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インフラストラクチャ

Cloud での年中常時クリーン エネルギーの使用

2020年9月24日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 9 月 14 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。


気候変動に対処するには、全世界の経済をクリーン エネルギーへ迅速に移行させる必要があり、Google Cloud はその移行の最先端に位置しています。

Google はクリーン エネルギーについて長い実績を持ちます。2007 年に、主要企業としてはカーボン ニュートラルを初めて達成しました。2017 年には、消費電力の 100% を再生可能エネルギーで賄う、この規模としては最初の企業になりました。今日、Google Cloud は自社のオペレーションすべてを賄うため十分な再生可能エネルギーを購入している唯一の大手クラウド プロバイダで、何年にもわたって歴史上のどの会社よりも多くの風力や太陽光発電の電力を購入しました

しかし、風力や太陽光発電はすべての場所で常に使用できるわけではありません。Google はデータセンターの消費電力を賄うために十分な再生可能エネルギーを平均して購入していますが、これは 1 年間の平均値です。したがって、あるデータセンターで特定の時点において、再生可能エネルギーが多すぎる、または少なすぎることは起こり得ます。再生可能エネルギーが多すぎるときは、ローカル電力網に送り、他の誰かが消費できるようにします。少なすぎるときはローカル電力網から電力を受け取ることになり、この電力は再生可能でないこともあります。

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図 1 - Google は全世界で年間平均して電力の 100% が再生可能になるよう十分な風力や太陽光発電の電力を購入していますが(上図で緑色のスパイクで示されています)、これらのリソースは変動するため、Google のデータセンターがカーボンベースのリソースを使用することはあります。

今日、Google はこれまでで最も野心的なエネルギー目標を設定しています: 2030 まで年にはあらゆる場所で常時、カーボンフリーのエネルギーで業務を遂行することです。これは、Google のデータセンターが常にカーボンフリーのエネルギーを供給されることを目標にするという意味です。Google はこの公約を行った最初のクラウド プロバイダであり、最初に達成することを目指しています。

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図 2 - Google のエネルギー戦略の最終的な、最も野心的な段階は、常時クリーン エネルギーを使用することです。

IDC EMEA の持続可能性テクノロジーおよび社会的影響への取り組みを主導する Marta Muñoz は、次のように述べています。「すべての地域のワークロードをカーボンフリーのエネルギーで賄うことに注力するというのは、大きな一歩です。持続可能なビジネスに進化するために独自の努力をしている、全世界の組織にとって励みになります。この取り組みにより、欧州など、より厳格な規制やカーボン中立性に向けた取り組みを奨励する制度の導入を現在検討している地域では、Google の顧客は新しいグリーン エコノミーの中で優位に立つことができるでしょう。」

2030 年までに年中常時カーボンフリーのエネルギーを実現するという目標により、Google はカーボンフリーのエコノミーが可能であることを実証できます。Google のデータセンターは大量の電力を消費するため、多数のデータセンターにおいて年中常時カーボンフリーのエネルギーを実現できれば、カーボンフリーの電力網が実現可能な範囲内であることを実証できます。

Google はすでに多くの進展を成し遂げており、今後数年間でさらに取り組みを強化する予定です。たとえば、Google が最近公表したシステムは、電力網が最もクリーンな時間に柔軟性のあるコンピューティング タスクを移行することができるものです。また、ネバダ州では世界最大級の太陽光発電および蓄電プロジェクトを提唱しました。また Google は、機械学習を使用して風力発電所の供給電力を最適化しています。

さらに Google は実際の経験から学習し、他の会社が同じ目的に活用できるような有用なツールの開発を支援しています。Google は過去 10 年間に、大規模な再生可能エネルギーの展開を主導し、その過程において風力や太陽光発電の費用の低減に貢献してきました。今後は次世代テクノロジーを使用して同様の活動を行い、年中常時カーボンフリーのエネルギーを実現していきます。

Google は、お客様が Google Cloud に移行することの影響を測定し、排出量を報告して、削減するたに役立つツールを開発しています。また Google は DeepMind と共同で、商業用および工業用施設で冷却システムの AI 制御を可能にする、産業用適応型コントロール プラットフォームを構築しています。米国だけでも、すべての電力の 12% は商業用施設の冷暖房に使用されています1。現在では、Google のデータセンターの冷却に使用される消費エネルギーを 30% 削減したものと同じ AI テクノロジーを、世界の最大級の工業エンタープライズ、ビルディング管理ソフトウェア プロバイダ、データセンターのオペレータで使用可能です。

100% 再生可能エネルギーを達成した唯一のクラウド プロバイダのサービスを使用して御社のビジネスを運営することに関心をお持ちでしたら、Google が支援します。Google のカーボンフリー エネルギーの常時使用を目指す計画について詳しくは、こちらをご覧ください。また、持続可能性に関する Google の広範な告知もご覧ください。2030 年にカーボンフリーのエネルギーの常時使用を実現する Google の公約、気候変動の軽減を目的とした 1,000 万ユーロの Google インパクト チャレンジといった取り組みのほか、Google ユーザーが地球のために日々よりスマートな意思決定を行うために役立つその他のアクションがいくつか掲載されています。


-技術インフラストラクチャ部門シニア バイス プレジデント Urs Hölzle


1. Alliance to Save Energy米国エネルギー情報局

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