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Google Cloud での SAP

IDC の調査によると、BigQuery を使用する SAP 顧客の ROI は 323% にものぼる

2021年8月31日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 8 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックから得られる教訓があるとするなら、ビジネス上の意思決定にはスピードとインテリジェンスが不可欠であるということです。組織は、データを継続的に活用してスマートな意思決定を行うことで、競合他社や課題に打ち勝つ方法を見つける必要があります。課題は何でしょうか。データはあちこちにありますが、組織がリアルタイムで分析を行えるような形になっているとは限りません。結果として、データ量に関する組織のユーザーの意見は二分しています。IDC の調査によると、半数のユーザーが「データが多すぎる」と答え、ほぼ同数のユーザーは「データが足りない」と答えています。組織のデータの価値を最大限に引き出すための最初のステップはまず、データを大規模に合成して処理することです。

調査会社 IDC が最近発表した調査によると、SAP を導入している企業は、ERP、サプライ チェーン、CRM などの SAP アプリケーションやその他の社内外のデータソースからのデータを BigQuery で最適化していると報告しています。IDC では、この調査のために、平均年間売上高 18 億ドル、従業員数 36,000 人、1.5 PB のデータを持つ 7 社の顧客に聞き取りを行いました。

BigQuery は、Google のデータクラウド内のフルマネージドのサーバーレスのクラウド データ ウェアハウスです。組織がペタバイト級のデータを統合、集約、分析するのに役立ちます。IDC の調査結果によると、SAP の顧客は BigQuery を使用することで、プラットフォームやスタッフのコストを削減しながら、よりインパクトのある分析を生成してビジネスの成果を向上させており、1 企業あたり年間平均 640 万ドルの利益を得ています。

BigQuery は大きな生産性とインフラストラクチャのメリットをもたらす

IDC の調査によると、BigQuery が組織にもたらすメリットは、ビジネスの生産性向上、IT スタッフの生産性向上、インフラストラクチャのコスト削減の 3 つに大別されます。この 3 つの要素が組み合わさって組織にスピード、効率、パワーを与え、ビジネスの成果を向上させたのです。

  • ビジネスの生産性向上: IDC の調査によると、多くの企業が、BigQuery を使用することでセルフサービス オプションを含む SAP 関連のビジネス分析情報を生成する能力が向上したと答え、その理由として、クエリのサイクルタイムが短縮され、事業部門の経営幹部、マネージャー、エンドユーザーへのレポート提供がより迅速に行えるようになったことを挙げています。これらの企業は、BigQuery を採用した後、クエリが 63% 加速し、ビジネス レポートやダッシュボードの生成が 77% 速くなったことを確認しています。BigQuery により、データ サイエンティスト、ビジネス インテリジェンス チーム、データまたはアナリティクス エンジニア、ビジネス アナリストが、SAP 環境から得られるより堅牢でタイムリーなデータや分析情報に簡単にアクセスできるようになりました。これによりさらに効率的な作業が可能になり、事業部門のエンドユーザーに、よりリッチでタイムリーなデータドリブンの分析情報を提供できるようになりました。「BigQuery for SAP は我々のデータ分析活動に大きな影響を与えました」とある回答者は答えています。「クエリの実行スピードが素晴らしい。分析チームは、以前は手に入らなかった情報やレポートにアクセスできるようになりました」

  • IT スタッフの生産性向上: BigQuery の導入により、スタッフの時間の確保ができるようになり、広がり続けるデータ環境に対応するだけでなく、データやビジネスに関連する他のイニシアチブのサポートにも時間が割けるようになったと回答しています。フルマネージド ソリューションである BigQuery により、社内の IT スタッフはデータのバックアップなどの日常業務から解放され、SAP データ環境を活用してビジネス オペレーションをサポートするためにより積極的なアプローチを取れるようになりました。ある回答者の報告です。「BigQuery for SAP を導入する前は、チームは分析のために働いていたと言っても過言ではありません。当社の DevOps チームは、メンテナンスやトラブル対応、パッチ適用などの事後対応的な作業に多くの時間を費やしていました。今では、積極的なロードマップ開発と今後追加する機能に時間の大半を費やすことができるようになりました」

  • IT インフラストラクチャのコスト削減: IDC の調査によると、BigQuery は回答企業のプラットフォーム費用を削減し、データ ウェアハウス環境の管理運営を効率化することで、コスト削減に貢献しています。データを単一のクラウドベースのプラットフォームに統合し、重複や冗長性、過剰なプロビジョニングを制限する BigQuery の機能により、これらのコスト削減が実現しました。また企業は、費用対効果の低い従来のソリューションを廃止するなどして、オンプレミスのデータ ウェアハウス環境の維持運用にかかるコストを削減しました。ある回答者はこう説明します。「BigQuery for SAP の最大の利点は、自社でデータを管理する必要がないことです。アップデートや管理を気にする必要がなく、バックアップやビジネスの継続性などのメンテナンスもほとんど BigQuery に任せています」

スピード、効率、パワーで結果を出す

回答した企業の多くは、BigQuery により SAP データの活用が強化されたことが、ビジネスの成果の向上に直結したと述べています。データ使用の効率性が高まったために、戦略の実行力も高まりました。分析の速度と精度が向上したために、組織のために生み出す価値を増やすために必要な情報とツールを、従来より多くの従業員が利用できるようになりました。BigQuery のスケーラビリティとスピードにより、ビジネス オペレーションが改善され、分析情報を手に入れるまでの時間が短縮されました。ビジネス オペレーションをより明確にリアルタイムで把握できるようになりました。こうして得られた情報は、新規ビジネスの獲得、競合他社との差別化、顧客チャーンの低減などに活用されています。

「BigQuery for SAP の主なメリットは、価格設定、トラフィック管理、ルーティング構成、レーティングなど、ビジネスの核となる部分の改善に役立つリアルタイムのインテリジェンスです。これにより、競合他社に対する優位性を獲得できます。より的確な情報を提供するツールと、より迅速な分析をできるツールがあれば、利益率とビジネスの成果を向上させることができます」とある回答者は答えています。実際に、導入企業は平均 2,280 万ドルの収益増加を実現しています。貴社はどのように感じられましたか?

Google BigQuery がお客様の SAP 組織をどのようによりアジャイルで効率的にしていくのか、詳しくは IDC レポートの全文をお読みいただき、補足の Google Cloud 上の SAP のリソースをご覧ください。

-Google Cloud SAP 担当マネージング ディレクター Snehanshu Shah

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