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リテール

Google Cloud と commercetools でヘッドレス コマースを導入する

2021年9月15日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 9 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

ヘッドレス コマース

ここ数年で、小売企業が e コマースにアプローチする方法に変化がありました。これまでの開発では、バックエンドのトランザクションとオペレーションのための強固な基盤を構築することが優先されていましたが、現在、この分野の企業はエンゲージメントを高め、ユーザーのストレスを軽減する独自のショッピング体験を作り出すことで、他の企業と差別化を図ることに注力していることは明らかです。

しかし、開発チームはオンライン カタログ、ショッピング カート、支払いの決済処理など、e コマースの重要なコンポーネントをシームレスに維持しながら、どのようにしてこのようなインタラクションのためのデザインやコードの作成に必要な時間を割くことができるのでしょうか?そこでヘッドレス コマースの登場です。

ヘッドレス・コマース(HC)は、バックエンドとフロントエンドを切り離すことにより、従来より短い時間と少ないリソースで、導入、開発、立ち上げの実現をあらゆる規模の企業において可能にします。ヘッドレス ソリューション プロバイダは、フロントエンド アーキテクチャに簡単に組み込むことができる、API 経由でアクセス可能なモジュールやコンポーネントをあらかじめ構築することで、柔軟性と最適化のバランスを実現しオンライン小売企業を支援します。これにより、必要なレベルのセキュリティ、コンプライアンス、インテグレーション、応答性を維持しながら、迅速な開発が可能になります。

この組み立て可能なアプローチにより、開発チームは新機能を開発するだけでなく、他の e コマース コンポーネントをより少ない労力で接続できます。これは、ビジネス トレンドに対応する際に重要なことです。しかし、小売企業にとって HC 導入の主なメリットは、なによりも魅力的なカスタマー ジャーニーに対応したフロントエンドを所有して管理し、新しい体験を迅速に提供できることです。

Google Cloud + commercetools

ヘッドレス コマース分野のリーダーである、commercetools は、Google Cloud と提携し、同社のクラウドネイティブな SaaS プラットフォームを Google Cloud Marketplace で利用できるようにしました。柔軟な API システム(REST API および GraphQL)を備えた commercetools のアーキテクチャは、要求の厳しいオムニチャネルの e コマース プロジェクトのニーズを満たすように設計されており、機能の変更や拡張に対応する真の柔軟性も提供します。また、Vue Storefront のようなさまざまなストアフロント プロバイダに対応し、幅広いインテグレーションを提供するとともに、マイクロサービス ベースのアーキテクチャをサポートしています。さらに、SDK tools を用いて、複数のプログラミング言語(PHP、JS、Java)へのアクセスに対応します。

commercetools と Google Cloud は、高品質なデジタル コマース システムを構築するためのあらゆるツールを開発チームに提供しています。Google Cloud のスケーラビリティ、AI / ML コンポーネント、API 管理機能、CI / CD ツールは、commercetools スタックと簡単に統合できるフロントエンドのショッピング体験を構築するのに最適です。開発者は、この互換性を次のように活用できます。

さらに、commercetools を使用すると、Merchant Center を介した信頼できるデータの提供、商品リスティング広告による宣伝、Google ショッピングを通じた販売などにより、e コマース ソリューションが Google エコシステムをより広く活用できるようになります。

アーキテクチャの概要

前述のように、ヘッドレス コマースは、魅力的で差別化されたユーザー エクスペリエンスやショッピング体験を可能にし提供する「フロントエンド」を所有し、管理したいと考える小売企業からますます支持されています。

このアプローチには、デジタル コマース アプリケーションの「フロントエンド」と「バックエンド」が分離された疎結合アーキテクチャが含まれます。フロントエンドは通常、小売企業が構築して管理します。小売企業は、独立系ソフトウェア ベンダー(ISV)が提供する、製品カタログ、価格、プロモーション、カート、配送、アカウントなどの機能を備えた、すぐに使える「バックエンド」コマースの構成要素を利用したいと考えています。

