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日用品

テクノロジーと気候科学を駆使して、CPG 企業のサステナブルな原料調達を支える

2022年2月4日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 1 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

競争の激しい日用品業界では、サステナビリティがかつてなく重要になってきています。最近の Google の調査によると、消費者の 82% が COVID-19 以前に比べてサステナビリティを重視するようになった1 と回答しているほか、78% が、気候変動の問題に対処するために大手企業はなんらかの役割を担うべきであると考えています。2 サステナブルなビジネスへの移行は、顧客の期待の高まりに応えるのはもちろんのこと、組織にとっても、廃棄物および運営費を削減できるというメリットがあり、優秀な人材をひきつけるポイントにもなります。

サステナビリティはビジネスに良い成果をもたらすだけでなく、最終的には地球のためになります。これは Google が真剣に向き合っているテーマでもあります。Google は創業当初から、世界中の人々の生活を劇的に改善するようなサービスの開発に注力すると同時に、環境に負担のない方法でビジネスを運営するよう努めてきました。具体的には、2007 年、大企業として初めてカーボン ニュートラルを成し遂げたほか、2017 年には、再生可能エネルギー率 100% を達成しています。現在では、業界で最もクリーンなクラウドを運用しています。さらに、地理空間情報の調査研究の一環として、人道的、科学的、環境的な取り組みに力を入れているほか、こうした地理空間情報をGoogle Earth Engine を通して分析用に公開しています。

将来に向けて、責任のある調達を推進する

Google のこうした取り組みは、日用品(CPG)のサプライ チェーンとどう関わってくるのでしょうか。私たちが日々消費する商品は、パーム油や、大豆、ココアなどの原材料に大きく依存しています。たとえば、コーヒー、チョコレート、冷凍食品、シャンプー、歯磨き粉、化粧品、家庭用洗剤にまで、こうした原材料が使われています。これらの原材料への需要が高まるに伴い、森林が危機に晒されています。なんらかの変革が必要です。

サステナビリティへの注目が高まるにつれ、需要の高い農作物ではサプライヤーに対する監視の目が厳しくなります。環境重視の企業は、原材料のサプライヤーに森林破壊ゼロを期待し、自社商品においてそうしたサプライヤーが占める割合を具体的に調査するとともに、その数値をできるだけ大きくすることを目指しています。しかし、つい最近まで、CPG 企業が一連のオペレーションの細部に切り込み、地域のサプライヤーの行動を世界規模かつリアルタイムで正しく把握することは困難でした。

Google Cloud は NGIS と提携し、CPG 企業がサプライヤー ネットワークから原材料を調達する過程を詳しく把握できるようにしています。これにより、サプライヤーのパフォーマンスを向上するとともに、森林破壊防止に向けたコンプライアンスを徹底することが狙いです。NGIS が開発した TraceMark ソリューションは、Google Earth Engine と BigQuery を使って、サプライヤーの行動を時系列で分析、可視化できます。

Google Earth Engine は、世界最大規模のオープンな地球データ アーカイブです。衛星画像や地理空間データセットなど、ペタバイト規模のカタログを地球規模の分析機能と組み合わせて、地表の変化を検出し、傾向をマッピングして、変動を数値化しています。また、このエンジンを使うことで、組織としての決断が社会や環境にどんな影響をおよぼすのかを分析することもできます。

TraceMark、Google Earth Engine、BigQuery を組み合わせると、サプライヤーによる農業運営の影響を可視化、モニタリング、測定できます。具体的には、まず Earth Engine が数十年にわたり収集してきた地球データを画像に集約、統合します。次に、サプライヤーごとの境界マップを作成し、NGIS の気候データ サイエンスおよび機械学習を適用して、ピクセル画像を分析情報へと変換します。最後に、BigQuery と Google Cloud の統合型 AI プラットフォームである Vertex AI を使って、サプライヤーのスコアを算出し、ダウンストリームの ERP および調達システムにこのデータを組み込んで、それを参考にしながら判断を下せるようにしています。

こうした取り組みは、サプライ チェーンのアジリティ、透明性、トレーサビリティを向上させるとともに、責任のある原料調達を支援します。

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NGIS のエグゼクティブ ディレクターである Nathan Eaton 氏は次のようにコメントします。「Google Cloud やそのパートナーとともに、企業がサプライ チェーンの全工程でサステナブルな手法を実践し、説明責任を果たすための支援ができることを大変嬉しく思います」「Google Earth Engine 独自の地理空間技術のおかげで、リーダー企業およびそのサプライヤーがかつてない方法で環境への負荷を可視化、制御することが可能になっています」。

森林破壊ゼロのサプライ チェーンに向けた Unilever の取り組み

Unilever は、テクノロジーを駆使してサステナビリティを追求する企業の模範的な例です。同社は 2020 年から Google Cloud と提携し、データを駆使しながら環境に配慮した意思決定に努めており、特に日用品のサステナブルな原料調達に力を入れています。

Google Cloud は、クラウド コンピューティングの力と、衛星画像、AI を組み合わせることで、Unilever のサプライ チェーンおよびそれに関わる森林、水循環、生物多様性を全体的な観点から捉えることを可能にします。Unilever は、これらのエコシステムの全体像を把握しながら、森林破壊の発見に取り組むと同時に、特に保護が必要な森林や地域の緊急性を見極めています。

サステナブルへの変革を支えるクリーンなクラウド

Google Cloud は、Google Earth Engine および NGIS のソリューションを通じて、CPG 企業が目指すサステナビリティの目標達成に貢献しています。今後も、Google が独自に掲げるサステナビリティの高い目標をいっそう押し進めると同時に、テクノロジーを通じて CPG 企業への貢献を続け、私たち皆が共有する環境および未来を守っていきたいと考えています。

TraceMark のサステナブルな原料調達ソリューションや、Google Cloud でサステナビリティへの取り組みを推進する方法については、クラウド営業担当者までお問い合わせください。

Google Cloud Marketplace で TraceMark の詳細をご覧ください

CPG のデジタル トランスフォーメンションに対するGoogle Cloud の貢献については、こちらの電子書籍をお読みください


1. Google および C Space、ブラジル、フランス、ドイツ、インド、メキシコ、英国、米国、定性的調査活動、回答者数 528 人、2020 年 11 月 24~26 日

2. Google および Ipsos、Google のサステナビリティへの取り組み、ブラジル、フランス、ドイツ、インド、日本、英国、米国、オンラインで 18~70 歳を対象に調査を実施、回答者数 16,959 人、2021 年 7 月


- Google Cloud 日用品ソリューション担当バイス プレジデント Giusy Buonfantino
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