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リテール

すべての小売業者が Google Cloud Retail Search を検討すべき理由

2022年9月2日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 8 月 26 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Cloud Retail Search は、小売業向け検索ソリューション ポートフォリオの一部として、Google 品質の検索を提供することで、小売業者のデジタル プラットフォームにおけるショッピング サービスの質を大幅に向上するお手伝いをします。Cloud Retail Search は、ユーザーの意向をより深く理解する機能や、小売業者のオンライン サービスの潜在能力を最大限に引き出すのに役立つ自動学習型ランキング モデルなど、高度な検索機能を提供します。

Google Cloud の小売業向け検索ソリューションは、小売業者のデジタル エンゲージメントの向上を支援する一連のサービスで、Google の業種別ソリューションの一部として提供されています。

概要

小売業者は、常に変化する消費者の期待に応えるべく、また、売り上げと収益に影響を与える次のトレンドを予測するべく努力を続けています。

パンデミックは、独自の(かつ、ほぼ前例のない)課題をもたらし、ここ 2 年間続いている問題をさらに複雑化させました。小売業者は、商品の閲覧やリサーチの大部分がデジタル化されたエンドレス アイルといった新しい消費者行動(物理的な接触を避ける)への対応を余儀なくされました。それに伴い、オンラインで購入して店舗で受け取る(BOPIS)、カーブサイト ピックアップ、ピックアップ ロッカーといった他のトレンドも急速に普及しました。昨年初めに発表された McKinsey の全世界規模の調査では、パンデミックにより、デジタル トランスフォーメーションが数年前倒しで加速されたと述べています。

全米小売連合(NRF)は、2022 年の小売業界の売り上げは、2021 年より低い、6%~8% の伸びを予想しています。これは、消費者がインフレや世界の地政学的混乱による食品やガス価格の上昇に対応するため、商品よりもサービスに対してお金を使っているということを意味します。

そして、競争はさらに熾烈になってきています。米国の小売業界では Amazon の優勢が続いています。最新の PYMNTS データによると、Amazon の米国内における e コマースの売り上げのシェアは、2021 年に 56.7% に達し、過去最高となりました

お客様は、小売業者をどう利用していくか、どこでお金を使いたいか、何を購入したいのかについて、これまで以上に多くの選択肢を持つようになりました。また、高品質な製品を求める傾向はさらに加速しています。このために、小売業者はデジタル プラットフォームにおける顧客エンゲージメントの向上に多大な投資を行い、コンバージョン率と顧客ロイヤルティを向上させる必要に迫られています。

そこで、Retail Search の出番です。Google 品質の検索モデルを用いた、強化された検索機能を提供することで顧客の意図を汲み取り、プロモーション、利用可能な在庫、価格といった自社データを考慮してランキング結果を表示します。

Google Cloud Retail Search は他とどこが違うのか

e コマース プラットフォームのサイト内検索のユースケースは新しいものではありません。小売業者はこの 20 年間、効果的な解決策を模索してきました。ほとんどの小売業者は、検索がプラットフォーム上で重要なサービスであることを認識しています。彼らは長年にわたり、検索機能の改善や調整のために、多くのリソースを費やしてきました。しかし、課題は残ったままです。2019 年末に実施された Baymard Institute の調査によると、ユーザーが検索する際、61% のサイトが依然として、サイトで使用されている商品カテゴリの正確な名前を入力しないとたどり着けないようになっていました。

しかし、ユーザーは、Google.com やよく利用されている他のウェブ プラットフォームが提供するような、堅牢で直感的な検索機能を好むようになってきています。わかりにくい検索クエリを入力しても、賢く解釈して関連する結果を導き出す優れた能力を求めているのです。

Google が数十年にわたり培ってきた検索技術の経験と研究が、Cloud Retail Search ソリューションに活かされており、競合他社からの差別化を図っています。

  • 高度なクエリ理解: Retail Search は、より高度なクエリ理解機能や、クエリ結果の幅を調整するタイミングを把握することにより、同じクエリに対してより関連性の高い結果を提供します。ほとんどの検索エンジンは、従来通りのキーワード ベースまたは一致するトークンの結果に大きく依存している一方、Retail Search は、Google の検索アルゴリズムを活用して、商品リスティングやカテゴリ ページに関連性の高い結果を返すことができます。

  • セマンティック検索: インテント認識はセマンティック検索の重要な要件です。Retail Search は、お客様がクエリを入力する際の意図を特定することができるため、大きな強みとなっています。これは、クリック率、コンバージョン率、直帰率に直接影響するため、小売業者にとって非常に意味があるといえます。

  • カスタマイズされた検索結果: Retail Search のもうひとつの大きな差別化要因は、ユーザーとのインタラクション データとランキング モデルを活用して、高くカスタマイズされた検索結果を提供する能力です。小売業者は、検索パフォーマンスを最適化することで、エンゲージメント、収益、コンバージョンの向上など、求める結果を得ることができます。

