コンテンツに移動
COVID-19

COVID-19 を乗り越えて未来を形作るために

2020年4月27日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 4 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対する世界の対応が進化する中、あらゆる所で企業が従来の考え方を捨て、絶えず変化する環境に適応しようとしています。現在、Google Cloud での最優先事項は、お客様が COVID-19 を乗り越えるための支援です。従業員の在宅勤務を支援したり、ウイルスに関する最新情報を地域に確実に届けたりするなど、さまざまな取り組みを行っています。お客様が必要とする短期的なソリューションの提供に重点を置く一方で、将来に向けて信頼できる基盤を整える支援もしていきたいと考えています。

前回の最新情報に関するブログ投稿の後も、Google では、Google の技術を利用してさまざまな素晴らしい取り組みを行っている企業や政府機関、研究者の皆様の支援を続けてきました。今回は、この難局に立ち向かう 3 つの主な業界において Google が取り組んでいる支援施策について詳しくお伝えいたします。この支援の取り組みには、政府機関の IT システム負担の軽減や職員の在宅勤務への切り替え、医療システムの助けが必要な人々のサポート、小売業界などの企業の消費者ニーズ急増への対処などがあります。

COVID-19 に対する政府機関や学校の対応を支援する

世界各国の政府は、労働力、リソース、システムの急増するニーズへの対応に直面しています。このどれもが今非常に重要になっています。政府は市民のニーズに応え、COVID-19 に対処しようと懸命に取り組んでいます。その中で、数多くの Google のソリューションが、人々にとって最も重要なサービスを提供するために活用されていることを誇りに思います。実際に多くの政府が、ウイルス感染拡大の追跡、市民や地域からの質問に対する的確な回答、また失業補償や児童福祉などの管理サービス支援に Google のソリューションを利用しています。

政府機関も、G Suite を利用いただいている 600 万人を超える有償のお客様の一員で、パンデミックを受けていち早く遠隔学習やリモートワークをサポートできるよう政策転換を行っています。この期間中に Google はこれまでにない速度で成長しています。Google のビデオ会議サービスである Google Meet では現在、200 万人以上の新規ユーザーが毎日つながっています。その利用時間の合計は 20 億分を超え、在宅中も連絡を取り合う方法として活用されています。また、 1 億人以上の生徒や教師の皆さんが G Suite for Education を利用しています。

セキュリティはあらゆるユーザーにとって重要ですが、Google では Google Meet のようなコミュニケーション ツールのセキュリティ機能が特にこの時期の政府機関や教育機関にとって不可欠であると考えています。Google はだれもが安全につながることができることを重視しています。Google Meet のセキュリティ管理機能はデフォルトで有効になっているため、ほとんどの場合、組織やユーザーは特に何も設定しなくても適切な保護を実装できます。また、政府機関が従来のようにリモート アクセス用の VPN を使わなくても組織内のウェブアプリに安全にアクセスできるよう、BeyondCorp リモート アクセス をリリースしました。NYC サイバー コマンドなどの組織は、どこで作業していてもチームがすばやく安全にリソースにアクセスできるように、Google の BeyondCorp ソリューションを採用しています。

ノルウェーでは、トロンハイム市が、Google Meet を採用して、効率的に共同作業して地域内の重要な問題に対処したり、子どもたちの遠隔学習に利用したりしています。同市では 1 週間に 6 万回の Meet セッションが実施されました。フィリピンでは、情報通信技術省(DICT)が G Suite ベースの GovMail を利用して、隔離された労働者や市民へのサービス提供を支援しています。また、英国のハックニー自治区議会は、G Suite、Google Meet、Chromebook を使用して、4,000 人のスタッフで構成されるチームのつながりを維持し、市民に公共サービスを提供しています。

米国の州政府機関は、公共サービス提供に関わる問題を解決するために Google Cloud を利用しています。たとえば、Google は、シカゴ市の保健福祉省と協力して、医療スタッフが症状を訴える市民を直接診察し、感染が疑われる場合には最寄りの検査施設を案内できる COVID Coach アプリを新たに立ち上げました。また、オクラホマ州では、Contact Center AI を使う新しい Rapid Response Virtual Agent プログラムを利用して、州の雇用安定委員会が COVID-19 に関する市民からの質問にチャットと電話で年中無休 24 時間対応しています。

Google はまた、患者をリモートで検診し、患者の接触者を追跡することで感染拡大の防止に役立つ政府アプリ作成の支援も行っています。シンガポール政府は、Google Cloud を使って、地域主導の接触者追跡システムや最前線で働く人々のための個人の体温データ追跡アプリを作成しました。ユタ州では、Google は、1,000 人以上の州職員が接触者を追跡し、より適切な対応と回復の取り組みを支援するアプリを提供しています。また、ブラジルでは 州都であるレシフェ市とルナンブーコ州と共同で「Atende em Casa」と名付けた COVID-19 検診アプリを開発し、不要な来院を減らすことに役立てています。 

医療システムが適切な情報と治療を提供できるようにする

医療機関は今回のパンデミックの深刻な影響を受けています。そして今、患者に最善の治療を施し、情報を必要としている人に正確な関連情報を提供しようと尽力しています。Google は、感染の拡大経路の追跡、患者の遠隔診療やつながりの確保などを支援するサービスやツールを提供することで医療体制を支え続けています。

