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リテール

インフレに打ち勝つ: ホリデー シーズンを迎える小売業者のための 5 つのヒント

2022年11月28日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 11 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

予算の問題やインフレ ショックが原因で消費者の行動は著しく変化し、2020 年のパンデミック以来目まぐるしく方向転換しています。これまでは十分な商品が手に入らない状況でしたが、現在は適切な商品が適切な価格で提供されていません。小売業者はホリデー シーズンに向けて態勢を整え、ますますコスト意識の高まる消費者に対してスムーズな商品検索とデジタル ショッピング体験、適切な在庫、パーソナライズを通じて価値を提供できるよう準備する必要があります。

この記事では、最近の eMarketer ウェブキャストから収集した「小売業者がインフレの影響にうまく立ち向かうにはどうすればよいか」についてのいくつかの見解と、Amy Eschliman(Google Cloud、小売ソリューション戦略および業界エンゲージメント担当マネージング ディレクター)、Alexis Hoopes 氏(Mattel Inc.、バイス プレジデント兼 e コマースおよび消費者直販(DTC)責任者)、Elissa Quinby 氏(Quantum Metric、リテール インサイト責任者)といった専門家による実用的なアドバイスをご紹介します。それでは、小売業者が検討すべき 5 つの重要なポイントを見ていきましょう。

1. 早めのホリデー ショッピング計画に備える。予算に限りがある買い物客は、かつてないほど早くからショッピングの計画を立てています。Google のパートナーである Quantum Metric の最新の小売ベンチマーク調査によると、米国消費者の 40%、英国消費者の 30% が、すでにホリデー シーズンの買い物を始めています1。Mattel の Alexis 氏は次のように語ります。「私たちはこれまで、お客様のために早くから機敏に行動し、お客様が買い物しようとしたときに商品を提供できるよう準備しておくことを学んできました。」昨今の物価の上昇について、彼女は次のように付け加えました。「お客様は事前計画や調査を今まで以上に念入りに行い、価格の高い商品を購入する際は商品詳細ページを何度も確認してから買い物かごに入れるようになっています。」

Quantum Metric の同じ調査では、平均注文金額は 2022 年 1 月から 7 月の間に増加し(前年同時期よりも多い1)、買い物頻度は減っていたこともわかりました。物価が上昇していることから、買い物客の 37% は、費用を予算内に抑えるために事前に計画を立てて商品を一度に購入しています1。Amy は次のように述べています。「つまり、お客様にショッピング カートを放棄させないためには、お客様が求めているものを至極簡単に見つけられるようにする必要があります。」

Google 品質の検索とレコメンデーションの機能を実装して、買い物客が適切な商品を簡単に見つけられるようにすれば、カートの放棄を減らし、コンバージョンを増加させることができます。

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2. 在庫切れの問題に対処する。パンデミック中に表面化したサプライ チェーンの問題の多くは解消されましたが、在庫は依然として小売業における難題です。Google / Ipsos の調査によると、2021 年のホリデー シーズン中に消費者が受けた「在庫切れ」のメッセージは、パンデミック前と比較して 253% 増加しました2。Elissa 氏はさらに、米国と英国の消費者の大多数が月に数回の在庫切れに遭遇したと指摘しています。しかし、これは流動的な状況であり、消費者の需要がたとえばブランド品からノーブランド品やホワイトラベル商品に急速に変化すると、小売業者は在庫の肥大化に直面します。「今後 6 か月ほどは、消費者の需要を満たす適正な在庫を持つことに特に注意を払わなければなりません」と彼女は助言しています。

未だかつて、エンドツーエンドの可視性とサプライ チェーン全体でリアルタイムに行動する力がこれほどまで喫緊に必要とされたことはありません。Google Cloud とそのパートナーは、エンドツーエンドの可視性、分析、アラート主導のイベント管理を可能にするソリューションや、調達、フルフィルメント、配達のようなプロセスを合理化する AI ソリューション / 自動化を通じて、サプライ チェーンの主要な問題に正面から取り組んでいます

3. 価値を導入する: 商品の品質と体験を伝える。価格の上昇は多くの買い物客にとって最も重要な要素ではありますが、消費者による購入の判断基準は価格のみにあると考えるのはよくある誤解です。Alexis 氏は次のように述べています。「e コマースにおいて、私たちは価格、商品、サービス、体験について話し合います。価格はお客様にとって柱の一つにすぎません。Mattel では、商品と体験に完全に的を絞っています。なぜこれが特別なのでしょうか?新たな方法でお客様と直接つながるにはどうすればよいでしょうか?大切なのは、「あっ」という驚きの瞬間を作り出し、より深く結び付くことです。「お客様に対する価値」という意味では、それがその商品の購入を促進する強みになります。  

Elissa 氏は、消費者は買い物に際して多くの比較検討を行いますが、それは実際には、高品質な商品にせよ、高品質な体験にせよ、価値を比較しているのだとも指摘しています。BigQuery で構築された Quantum Metric の継続的製品設計ソリューションは、モバイル アプリケーションやウェブ アプリケーションなどの複数のデジタル タッチポイントからデータを取り込んで顧客シグナルを製品ライフサイクルのあらゆる段階に結び付け、それを基にお客様が実際に求めている商品や体験を提供します。

