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インフラストラクチャ

最新データで見るクラウドのカーボンフリー達成度

2021年3月30日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 3 月 18 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google は 2007 年に初めてカーボン ニュートラルを達成し、2017 年以来、Google の世界的な年間消費電力の 100% に相当する太陽光エネルギーと風力エネルギーを購入してきました。そして現在、2030 年までに地域を問わず 24 時間 365 日カーボンフリー エネルギーで事業を運営するという持続可能性に向けた新たな目標を実現するための取り組みを進めています。本日は、その目標の現時点での達成度をデータでご紹介いたします。Google Cloud リージョンを選択する際に、リージョンで使用されているカーボンフリー エネルギーの割合を考慮する際にご活用ください。

データセンターの電力供給を完全に脱炭素化するという次のステップは、カーボンフリーな未来を実現し、Google Cloud のお客様に業界で最もクリーンなクラウドを提供するために、きわめて重要です。この目標を達成するために、各リージョンで使用するエネルギーのうち、カーボンフリー エネルギーの割合を増やし、化石燃料エネルギーの割合を減らしていく計画があります。Google は、この計画の進行度合いを、カーボンフリー エネルギー パーセンテージ(CFE%)で測定しています。本日は、Google Cloud リージョンの大部分1の 1 時間あたりの平均 CFE% をこちらGitHub で共有します。

Salesforce をはじめとするお客様は、すでに環境に与えるインパクトを考慮したうえで IT 戦略を作成し、顧客に提供するサービスの脱炭素化に取り組んでいます。Salesforce のサステナビリティ担当バイスプレジデントである Patrick Flynn 氏は、同社のイノベーション文化を気候変動の対策に活用することに尽力しています。

Salesforce のサステナビリティの取り組みに関して同氏は次のように述べています。「Salesforce は、気候変動の課題に取り組むために、お客様との関係全体において、イノベーションとテクノロジーの力を活用する必要があると考えています。Google のカーボンフリー エネルギー パーセンテージを確認することで、Salesforce はカーボンフリー エネルギーの使用割合が最も多いロケーションを優先的に選ぶことができます。こうすることですべてのお客様にカーボン ニュートラルなクラウドを毎日提供できるため、二酸化炭素排出量を削減できます。」

このデータを活用すれば、Salesforce のように、炭素排出量も考慮して Google のインフラストラクチャのどこにサービス拠点を置くかを決定できます。料金やレイテンシがリージョンごとに異なるのと同様に、各 Google Cloud リージョンに供給される電力の生産に伴う炭素排出量にも違いがあります。

CFE% は、そのリージョンに 1 時間に供給される電力のうち、カーボンフリー エネルギーが占める平均的な割合を示しています。アプリケーションやワークロードの動力となるカーボンフリー エネルギーの量をできるだけ多くすれば、それらの使用により排出される炭素の総量を減らすことができます。当然ながら、すべてのリージョンで通年カーボンフリー エネルギー 100% に挑戦しています。このため、CFE% を見れば、各リージョンの電力需要をカーボンフリー エネルギーの供給によってどの程度賄えているかがわかります。数値が低いリージョンでは、年間を通して、需要に見合うカーボンフリー エネルギーの供給をその地域で得られない時間が長くなります。

Google は各 Google Cloud リージョンで CFE% を増やす取り組みを続けますが、それまでの間、お客様はカーボンフリー エネルギーの割合が高いロケーションを選んでご利用いただけます。二酸化炭素排出量のほか、データの所在地、パフォーマンス、冗長性も考慮する必要があるかと思います。そこで、ワークロードに伴う総炭素排出量を削減するための方法をいくつかご紹介します。


  1. 新しいアプリケーションを構築する際に炭素排出量が少ないリージョンを選ぶ。クラウド アプリケーションは構築した場所でそのまま運用されることが多いため、新しいアプリケーションを構築する際には CFE% が最も高いリージョンを選択しましょう。

  2. 炭素排出量が少ないリージョンでバッチジョブを行う。バッチ ワークロードは事前に計画されることが多いため、CFE% が高いリージョンを選ぶことで、ジョブの実行に使われるカーボンフリー エネルギーの割合を増やすことができます。

  3. 炭素排出量が少ないリージョンを優先するように組織のポリシーを設定する組織のポリシーを使用して、クラウド リソースのロケーションを特定のリージョンまたはリージョンのサブセットに制限できます。たとえば、米国を拠点とするリージョンのみを使用する場合は、現在 CFE% の数値が上位にあるアイオワとオレゴンでワークロードが実行されるように制限します。このようにすると、ラスベガスとサウスカロライナを選択した場合に比べて、アプリ運用時に平均 68% 多くカーボンフリーエネルギーが供給されます。

そして、最もクリーンなエネルギーの使用方法は、そもそもエネルギーを使用しないことであることも忘れないでください。クラウドアプリケーションの効率を上げることによって、使用するエネルギーが減ります。この場合、炭素排出量も減ることが多いのです。ワークロードに合わせた自動スケーリングを行うサーバーレス製品をお試しください。サイズの適正化に関する推奨事項をコンピューティング インスタンスに適用できます。

24 時間 365 日カーボンフリー エネルギーで電力需要を賄うという目標を、世界中のすべての Google Cloud リージョンで追求しています。それと並行して、ユーザーによる炭素排出量が少ない選択を支援して、Google Cloud Platform の二酸化炭素排出量を削減する新しい方法も開発しています。今後の情報もぜひご確認ください。また、本日公開されたデータの詳細はこちらからご覧いただけます。


1. 現在記載されていないリージョンのデータも、受け取り次第リストを更新いたします。

-Carbon free for GCP チーム

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