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Google Cloud

パンデミック時の医療およびライフ サイエンス関連組織を支える Google Cloud Healthcare API とその他のソリューション

2020年4月21日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 4 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

患者の治療を行う医療現場に立つ医療従事者であるか、治療法確立に向けて研究を続けている研究機関の研究者であるかの区別なく、医療およびライフ サイエンス関連組織は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)との戦いの最前線で健闘しています。Google は、医療業界があらゆる面においてさまざまな形でこのパンデミックの影響を受けており、組織のニーズが急速に変化している現実を把握しています。

Google の技術的な専門知識を医療業界で働くエキスパート支援に役立てることで、医療関連機関ができるだけ多くの人々に最善の治療を提供できるようになること、それが Google の目標です。この課題に取り組めるよう、本日は Google の Cloud Healthcare API を一般提供することを皆様にご報告するとともに、この状況下にあっても、Google は引き続き、各業界に合わせた数多くのソリューションを提供して、お客様とパートナー様をサポートしてまいります。

Google Cloud Healthcare API の一般提供に関するお知らせ

医療機関がリアルタイムの統合医療データにアクセスできることは不可欠で、一刻を争う問題です。COVID-19 の対応で医療業界はほぼ限界に達しているため、データの相互運用性を向上させることがこれまで以上に必要になっています。これまでの数か月で、医療業界は CMSONC が発行した最終規則に従って進歩の基盤を築き、「21st Century Cures Act(21 世紀の治療法)」の主要条項を実践してきました。そして今、医療機関は医療情報交換を支援する使いやすいテクノロジーを切望しています。  

これにお応えするため、Google の Cloud Healthcare API を本日より医療業界全体に一般提供いたします。この API を使用することで、医療機関はさまざまな入力情報やシステムから主要データを取り込んで管理できるため、分析と機械学習をリアルタイムに適用して、大量のデータを確実に解析できるようになります。また、医療機関はウェブで利用しやすい REST ベースのエンドポイントや健康保険を使って簡単にデータを操作できるようになります。これにより、相互運用性や患者アクセスの導入、スケーリング、サポートに必要な機能を提供するクラウドベースの FHIR サーバーをすばやく起動して実行可能になります。

Mayo Clinic は昨年 Google とのパートナーシップを開始して以来、Google の Healthcare API を利用して臨床データの保存と相互運用性を実現してきました。Mayo Clinic Platform 代表取締役の John Halamka 医学博士は、次のように述べています。「私たちは今、テクノロジーがすばやく安全に機能するだけでなく、患者ケアの改善につながるものでなくてはならない時代に生きています。Google Cloud の Healthcare API を導入したことで、関係者間でのデータの流動性が加速した結果、患者ケアの質が改善しました。」

医療環境のシステムは複雑かつサイロ化しているため、医療およびライフ サイエンス関連組織にとって、FHIRHL7v2DICOM データの全体像を収集することは極めて困難であることが少なくありません。Google の目標は、Cloud Healthcare API とパートナー エコシステムを使ってこの骨の折れる仕事をできる限りシンプルにすることです。医療業界が情報に基づいたデータドリブンな意思決定を下せるようになることで、医療従事者が最も重要な仕事である「人命を救う」ことに注力できるようにしたいと考えています。

COVID-19 と戦う医療機関を支援するその他のソリューション

今週は、Cloud Healthcare API に加えて、医療機関、研究者、患者が COVID-19 パンデミックを乗り切るのに役立つ数多くのソリューションをご紹介します。Google Cloud は、Google 検索、YouTube、Google Maps Platform のチームのほか、Alphabet 内の他のグループと連携して次のようなソリューションを提供しています。

  • 仮想診療と遠隔医療サービス - 医療機関は、Google Meet を使用するオンライン診察を提供し、G Suite を活用して Google ドキュメント、スプレッドシートなどのファイルに保存した患者情報を Google ドライブに保存しておけば、ノートパソコンやタブレット、スマートフォンを使って、どこからでも情報へのアクセスと更新が可能です。当然この間もデータ セキュリティと HIPAA コンプライアンスは確保されます。

  • リモートワークを可能にするコラボレーション機能 - 医療およびライフ サイエンス関連組織は、リモートワーク義務化による新しい基準を遵守しながらも、G Suite や Google Meet を使って同僚と画面を通してつながり、会話を交わし、プロジェクトを進めることが可能になります。また、Chrome Enterprise を使えば、Hackensack Meridian Health などの医療機関は、固定されたワークステーションに縛られることなく、どこからでも必要なファイルや情報にモバイルでアクセスできます。

  • 年中無休 24 時間体制の会話形式のセルフサービス サポート - 先週リリースされた Google の新しいRapid Response Virtual Agent を使えば、たとえばペンシルバニア大学のような機関では、この重大な時局においても、需要が集中している医療ホットラインやコールセンターの負担を減らし、患者に即座に対応して正確な情報を提供できます。

  • 需要の高い公衆衛生データセット - Google は、医療機関が事前にホストされた公的医療データセットのリポジトリを使用して COVID-19 を研究できるよう支援しています。ローカルの医療サービス機関や緊急時計画担当者は、これらのデータセットに Looker の事前に構築された分析とダッシュボード を適用することも可能です。

  • 重要なサービスの可視化 - Google Maps Platform を COVID-19 データセットと組み合わせて使用することで、医療機関は重要な機器の場所を特定し、検査所の位置を提供して、患者に指示を与え、医療物資が必要な場所に届くよう支援できます。今月初めにお知らせしたように、Google は、HCA Healthcare および SADA とともにNational Response Portal という新しい取り組みを開始しました。これにより、米国の病院システムでは人工呼吸器の使用率、ICU の病床数、COVID-19 の検査結果などの重要データをより適切に追跡できるようになります。

  • Google Cloud リサーチ クレジット - Google は、研究者、教育機関、非営利団体、製薬会社などがスケーラブルな処理能力をCOVID-19 の研究に活用するための支援も行っています。参加資格がある団体は、可能性のある治療法、手法、データセットに関連するプロジェクトの資金を受け取るために、リサーチ クレジットを申請できます。詳細は、参加資格とよくある質問をご覧ください。

この新型コロナウイルス感染症との戦いはまだ始まったばかりですが、企業や組織、地域が一体となって取り組めば、必ず良い結果を得ることができます。Google のチームは、COVID-19 によって生まれる独自のニーズに対応するべく、米国内の医療機関と緊密に連携して取り組んでいます。本日までにすでに、驚嘆に値する対応が世界中で取られています。このパンデミックのさなかに治療を行う医療機関をサポートするという重要な役割を担い続けることには、身が引き締まる思いがいたします。

Google の取り組みや支援の内容について詳しくは、cloud.google.com/covid19-healthcare をご覧ください。

- By Google Cloud プロダクト、医療とライフ サイエンス担当マネージング ディレクター Joe Corkery、Google Cloud 医療ソリューション担当ディレクター Aashima Gupta

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