最新の CCAI Platform にはエンドツーエンドのコールセンター機能が追加され、この取り組みにおいての重要な一歩を踏み出しました。これらの新機能がローンチされた 3 月以降、CCAI Platform は現在、米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインで一般提供されており、間もなくさらに多くの市場に参入予定であることをお知らせいたします。

CCAI で世界クラスのカスタマー エクスペリエンスを提供し、価値実現までの時間を短縮

CCAI は、コンタクト センターの 3 つの主要なユーザー グループ(コンタクト センターのオーナー、コンタクト センターのエージェント、サービスを受けるお客様)の最大の課題に対処するために、一連のサービスを包括的に提供します。

Dialogflow を使用すると、コンタクト センターの管理者は、エンドユーザーに強いられる長い待ち時間を短縮するなど、コストと顧客満足度のバランスをとりながら、運用を拡張できます。Dialogflow を使用することで、コンタクト センターの管理者は、複雑なチャットや音声の仮想エージェントを構築できます。これは、優れたカスタマー エクスペリエンスを提供し続けながらコンタクトセンターを拡張するための、費用対効果に優れた実証済みの方法です。順番待ちをすることなく、24 時間年中無休で利用できるこれらの仮想エージェントは、お客様と自然に会話し、問題を特定して効果的に対処できます。  

Agent Assist は、全体的な処理時間を短縮し、より効果的で役立つように人間のエージェントをコーチングします。このサービスでは、AI を使用して人間の担当者とお客様の間の音声とチャットの会話を「聞き取り」、過去の会話、ナレッジベース、経験豊富なエージェントのベスト プラクティスに基づいて、エージェントにリアルタイムのガイダンスと推奨事項を提供します。また、音声文字変換や通話の要約などの通話後のアクションを自動化し、すべての通話の終了時にかかる時間とオーバーヘッドを大幅に削減します。

CCAI Insights は、人間のエージェントまたは仮想エージェントのどちらを使用する場合でも、コンタクト センターでのお客様の会話をすべて保存して分析し、お客様のクエリ、エージェントのパフォーマンス、感情傾向、自動化の可能性に関するリアルタイムの実用的なデータポイントをリーダーに提供します。

この技術の中核にあるのは Google の会話型 AI の頭脳です。ここでは、質の高い会話体験を大規模に有効にして調整しながら、会話、理解、やりとりに関する Google Research のテクノロジーを使用しています。

CCAI Platform: 最新の CCaaS であり CCAI の価値創出への最短パス

CCAI サービスの価値はお客様にとって明確です。しかし、これらのソリューションを以前のインフラストラクチャと統合するには時間がかかりすぎるというお客様の声も聞かれます。

これらのインテグレーションの難しさを最小限に抑え、CCAI サービスを使用して価値創出までの時間を短縮し、企業が優れたカスタマー エクスペリエンスを提供できるようにするために、CCAI Platform(UJET との提携によって構築された Google Cloud による「サービスとしてのコンタクト センター(CCaaS)」ソリューション)の一般提供を開始することをここにお知らせいたします。

CCAI Platform は、すぐに使用できる最新のサービスとしてのコンタクト センター ソリューションであり、ユーザー ファースト、AI ファースト、モバイル ファーストの原則に基づいて設計されています。このサービスには次の利点があります。

  • 特別な設定なしですぐ使用できる中核的なコンタクト センター機能で、本番環境への移行までの時間を短縮して実装にかかるオーバーヘッドを軽減し、必要なカスタム開発を実現

  • AI を活用したエクスペリエンスで、ルーティングからお客様対応の改善までカバー

  • CCAI サービスとの緊密なインテグレーションにより、コンタクト センターの変革のための統合されたエンドツーエンドのエクスペリエンスを提供

  • モバイル ファーストのデザインで、さまざまなチャネルで人々が期待するコミュニケーション方法に沿ったインタラクションを可能に

  • 自動更新機能を備えた CRM 中心の設計により、エージェントはお客様に集中可能に

  • デプロイの柔軟性(お客様データを CRM に保存することによる)と、コストを最小限に抑えるために独自のテレフォニー キャリアを導入できる柔軟性

これらはすべて、通常必要とされるような、複数のプロバイダからの複雑なテクノロジーのインテグレーションなしに利用できます。

「Google Cloud と CCAI Platform によって、私たちは業界をリードする CX のイノベーションを使用して、より効果的なカスタマーケア業務を通じて運用の効率化を図りながら、コンタクト センターをクラウドに迅速に移動できます。」KeyBank のディビジョン CIO である Dean Kontul 氏はこう述べています。