昨日、Google は、Cloud Healthcare API の医療機関への一般提供を開始しました。この API を使用することで、Mayo Clinic のような医療機関はさまざまな入力情報やシステムから主要データを取り込んで管理し、分析と機械学習をリアルタイムに適用して、データを確実に解析できるようになります。

また、米国を代表する医療機関の一つである HCA Healthcare とパートナー提携し、COVID-19 National Response Portal を立ち上げました。これにより、病院や地域は、パンデミックに関するデータや感染拡大状況などのデータを共有して、準備や対応ができるようになります。オーストラリアと米国では、BetterConsult が Google Cloud を使って、臨床スタッフによる感染確認のほか、重症者が病院で検査する前や遠隔診療の予約を取る前に支援を要請できるサービスを提供しています。地域主体の非営利医療組織である Commonwealth Care Alliance® (CCA)は、Google のデータ分析ソリューション、Looker を導入し、患者の健康状態や症状、リスク要因をモニタリングすることで得た分析情報を使って、予測に基づく的確な患者ケアを計画し、提供しています。 

また多くの病院で、G Suite をリモートでの共同作業や、職員同士や患者とのつながりの確保に利用するケースが増えています。フィリピンでは、 Reliance Health Services が、毎日の会議に Google Meet を活用し、Google スプレッドシートを使ってプロジェクトの共同作業を行い、すべての従業員を在宅勤務に移行することに成功しています。ニュージーランドでは、COVID-19 に対するロックダウン政策中にも、Southern Cross Healthcare Group が運営する 17 か所の老人介護施設では、Google Meet を利用して家族とつながりを保つことができています。また、ケンブリッジ、サマービル、ボストン地下鉄の北部地域に 14 万人の患者を抱える医療システムである Cambridge Health Alliance では、G Suite を利用して、スタッフが 3 つの病院、15 か所のヘルスセンター、自宅から COVID-19 の取り組みのためにつながり、連携しています。米国ではまた、Advent Health などの医療システムも Google の Chromebook や Google Meet を利用して、面会が制限されている入院患者が画面を通して家族とのつながりを維持できるようサポートしています。 

チリでは、パートナーの KochaSoft と連携して RedSalud を支援しています。RedSalud は 9 つの診療所や 40 か所の医療歯科センターを通して、国内の何千人もの患者にサービスを提供しています。ここでは、患者の予約受付ツールとして Google Calendar、仮想管理ツールとして Google Meet、統合をサポートするために Google Cloud Platform を利用することで、患者のリモートケア システムを 1 週間足らずで導入できました。 

小売業の急増する需要と売れ筋予測管理を支援する

パンデミックにより顧客ニーズの移り変わりが激しく、小売業界は多くの点で混乱をきたしています。営業を続けることが難しくなっている店もあれば、需要が急増している店もあります。大多数の店は、売れ筋予測や運用管理、顧客サービスに関して正確な情報を得るのに苦労しています。Google は、お客様のシステムが高水準の稼働率を確保してスムーズに稼働し続け、お客様がニーズの急増に対処できるよう注力しています。

インドネシアの e コマース企業 Tokopedia は、Google Cloud のデータ分析ツールを使用して需要を予測し、700 万以上の販売店や 9,000 万を超えるアクティブ ユーザーに十分行き渡る在庫を確保しています。シンガポール最大のスーパーマーケット チェーンである NTUC Fairprice Co-Operative では、COVID-19 の感染拡大に備えて顧客が店舗やオンラインで急いで購入したため、容量のニーズが 400% 以上急増しました。NTUC では、G Suite を活用することで、従業員の大部分をリモートワークに移行させながらも、このような需要の急増にも対応することができました。2 年前に G Suite への移行を完了した香港の高級ブランド販売企業 BlueBell Group は、場所やデバイスを問わずどこでも作業できる在宅勤務体制をすばやく整えました。

世界的な e コマース企業の Shopify のチームでは、5,000 人の従業員のつながりを維持し、世界各国のニーズ急騰に対処するために、安全で柔軟かつ信頼性の高い Google Meet を利用しています。ミズーリ州、イリノイ州、インディアナ州、アイオワ州、ウィスコンシン州に 100 店舗を展開する家族経営のスーパーマーケット、Schnucks は、Google Meet で年中無休 24 時間体制のヘルプデスクを開設して、社内や店舗で働く従業員が受けた質問にすばやく回答できるようサポートしています。また英国では、DFS Furniture Company Ltd が Google Meet を利用して、すべての社員を在宅勤務にすばやく移行させることに成功しています。

将来に向けての基盤を構築する

ここに紹介した例は、この数週間に報告された素晴らしい取り組みのほんの一部にすぎません。Google は、この困難な時期に、さまざまな業種のお客様に適切な技術とサポートを確実にお届けできるよう、今後も取り組んでまいります。この世界的感染拡大の中、すべての人が新しい現実に適応するための短期的な支援だけでなく、将来を見据えて計画を立てる企業や政府への長期的な支援も踏まえて、お客様や地域をサポートしていきたいと考えています。

- By Google Cloud CEO、Thomas Kurian

投稿先