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Public Sector

政府との連携による気候問題への取り組み

2021年4月9日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 4 月 6 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

持続可能性の問題については、政府、企業、コミュニティが一丸となって取り組み、今すぐに行動を起こす責務があります。私は、過去に米国連邦政府のサステナビリティ最高責任者を務めた経験があり、テクノロジー企業と政府が連携して気候変動の問題に対処することがいかに効果的であるかということを身をもって知っています。

バイデン大統領が提出したインフラストラクチャ計画に、連邦政府の建物の 24 時間 365 日カーボンフリー エネルギー化案が盛り込まれたことを知り、非常に嬉しく思っています。また、デモイン市議会も同様に 24 時間 365 日カーボンフリーという目標を掲げており、こうした地域の取り組みにも感銘を受けています。Google では、このような目標の実現に向けた道のりが容易なものではないということを認識しています。Google は、2007 年に大企業として初めてカーボン ニュートラルを達成したのに続けて、2017 年にはこの規模の企業として初めて年間消費電力の 100% を再生可能エネルギーで賄うことに成功し、以降 3 年連続でこの状態を維持しています。このたび、これらをさらに上回る目標を設定しました。それは、2030 年までに、Google のデータセンターとキャンパスをカーボンフリーのエネルギーで 24 時間 365 日運用できるようにする、というものです。

その緊急性も相まって、一瞬ひるみそうになるほどの高い目標ですが、それでも私は、皆で力を合わせれば前進できると信じています。この楽観的観測は、これまでテクノロジーによって各分野にもたらされた多大なる成果に基づいています。

最もクリーンなクラウドを作る

Google は業界随一のクリーンなクラウドを擁し、連邦、州、地方自治体など、さまざまな単位の政府や行政機関にサービスを提供しています。こうした顧客は、米国だけでなく世界中に広がっており、その影響範囲の大きさを見るにつけ、大変誇りに思っています。International Data Corporation の予測によると、2024 年までにクラウド コンピューティングによって CO2 排出量を 10 億トン削減できる可能性があるとのことです。

Google Cloud では、過去数年にわたりクラウド リージョンおよびデータセンターの効率化を推進し、自社内とお客様企業の二酸化炭素排出量を削減してきました。現在、Google のデータセンターは一般的なエンタープライズのデータセンターと比較して 2 倍のエネルギー効率を実現しているほか、5 年前と比較すると同じ電力消費で約 7 倍の演算能力を達成しています。特に、機械学習を使用することで、データセンター冷却のための消費エネルギーを 30% 削減することに成功しました。現在は、Google Cloud と DeepMind の共同プロジェクトとして、機械学習を使った産業用適応型コントロール プラットフォームの開発に取り組んでいます。これは、商業ビル、データセンター、工業用施設において暖房・換気・空調システム(HVAC)を自動制御することで、世界規模でエネルギー消費を削減しようという試みです。

Google Cloud では最近、クラウド サービスとして初めて、脱炭素化の指標となるデータをお客様向けに公開しました。具体的には、Google Cloud の各リージョンがカーボンフリー エネルギーの供給を受ける 1 時間あたりの頻度を示しており、アプリやインフラストラクチャの完全脱炭素化を目指すお客様にとって有益な情報となります。Google Cloud はすでに、米国のさまざまな政府機関の IT コストと二酸化炭素排出量の削減に貢献しており、海軍エネルギー省のほか、ロードアイランドウェストバージニアピッツバーグなどの州や都市で成果をあげています。

地方自治体との連携

世界の人口の半分は都市に集中しており、世界の炭素排出量のうち 70% がこれらの都市から発生しています。このような背景において、地方自治体は、気候対策計画の作成と実施に役立つテクノロジーを必要としています。

こうした状況を受け、Google Cloud は 2018 年に、世界気候エネルギー首長誓約に協力する形で Environmental Insights Explorer(EIE)を公開しました。EIE とは、都市を対象とした無償の環境分析ツールで、建物や交通に由来する炭素排出量の推定をはじめ、屋根設置型機材での太陽光発電の可能性の検討や、空気品質の測定、樹木面積の測定などを行うことが可能です。

Google Cloud の支援を得て環境対策計画に EIE を取り入れた都市の数は、2020 年だけで 285 にのぼります。EIE のデータに基づいて、ヒューストンでは太陽光発電の目標値を高く設定し、ロサンゼルス市では 90,000 本の植樹を行いました。現在、EIE データが公開されている都市の数は 3,000 以上にのぼり、各種データの測定や、環境対策計画の策定と進捗管理に活用されています。Google では、2030 年までに 500 以上の都市に支援を提供し、年間炭素排出量を 10 億トン減らすことを目標として設定しています(これは、日本の 1 年分の炭素排出量に相当します)。今後、さらに数千の都市で EIE を利用できるようにして、地方自治体と引き続き連携し、脱炭素化社会に向けた目標を全体として達成すべく、Google の知識やデータを共有していきたいと考えています。

持続可能な未来を推進

政府機関が模範例を示すことができる分野の一つとして、連邦政府における持続可能な調達の仕組みが挙げられます。これについては、バイデン大統領も、気候変動に対処するために欠かせないステップとして強調しています。具体的には、物品、労働、サービスの購入契約を連邦政府として結ぶ際、エネルギーと水の効率的使用についてよく検討することが求められます。Google では政府に積極的に働きかけ、クリーンなクラウドによって得られるメリットについて理解を得られるよう努めるとともに、これらの政府機関が持続可能性の目標を達成したり、環境への負荷を最小に抑えながら市民に対してサービスを提供したりできるよう支援しています。

また、議会による政府機関監視機構において、持続可能性に関する項目が連邦 IT 調達改革法(FITARA)のスコアカードを通じて盛り込まれる可能性があります。こうした動きは、政府機関が互いのベスト プラクティスを学び合う機会を作るとともに、革新と持続可能性を重視する企業と政府機関の提携を推進する効果もあります。

Google Cloud では、世界中の政府と積極的に提携し、自社のテクノロジーと知識を提供することで、政府の持続可能性に向けた取り組みを推進してまいります。Google Cloud の持続可能性に向けた取り組みについてさらに詳しくご覧いただき、こうした取り組みに皆様にも参加していただければ幸いです。

IDC プレスリリース、Cloud Computing Could Eliminate a Billion Metric Tons of CO2 Emission Over the Next Four Years, and Possibly More, According to a New IDC Forecast(クラウド コンピューティングによって、今後 4 年間で CO2 排出量を 10 億トン以上削減可能 - IDC の最新予測)、2021 年 3 月

- Google サステナビリティ責任者 Kate Brandt

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