データを移行する

このページでは、ローカルマシンからターゲット クラスタ内の永続ボリューム クレーム(PVC)にファイルをコピーするデータ移行の方法について説明します。

このステップの実行は任意です。

データ移行の構成をカスタマイズする

分析を完了すると、Migrate to Containers CLI により、指定された分析出力ディレクトリに dataConfig.yaml という名前のデータ構成ファイルが作成されることがあります。これは、移行を完了するためにデータ移行を行う必要があることを示しています。

このデータ移行用のデータ構成ファイルを手動で作成して、対象のデータ ボリュームまたはデータクレームに関する情報を指定することもできます。

次に、データ構成ファイルの例を示します。

volumes:
- deploymentPvcName: my-pvc1
  existingPvc:
    name: my-pvc1
  folders:
  - /bin
  - /opt
- deploymentPvcName: my-pvc2
  newPvc:
   spec:
    accessModes:
    - ReadWriteOnce
    resources:
      requests:
        storage: 10G
  folders:
  - /bin
  - /opt

ここで

  • deploymentPvcName: このボリュームにアクセスするために、Migrate to Containers がデプロイ済みワークロードで使用する PVC 名。

  • existingPvc:

    • name: 既存の永続ボリューム クレーム(PVC)の名前。データ ボリュームを既存の PVC に移行するかどうかを定義します。
  • newPvc: データ ボリュームを新しい PVC に移行するかどうかを定義します。標準の PVC 仕様構文を使用して PVC を定義できます。

    Kubernetes PVC 仕様の詳細については、Kubernetes のドキュメントをご覧ください。

  • folders: VM から PVC に移行するフォルダ。これらのフォルダは同じパスの PVC にコピーされます。

次のようなデータ移行のユースケースでは、データ構成ファイルを編集できます。

既存の PVC を使用する

移行したデータ用のストレージがすでに割り当てられており、データを保存する PVC がある場合は、既存の PVC を使用してデータを移行できます。

データ構成ファイル(dataConfig.yaml)に既存の PVC を定義するには、existingPvc フィールドに既存のボリュームを指定します。この場合、データ構成ファイルは次のようになります。

volumes:
- deploymentPvcName: my-pvc
  existingPvc:
    name: my-pvc
    subpath: /subpath
  folders:
  - /bin
  - /opt

前述のサンプルでは、次に示すように、existingPvc エントリにオプションの subPath を含めると、PVC のサブパスにデータを移行できます。

移行した VM に新しいデータ ボリュームを作成する

ストレージが未割り当てで、移行プロセス中にストレージを作成したい場合は、空の existingPvc フィールドを渡して、作成するストレージを newPvc フィールドに指定します。

volumes:
- deploymentPvcName: my-pvc
  newPvc:
    spec:
      accessModes:
      - ReadWriteOnce
      resources:
        requests:
          storage: 10G
  folders:
  - /bin
  - /opt

複数のファイルパスを使用して複数の PVC を移行する

データ構成ファイル dataConfig.yaml にある PVC ごとに、volume リストの各エントリの folders リスト フィールドにディレクトリのセットを指定できます。

volumes:
- deploymentPvcName: my-pvc1
  existingPvc:
    name: my-pvc1
  folders:
  - /bin
  - /opt
- deploymentPvcName: my-pvc2
  newPvc:
   spec:
    accessModes:
    - ReadWriteOnce
    resources:
     requests:
       storage: 10G
  folders:
  - /bin
  - /opt

データ構成ファイルの folders の下にあるパスは、対象とする PVC の同じパスにコピーされます。

データの移行を実行する

データ構成ファイル(dataConfig.yaml)をカスタマイズした後、データ ボリュームをターゲット クラスタ内の PVC に移行するには、次のコマンドを実行します。

./m2c migrate-data  -i ANALYSIS_OUTPUT_PATH -n NAMESPACE

次のように置き換えます。

  • ANALYSIS_OUTPUT_PATH: ファイル dataConfig.yaml を含む分析出力を保存したパス
  • NAMESPACE: デプロイされたネットワークのターゲット Kubernetes クラスタの Namespace

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