AI のセキュリティを確保: 国家安全保障のミッションを推進
Ron Bushar
Managing Director and Chief Information Security Officer, Google Public Sector
※この投稿は米国時間 2024 年 11 月 26 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
AI は単なる技術的進歩ではなく、国家安全保障上の優先事項となっています。この新しい時代において、AI はあらゆる組織のサイバーセキュリティ能力を強化できるパワフルなテクノロジーであると同時に、防御と保護が必要なテクノロジー インフラストラクチャの重要な一部でもあります。
Google は最近、IDC に委託し、161 人の連邦 CAIO、政府の AI リーダー、その他の意思決定者を対象者として、この新しい AI 時代において各機関のリーダーがどのように AI への取り組みを先導しているかを把握するための調査を行いました。この調査の結果、連邦政府機関における AI のユースケースで現在最も重要なのは、内部のサイバーセキュリティ保護であると調査対象者の 60% が回答しました。
AI 導入の主な推進要因については、調査対象となった連邦政府機関の 62% がサイバーセキュリティの強化を挙げました。また、AI 投資の主な推進要因については、同機関の 40% が重要なインフラストラクチャの保護であると回答しました。
AI 時代のセキュリティ リーダーシップ
AI の成熟度が高い機関は、責任ある AI への取り組みに関するポリシーや標準の実装を行うなど、AI への取り組みを先導しており、リスク評価、脅威モニタリング、インシデント対応などに役立つセキュリティ ポスチャー管理ツールや手法を導入することで AI を戦略的に活用しています。AI によるイノベーションを奨励することで、セキュリティを強化し、ミッションの達成に大きな影響をもたらすことができます。
AI の導入を成功させるには、CAIO、CISO、CTO の連携が不可欠です。連邦政府機関の回答者の 54% が、CAIO のイニシアチブを実行する上で最も重要な協力者は CTO であると考えており、これに次いで CISO が 51% でした。これらのリーダーが協力することで、AI の力を活用しながら、リスク評価、脅威モニタリング、インシデント対応を効果的に行うことができ、最終的には機密データや重要なインフラストラクチャを保護することにつながります。
AI 時代のあらゆる政府機関の AI リーダーに向けに作成された「The Chief Artificial Intelligence Officer (CAIO) Playbook: A Practical Guide for Advancing AI Innovation in Government」は、政府機関がセキュリティの強化とミッションの迅速な達成を実現するための AI ロードマップを作成するのに役立つインサイトと推奨事項を提供しています。
セキュリティと AI リーダーシップの実践: CalHEERS と Covered California の事例
米国では、AI リーダーシップの先頭に立つカリフォルニア州が、倫理的で透明性があり、信頼性の高い AI の評価と導入を主導しています。AI の開発、利用、リスクを研究する州全体の取り組みの一環として、Covered California は、住民に基本的な補償を提供するプロセスを合理化するために AI テクノロジーを採用しています。
同機関では、CalHEERS(California Healthcare Eligibility, Enrollment, and Retention System)によって防御力を強化し、数百万人ものカリフォルニア州民の機密性の高い医療情報を保護しています。また、インテリジェンス主導の AI を活用したプラットフォームである Google Security Operations を導入することで、マルチクラウド インフラストラクチャ全体で機密性の高い患者データとオペレーティング システムを保護しています。
「Google Security Operations と Deloitte の専門知識を組み合わせることで、複雑なサイバー環境の効果的な操作や、マルチクラウド環境の保護に必要なツールや機能が提供されます」と Covered California の CIO(最高情報責任者)である Kevin Cornish 氏は述べています。
お客様のミッションに対する Google の取り組み: セキュア AI
Google Public Sector は、適応性と安全性はもとよりインテリジェントかつ責任ある方法で政府機関をサポートし、安全な AI ソリューションと AI を活用したセキュリティ ツールでデータを保護するとともに、保護されたデータに基づく意思決定を支援します。このビジョンに対する Google の献身的な取り組みを示すため、先日開催された Google Public Sector Summit において、いくつかの重要な発表を行い、Google の強固なセキュリティ インフラストラクチャ、業界をリードするインテリジェンス、AI を活用した機能、セキュア AI フレームワーク(SAIF)などの包括的なアプローチが、政府機関が AI を自信と責任を持って活用する上でいかに役立ち、革新を推進できるかを紹介しました。
サイバーセキュリティは、国家および経済の安全保障にとって極めて重要であり、政府機関は進化する脅威に対処し、対応する能力を継続的に強化する必要があります。Google Public Sector は、政府機関と連携して AI システムのセキュリティを確保するとともに、AI を活用したセキュリティ ソリューションを提供することに注力しています。
Google Public Sector Summit On-Demand にご参加ください
2024 年 12 月 3 日(火)に開催される Google Public Sector Summit On-Demand にぜひご登録ください。AI とセキュリティの重要な接点について深く掘り下げた情報を提供するほか、安全性と責任の基準を維持しながら AI を活用して国家安全保障を強化する方法など、Google Public Sector のリーダーがさまざまなトピックを探求します。
¹ IDC Signature ホワイトペーパー 「The Chief Artificial Intelligence Officer (CAIO) Playbook: A Practical Guide for Advancing AI Innovation in Government」( Google Public Sector が資金提供)、ドキュメント番号 US52616824、2024 年 10 月
ー Google Public Sector、マネージング ディレクター兼最高情報セキュリティ責任者 Ron Bushar