データ アドボカシーを利用して消費者のプライバシーに関する信頼のギャップを埋める
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 8 月 4 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
消費者のデータのプライバシーに関する規則が強化され、サードパーティー Cookie の廃止が迫る中、あらゆる規模の企業が、同意に前向かつプライバシーを重視した業務の進め方を模索しています。消費者向けブランドは、収集した顧客データをより詳細に観察し、自社のデータドリブンなアプローチを採用してビジネスを行うことを学ぶべきです。
しかし、昨今のブランドは、プライバシーと消費者の同意が不可欠であることを認識しつつも、多くの場合どこから着手すればよいのかわからないかもしれません。さらに悪いことに、多くのブランドがデータ プライバシーに関して消費者が本当に望んでいることを認識していません。現在、ブランドが自分たちのデータを倫理的に使用すると信頼していない消費者は 40% にのぼります1。しかし、改善の余地はあります。
ブランドと消費者のプライバシーに対する考え方のギャップは明らかですが、その状況を拡大させ続ける必要はありません。組織は、消費者データのプライバシーをビジネスの柱として扱い始める必要があります。つまり、データの使用方法、プロセスの実行方法、チームの行動を導く中核的価値としてです。ブランドは、部門横断的なデータ アドボカシー パネルを導入することで、消費者データの保護を常に念頭に置き、組織全体でプライバシー重視を保証するために専門チームが責任を負えるようになります。
データ アドボカシー パネルとは
成功しているブランドは、顧客データのプライバシーの必要性を脅威ではなく、チャンスと捉えています。自分たちが何を求めているのかが明確な昨今の消費者に対し、それを提供するかどうかはブランド次第です。まず第一に、透明性が重要です。消費者の多くは、よく利用するブランドに対してすでに、これまで以上の透明性を求めています。しかし、40% もの消費者が、個人情報がどのように利用されるかを知っていれば、積極的に個人情報を共有すると考えています(KPMG)1。このシンプルな価値交換が、自社のデータドリブンな未来への鍵になる可能性があります。では、何が企業の行動を阻んでいるのでしょうか。
組織改革は困難な事業のように思われがちですが、消費者データ プライバシーの重要性を認識している多くの企業は、単に前進する方法を知らないだけです。どのような手段があり、どのように着手すればよいのか、どのように準備すればよいのか、さらに、投資した改善が現時点で、そして長期的に効果を発揮するためには、どうすればよいのでしょうか。組織の DNA に織り込まれたデータ アドボカシー パネルは、同意への積極性のための道しるべのような役割を果たすことができます。
データ アドボカシー パネルを導入するには?
データ アドボカシー パネルのミッションは、組織全体で同意に前向きな文化を築き、維持することにあります。顧客データの力によってビジネスを強化すると同時に、顧客に同意の力を与えるという役割を果たすことができます。そして、ほとんどのビジネス上の意思決定がデータによって行われる(そして行われるべき)時代において、データ アドボカシー パネルを持つことは、非常に有意義です。
しかし、データ アドボカシー パネルとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。重要なのは、適切な人材を含めることです。データ アドボカシー パネルには、あらゆる種類のデータの保護、収集、作成、共有、アクセスに責任を持つすべてのビジネス ユニットの代表者を含める必要があります。これには、マーケティング、IT / セキュリティ、法務、人事、経理、カスタマー サービス、営業、パートナー リレーションなどのメンバーが含まれます。
そして、これらのチームメンバーが集まって、2 つの重要な目標に取り組む必要があります。それは、組織全体でデータをどのように扱うかについての戦略と方針を定めることと、次のような新しいデータの展開に迅速に対応することです。
情報漏えいの可能性がある
市場心理の変化
新しいコンプライアンス要件
データをビジネスでどのように、いつ、なぜ、どこで使うかを決定する際には、データ アドボカシー パネルがそのサポートの役割を担います。
企業がデータ アドボカシー パネルを設立すると、自社の消費者データの収集、結合、保存、管理、活性化の方法について、最大限の透明性と監査可能性、説明可能性、サポート拡大を実現する新しい、将来に備えた組織構造を構築するための基盤も構築することになります。
消費者の同意、データ アドボカシー、プライバシーを中心にする価値
プライバシーを重視するだけでなく、同意に前向きなブランドになるにはどうすればよいでしょうか?