Google AI との緊密なインテグレーションによって、クラウドネイティブな CCaaS 向けにプラットフォームを変更しようとしているお客様のために、CCAI プラットフォームはコールセンターの変革を加速するエンドツーエンドの機能を提供します。また、Google Cloud は、お客様の選択に引き続き強くコミットしており、お客様は引き続き、既存の OEM パートナーを通じて最新かつ高性能の CCAI 製品を統合するオプションを利用できます。

コンタクト センターについての会話は始まったばかり

今回のリリースは、より多くの価値をより迅速に、より多くの CCAI のお客様に提供するための幅広い取り組みの一環です。企業がインタラクティブ音声レスポンス(IVR)をインテリジェントな仮想エージェント(IVA)に置き換え、データの収集と分析を開始するにしたがい、ユースケースはより高度になる可能性があります。次に挙げるようなベスト プラクティスに加えて、さらに CCAI サービスをより便利なものにするための技術への投資を Google Cloud が継続しているのはそのためです。

  • CCAI Agent Assist と Insights は、AI の変革の大きな第一歩です。コンタクト センターのオーナーは、通話の音声文字変換を有効にし、トピック モデリングを使用して注意が必要な会話テーマを特定できます。人間のエージェントは、高品質の会話の要約を自動的に生成して、ビジネスの知見を向上させながら、通話を要約する時間と関連するコストを削減できます。Google Cloud では、これらの機能を CCAI プラットフォームとパートナー ISV の両方で利用できるように取り組んでいます。

  • チャットや通話のナビゲーションは、IVA の自動化の最初のステップです。広範囲に影響を与えるもう一つの分野は、会話型チャットまたは会話の進行です。この分野では、お客様を適切な仮想またはライブ対応のエージェント エクスペリエンスにルーティングすることで摩擦が軽減されます。多くのコールセンターでは、お客様がキーパッドを使用してオプションを選択する必要がある IVR システムに依存しています。企業のリーダーによると、このプロセスの中で失ってしまうお客様が非常に多いそうです。問題解決されないまま怒って電話を切ってしまうお客様もおられますし、人間のエージェントにつながることを期待してあるキーを押すものの、問題が正しく識別またはルーティングされていないため、担当者以外につながってしまうお客様も多くいらっしゃるとのことです。Dialogflow の自然言語理解(NLU)機能を使用すると、このような問題を一掃できます。お客様が適切なリソースに辿り着けるだけでなく、分析情報の収集につながる会話データが共有される可能性が高くなります。これは、すぐに効果を得ることができるアプローチであり、IVA 自動化への迅速な第一歩です。

今後数か月間、お客様により高い価値をより迅速に提供することを目的として、これらの機能やその他の機能に引き続き取り組んでいきます。たとえば、特定の業界の企業における、コールセンターのユースケースへの対応に役立つように、事前に構築されたコンポーネントをリリースする予定です。また、カスタマー エクスペリエンス テクノロジーとソフトウェアのプロバイダである TTEC など、AI でカスタマー エクスペリエンスを変革するという共通のビジョンを持つ企業とのパートナーシップも継続します。

「TTEC Digital と Google Cloud は、人工知能、デジタル イノベーション、効果的な運用を活用したグローバルな CX の提供における変革について、共通したビジョンを持っています。」こう語るのは、TTEC Digital のバイス プレジデントである Sam Thepvongs 氏です。「CCAI Platform を使用することで、先進的な AI を活用したコンタクト センター プラットフォームを採用しながら、クラウドに移行するための戦略的なブループリントを大企業のお客様に提供できます。Google Cloud の画期的な CCAI ポートフォリオにおけるこのような進化と、このパートナーシップを通じてお客様が CX をデジタルで変革するのを支援する機会に、これ以上ないほど感動しています。」

CCAI Platform の使用を開始するには、Google Cloud のソリューション ページ または新しいオムニチャネルのデモ動画をご覧ください。また、Google Cloud Next '22 の私のセッション「Contact Center AI を使用して、すべてのやり取りでお客様に満足を」では CCAI の最新情報についてお知らせしますので、ぜひご参加ください。


- CCAI プロダクト マネジメント担当ディレクター Yariv Adan
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