コンテナに移行するメリット
Migrate to Containers は、VM ベースの既存のアプリケーションをコンテナ化して、Google Kubernetes Engine(GKE)、GKE Autopilot クラスタ、GKE Enterprise または Cloud Run で実行するためのツールです。GKE と GKE Enterprise エコシステムを活用した Migrate to Containers を使用すると、最新のオーケストレーションとアプリケーション管理に短期間かつ簡単に移行できます。モダナイゼーションと管理は、ソースコードにアクセスすることなく行うことができます。アプリケーションの書き換えや再設計も必要ありません。
コンテナへの移行と Compute Engine へのリフト&シフトとの比較
Migrate to VMs を使用して VM ワークロードを Compute Engine の VM インスタンスに移行できます。リフト&シフト方式は、クラウドに移行する最も簡単な方法です。この方法では、オンプレミスでアプリケーションの実行と管理に使用される運用モデルと同じモデルを維持しながら、基盤となるインフラストラクチャのみをモダナイズします。
リフト&シフトは特定のワークロードで可能なオプションですが、クラウドに移行しているユーザーの多くは、さらに一歩先を考えています。このようなユーザーは、クラウド固有のツール、方法、マネージド サービスを活用しています。さらに、VM からコンテナに移行し、ワークロードを GKE や GKE Enterprise で管理したいと考えています。
コンテナのメリット
Migrate to Containers を使用すると、アプリケーション ワークロードをコンテナに変換してモダナイズできます。ワークロードをコンテナ化する主なメリットは次のとおりです。
- 高密度。コンテナはオペレーティング システムを含まないためコンピューティング リソースとメモリリソースの使用量が極めて少なく、VM より著しく軽量です。コンテナを使用することで、クラスタ全体のワークロードが高密度化するとともに、きめ細かいリソース割り当て、全体的なインフラストラクチャのコスト削減が実現します。
- セキュリティが最適化されたノードカーネル。GKE と GKE Enterprise では、オペレーティング システムの自動アップグレードが提供されるため、オペレーティング システムのメンテナンスの負担から解放されます。
- 最新のサービスでレガシーアプリを強化。GKE と GKE Enterprise を使用すると、プラットフォームのアドオン サービスを利用して、既存のアプリと最新の機能をシームレスに統合できます。たとえば、Istio on GKE または Cloud Service Mesh を利用して、アプリケーション コードを変更することなく、ネットワークとセキュリティのポリシーを自動化できます。また、アプリケーションは変更せずに構成を変更することで、Cloud Logging と Cloud Monitoring によるモニタリングとロギングを利用できます。
- 統一ポリシーと統合リソース管理。GKE と GKE Enterprise を使用すると、インフラストラクチャではなくアプリケーションの管理に集中できます。強力なタグ付け手段とセレクタ ポリシーにより、宣言型の目的状態管理機能を提供します。
- 最新のイメージベースの管理とオーケストレーション。Migrate to Containers には、VM ワークロードからイメージを抽出して Docker イメージと関連アーティファクトをビルドする独自の機能があります。この抽出により、アプリケーション ライフサイクルとオペレーション管理をモダナイズできます(たとえば、CI / CD パイプラインとの統合など)。CI / CD パイプラインと統合することで、Cloud Build などのツールを使用して、Day 2 のメンテナンス手順を実施できます。さらに、イメージベースの管理により、ローリング アップデート、動的スケーリング、自己修復などを実施できます。
次のステップ
- 移行の各フェーズについて学習する。