  • 自己学習とセルフマネージド ソリューション: Retail Search のモデルは、ソリューションに組み込まれた自己学習機能により、時間の経過とともに改善されます。さらに、フルマネージド サービスであるため、維持や設定管理に貴重なリソースを割かずにすみます。

  • 強力なセキュリティ管理: : 本サービスは Google Cloud 上で実行され、お客様のデータを安全に保つためにセキュリティのベスト プラクティスに従います。Google は、Retail API やその他の Discovery ソリューション プロダクトのお客様間において、モデルの重み付けや顧客データを共有することはありません。データ使用についてさらに詳しくは、Retail API のデータ使用の説明をご覧ください。

概要図

これは、Retail Search API の簡潔化された概要図です。小売業者は、指定された検索クエリに対して API を呼び出し、返された結果をデジタル プロパティに表示できます。

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返された結果には、次の 2 種類の情報が含まれています。

  • 検索結果: 高度なクエリ理解とセマンティック検索に基づく、商品リスティングやカテゴリページを含む検索結果クエリ。

  • 動的ファセット検索の属性: ファセット検索は、結果を返す際に追加のフィルタを適用する方法を提供することで、検索をさらに絞り込むことができる機能です。

Retail Search に検索用の機械学習モデルをトレーニングするためには、以下のデータセットが入力として必要です。

  • 商品カタログ:   商品カテゴリ、商品説明、在庫状況、価格など、利用可能な商品に関する情報。

  • ユーザー イベント: クリックや購入などのユーザー操作情報が含まれるクリックストリーム データ。

  • 在庫 / 価格の更新: 在庫状況や価格の情報が更新された際の、増分の更新情報。

(高品質な結果を取得するには、商品カタログを最新の状態に保ち、ユーザー イベントを正常に記録することが重要です。Cloud Monitoring のアラートを設定し、問題が発生した場合に迅速な対応を行います)。

また、小売業者は、ビジネスや構成のルールを設定して検索結果をカスタマイズし、クリック率、コンバージョン率、平均注文数量などのビジネス収益目標に合わせて最適化できます。

ご利用方法

Retail Search は現在一般公開されており、Google Cloud のアカウントを持っている人なら誰でもアクセスできます。アカウントをお持ちでない場合は、こちらで無料のトライアル アカウントを作成できます。

  • 成功基準を設定する: Retail search の効果を測定するための成功基準を確立することが重要です。Retail Search の効果を測定するために、どのような要素を含めるかについて、合意を得ておきます。これには、検索コンバージョン率、検索平均注文額、訪問あたりの検索収益、Null 検索率(一致する検索結果なし)の中から 1 つまたは 2 つを含めることができます。

  • 初期設定: Google Cloud プロジェクトを作成し、Retail API を設定します。新しいプロジェクトに Retail API を設定すると、Google Cloud コンソールに次の 3 つのパネルが表示され、Retail API プロジェクトの構成に役立ちます。

  • パフォーマンスの測定: Retail ダッシュボードは、Retail API の組み込みが結果にどのような影響を及ぼしているかの判断に役立つ指標を提供します。プロジェクトのサマリー指標は、Cloud Console の [モニタリングと分析] ページの [分析] タブで確認できます。

  • A/B テストの設定: 他の検索ソリューションにおける Retail Search のパフォーマンスを測定するには、Google オプティマイズなどのサードパーティのテスト プラットフォームを使用して A/B テストを設定します。

まとめ

小売企業は、サプライ チェーンの問題とデジタル トランスフォーメーションの加速が重点分野となるパンデミック後の世界を乗り越えようとしています。同時に、インフレとコストの上昇をもたらす最近の地政学的な課題にも気を配る必要が出てきました。

店舗での買い物が今後も主要な収益源であり続けることに異論を唱える人はいないでしょうが、小売業者にとっては、店舗におけるサービスをデジタル世界にもフィットするものに調整していくこともまた重要なのです。オンラインで購入して店舗で受け取る(BOPIS)、カーブサイト ピックアップ、ピックアップ ロッカーといったようなトレンドは、今後も続いていくと思われます。

こうしたことを考慮すると、顧客エンゲージメントとデジタル エクスペリエンスの重要性は、さらに高まっていくことでしょう。検索の放棄にかかるコストは非常に高く、短期的にも長期的にも大きな影響を及ぼします。Retail Search は、チャーンを減らし、コンバージョンとユーザーの保持を改善する優れたソリューションです。Retail Search が提供する Google 品質の検索モデルは、顧客の意図を理解する一助となり、小売業者がビジネスや構成のルールを設定して、クリック率、コンバージョン率、平均注文数量などのビジネス収益目標に合わせて検索結果を最適化するのに役立ちます。



- Google Cloud プリンシパル アーキテクト Vikas Saini
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