Google Cloud 日用品担当バイス プレジデントである Giusy Buonfantino は次のように述べています。「プライバシー状況の変化と消費者の期待の変化は、企業が消費者データの収集、分析、保存、管理の方法を根本的に見直して、より優れたビジネス パフォーマンスを推進し、顧客にパーソナライズした体験を提供しなければならないことを示しています。」
プライバシー状況の変化と消費者の期待の変化は、企業が消費者データの収集、分析、保存、管理の方法を根本的に見直して、より優れたビジネス パフォーマンスを推進し、顧客にパーソナライズした体験を提供しなければならないことを示しています。
Google Cloud 日用品担当バイス プレジデント Giusy Buonfantino
企業は顧客とのプライバシーを重視したエンゲージメントを実現するために、カスタマー データ プラットフォーム(CDP)を導入しています。Lytics のカスタマー データ プラットフォーム ソリューションは、Google Cloud BigQuery に構築されており、変化する環境の中で企業が消費者データの取得と活用の方法を進化させ続けることを支援しています。BigQuery での Lytics は、企業が機械学習を組み込んだ安全でスケーラブルなプラットフォーム上で自社の行動顧客データを収集し、解釈することを支援しています。
Lytics の戦略責任者である Reggie Wideman 氏は次のように述べています。「従来の CDP は、設計上、他のすべての顧客データとは別に、内部統制やガバナンスの範囲外で、CDP システムに顧客データを収集し、統一するよう企業に求めることで、膨大なリスクを生み出しています。私たちは、より良い、よりスマートな方法があると考えています。コンポーザブル CDP のアプローチにより、企業は、独自の外部 CDP ツールセットを中心に構築することを強いられることはなくなり、当社のツールを既存のマーテック エコシステムに重ねることができます。」
従来の CDP は、設計上、他のすべての顧客データとは別に、内部統制やガバナンスの範囲外で、CDP システムに顧客データを収集し、統一するよう企業に求めることで、膨大なリスクを生み出しています。私たちは、より良い、よりスマートな方法があると考えています。
Lytics、戦略責任者 Reggie Wideman 氏
Wideman 氏は、次のようにも述べています。「これにより、開発者やデータ管理者は、プライバシーのコンプライアンスを確保した安全な独自のデータ ウェアハウスで『Customer 360』を作成できるようになりました。このアプローチの利点は、プライバシーを重視したアーキテクチャで、顧客データを収集し、統一してプロファイル スキーマを作成し、顧客のデータ ウェアハウスと同期させ、社内のデータチームが安全で永続的な『Customer 360』を構築し、管理するのを支援できることです。同時に、マーケティング ツールやチャネルと直接同期してターゲット広告や活性化を実現できます。」
要するに、小手先の調整、マイナー チェンジだけでは不十分だということです。より大規模な変化をもたらす触媒から始める必要があります。その触媒がデータ アドボカシー パネルであり、現在も、そしてこれからも、貴社ブランドと顧客との価値交換の中心にあり続けるはずです。
Buonfantino 氏は、次のようにも述べています。「消費者の同意と価値交換の重要性は、当社がお客様と交わす会話の中心となっています。正しい方法で得られた自社データは、より有意義で価値の高い消費者エンゲージメントを促進するのに役立ちます。」
データ アドボカシー パネルの詳細、導入方法、顧客データのパワーをどのように全社員にもたらすかについては、ホワイト ペーパーをお読みください。さらに、Google Cloud Marketplace にある Lytics CDP もぜひご検討ください。
- Lytics、戦略責任者 Reggie Wideman 氏
- Google Cloud、リテール / CPG 戦略 ISV ポートフォリオ担当ディレクター Vikas Jain