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4. どのチャネルでも一貫した体験を提供する。今日の消費者は、チャネル横断的なショッピング体験を要求しています。「チャネル体験は、オンラインや店舗だけにとどまらず、今やいたるところに広がっています。」Amy はこのように説明します。「私たちはこれを「ユビキタス デジタル ショッピング」と呼んでいます。」Elissa 氏は、消費者の 75% が買い物のほとんどをデジタルで行っていると付け加えました。ただし、モバイルはデジタル トラフィックの 67% を占めるものの、売り上げに対する割合は 49% にすぎません1。「最近のデバイス別のトラフィックとコンバージョン率の傾向を見ると、ビッグセール期間に最も多くのトラフィックを生み出すのはモバイルになると予想されます」と彼女は語ります。「人々は商品を見つけ、それを記憶しておく手段を求めており、おそらくプレースホルダやリマインダーとして商品をカートに追加することさえあります。しかし、最終的な購入はデスクトップで行うのを好んでいます。したがって、一貫した体験を提供することは小売業者にとってきわめて重要であり、ブラック フライデーやサイバー マンデーのような大規模なセール期間では特にその重要性が増します。」Elissa 氏はまた、商品やサイト設計に関するテストを早期に終わらせること、顧客体験を組織全体で総体的に把握すること、作業に優先順位を付けて円滑に進めることも助言しています。

現代の消費者が期待しているのは、時と場所を選ばず、店舗にいるか、ウェブサイトを閲覧しているか、アプリの使用中か、あるいはソーシャル メディア広告を見ているかを問わず、自分のニーズに最も適合した商品を購入できること、そして、小売業者のコマースサイトに最初にどのように入ったか、またはコマースサイトからどのように出たかにかかわらず、一貫した良好な体験が得られることです。Google の 2022 年度版小売マーケティング ガイドには、オンライン販売やアプリ内販売の売り上げを伸ばす方法についての有益な情報やヒントが掲載されています。

5. タッチポイントをパーソナライズしてロイヤリティを高める。顧客ベースとの関係を築き、お客様に商品の価値を理解してもらうことは不可欠です。Alexis 氏が指摘したキーポイントは、ホリデー シーズンが拡大する中でメッセージの鮮度を保ち、お客様が再びショップに訪れたときに新しいメッセージを提供するということです。「お客様のエンゲージメントを高めるためには、お客様が探しているものを適切なときに見つけられるようにする必要があります。」彼女はこう語ります。「お客様は綿密に計画を立て、早い段階でウィッシュ リストを作成してから、最後の最後にできるだけ安い価格で商品を購入しようとします。これらを中心に置くことが大切です。」

Alexis 氏は、今日の消費者は閲覧した商品やカートに入れた商品に関するデータポイントを豊富に提供するという点も指摘しています。「e コマースの優れているところは、小売業者がこれらすべてのデータポイントを利用して個々のお客様向けにカスタマイズされた直接的なメッセージを作成できることです。」彼女はこのように説明します。

Amy は、商品発見とパーソナライズによるコンバージョンに常に焦点を合わせ、顧客データに基づいて分析やアクションを実行することを推奨しています。「企業の最大の資産はデータです。データを可能な限り多様な方法で利用し、それを社内全体で活かすことがきわめて重要になります。」彼女はこのように語ります。「自社データを活用し、マーケティング キャンペーンからサプライ チェーンの効率化に至るまで、あらゆることを活発化します。自社のデジタル プロパティを訪れるすべてのお客様が、できるだけ簡単に商品を見つけられるようにします。レコメンデーションに特に注意を払い、パーソナライズを駆使してお客様のショッピング体験を独自色のある充実したものにしてください。」

これらの目標を達成するには、最新のクラウド データ ウェアハウスを導入し、顧客データ プラットフォームを稼働させる必要があります。Google Cloud の高度なデータ能力パートナー エコシステムが、さらにパーソナライズされたマーケティング、ショッピング体験、カスタマー サービスの基盤となる顧客データ プラットフォームをどのように実現できるかをお確かめください。

この記事は要点を簡単にまとめたものです。さらに詳しくお知りになりたい場合は、オンデマンド ウェブセミナー「小売業者がインフレの影響に立ち向かうための 5 つの方法」に登録のうえご覧ください。


1. Quantum Metric の小売ベンチマーク、「Adjusting for Inflation」。このレポートは、2022 年 1 月~7 月の閲覧行動の集計結果と、米国および英国の 3,400 人の消費者を対象としたアンケート調査に基づいています。

2. Google / Ipsos、Holiday Shopping Study、2021 年 10 月~2022 年 1 月、オンライン アンケート、米国、n=7,253(過去 2 日間にホリデー シーズンの買い物をした 18 歳以上のアメリカ人)

- Google Cloud、セールス、リテール、および CPG 戦略 ISV ポートフォリオ担当ディレクター Vikas Jain

- Quantum Metric 社 CEO Mario Ciabarra 氏
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