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多くの小売企業は、顧客の獲得と維持のために新しいユーザー エクスペリエンスの導入や、既存のユーザー エクスペリエンス調整に向け、アジャイルな開発モデルを必要とするフロントエンドの構築に時間とリソースを割きたいと考えています。社内にウェブ開発チームを持たない小売企業の場合、すぐに使えるフロントエンドを提供する ISV を選ぶことも考えられます。フロントエンドはウェブアプリで、Google Cloud上のプログレッシブ ウェブ アプリケーション(PWA)として設計されています。バックエンドは、commercetools のような ISV が提供するヘッドレス コマースです。バックエンドのコマース機能は、一連のマイクロサービスとして構築され、API として公開、クラウドネイティブで動作し、ヘッドレスとして実装されています。これは一般的に「MACH」ソリューションと呼ばれています。アーキテクチャの API ファーストのアプローチにより、社内で構築された、またはサードパーティの ISV が提供する機能をベストな形で組み合わせ、簡単に統合できます。

Google Cloud コンポーネントの活用

フロントエンドのアーキテクチャは Google Cloud 上に実装され、Google Cloud 上でネイティブに動作する ISV のヘッドレス コマースのバックエンドと統合されます。

フロントエンドの各要素は、それぞれクラウドネイティブ サービスを使用して設計されます。

さらに、API 管理(Apigee on Google Cloud)を使用して、バックエンド コマースサービスの API とフロントエンドとのインタラクションをオーケストレートできます。API 管理の機能は、デジタル コマース アプリケーションの機能をサポートするために必要な、ERP、注文管理システム(OMS)、倉庫管理システム(WMS)などのオンプレミス システムのサービスにアクセスするために使用されます。また、フロントエンドの機能に応じて、開発者はミドルウェアを使用してカスタム サービスを構築し、リクエストをルーティングすることもできます。

次のステップ

非常に多くの小売企業がすでにヘッドレス コマースを導入しており、現在はベスト プラクティスの採用と、このアプローチで得られるアジリティの活用に重点を置くようになっています。commercetools が小売企業が持つバックエンドの運用ニーズ(商品カタログ注文管理カート決済など)を満たす堅牢なコンポーネントを提供しているように、Google Cloud のコンピューティング、ネットワーキング、サーバーレス、AI / ML サービスは、開発チームがフロントエンドの機能を迅速かつ容易に拡張するために必要なアジリティと柔軟性を提供します。

commercetools と Google Cloud は、すぐに使用できる構成要素を提供する一方で、互いにインテグレーションの容易さ、スケーラビリティ、セキュリティ、反復可能性を優先しているため、シームレスに連携します。また、commercetools のバックエンドが Google Cloud 上で実行されることもシームレスな連携を支えています。Google Cloud と commercetools の最初の基盤が確立された後、新しいコマース モジュールの追加や、現在のコマース モジュールの機能を拡張するプロセスは簡単なものになり、革新的な取り組みに力を注ぐことができるようになります。最終的に、この技術的な相乗効果の恩恵を受けるのは、エンゲージメントが向上し、ストレスが最小限に抑えられたショッピング体験を味わう買い物客です。

また、小売企業は、フロントエンドのインテグレーションを利用することで、時間とリソースを節約することもできます。commercetools は、ヘッドレス コマースのアーキテクチャに簡単に追加できる多様なサードパーティのソリューションを提供しています。このようなインテグレーションやその他の重要なヘッドレス コマースの拡張機能については、今後のブログ記事でご紹介しますが、ヘッドレス コマースを活用するために必要なツールについては、すべて 1 か所で確認できます。

commercetool は Google Cloud Marketplace から導入できるようになっています。ぜひお早めにお試しください。

- ISV CoE ソリューション アーキテクト Rafa Barroso

-グローバル 小売ソリューション リード Logan Vadivelu

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