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Google Cloud

通常の半額で使用できるプリエンプティブル GPU

2018年1月12日
Google Cloud Japan Team

Google Cloud が 2015 年 5 月にプリエンプティブル VM インスタンスを導入したことで、高スループットのバッチ コンピューティングや、機械学習、科学、技術ワークロードの処理リソースに対するお客様の考え方(と料金の支払い方)は大きく変わりました。

Google は昨年、プリエンプティブル VM に接続されるローカル SSD の料金を値下げし、プリエンプティブル クラウド リソースの一部として高パフォーマンス ストレージを安価に利用できるようにしました。そしてこのたび、このアプローチをさらに発展させ、プリエンプティブル VM に接続できる GPU をベータ リリースしました。

これにより、お客様は NVIDIA K80 および NVIDIA P100 GPU を、それぞれ 1 基につき 1 時間あたり 0.22 ドル、同 0.73 ドルでプリエンプティブル VM に接続できます。この料金は、オンデマンド インスタンスに接続される GPU の料金(最近実施された値下げ後の料金)の半額に相当します。

プリエンプティブル GPU は大規模な機械学習などのバッチ ワークロードに特に適しています。予測可能かつ手ごろな料金で GPU のパワーを利用し、分散バッチ ワークロードを実行できます。

Google Cloud Platform(GCP)ではこのほど、米国のアイオワ(us-central1)リージョンでも GPU の提供を開始しました。GPU が利用できるリージョンとゾーンの一覧については GPU のドキュメントをご覧ください。

プリエンプティブル VM に接続されたリソースはオンデマンド リソースと同じように使用できますが、2 つの点で重要な違いがあります。プリエンプティブル リソースの場合、Compute Engine から通知を受けて 30 秒後にシャットダウンされる可能性があり、使用できる時間も最大で 24 時間です。

これらの特徴から、プリエンプティブル リソースは、1 つのインスタンスが継続的に必要なわけではない、フォールト トレラントな分散ワークロードのための優れた選択肢となりえます。こうしたリソースを、私たちは格安で提供することにしたわけです。

プリエンプティブル リソースはオンデマンド リソースと同様に料金単価が固定されており、お客様は常に低コストの恩恵を受け、これにかかる料金を正確に予測できます。課金は秒単位であり、プリエンプティブル VM インスタンスに接続された GPU はプリエンプティブルと見なされ、低い単価で課金されます。

プリエンプティブル GPU を使用するには、まず、gcloud コマンドラインでインスタンス作成コマンドに --preemptible を付加するか、もしくは REST API で scheduling.preemptible を true と指定するか、あるいは下図のように GCP Console でのインスタンス作成時に Preemptibility で On を選択します。そして、通常のように GPU を接続します。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/preemptible-gpus.max-500x500.png

お客様は通常の GPU クォータを使ってプリエンプティブル GPU を起動できます。また、プリエンプティブル VM に接続された GPU にのみ適用される特別なプリエンプティブル GPU クォータをリクエストすることも可能です。

手ごろなコストで利用できる GPU パワーの動的プールを作成したい場合は、Compute Engine のマネージド インスタンス グループを使用できます。プリエンプティブル インスタンスがプリエンプト(シャットダウン)されたときでも、マネージド インスタンス グループによって必要なキャパシティが再び使用可能になると、プリエンプティブル インスタンスが自動的に再作成されます。

また、プリエンプティブル VM は Compute Engine 上に構築された Google Kubernetes Engine(GKE)などのクラウド プロダクトと統合されています(GKE の GPU サポートは、現時点ではプレビュー段階にあります。この機能を試したい方は、こちらのフォームからお申し込みください)。

ここ数年、私たちのお客様はプリエンプティブル リソースを利用して非常にエキサイティングな成果を挙げています。たとえば、衛星画像分析における問題解決、金融サービス開発、量子物理学の研究計算数論における曲線調査創薬スクリーニングなどです。

GCP のプリエンプティブル GPU インスタンスは、手ごろな料金、アクセスのしやすさ、十分なスケーラビリティが絶妙に組み合わされています。弊社の創薬プログラムでは、コンピューティング コストが安ければ、より多くの分子を探索でき、有望な新薬を発見できる可能性が高まります。プリエンプティブル GPU インスタンスは、他の割安なクラウド プロダクトと比べて、一貫した料金や透明な利用条件などの点で優れています。そのおかげで私たちは、大規模シミュレーションの計画やコストの管理に加えて、プロジェクトに影響する意思決定をタイムリーに行うのに必要なスループットを非常にうまく確保できています。

Woody Sherman 氏、Silicon Therapeutics の CSO

プリエンプティブル VM に接続された GPU が皆さんにもたらす成果を私たちは楽しみにしています。プリエンプティブル VM で構築したすばらしいシステムのストーリーやデモをシェアしたい方は、TwitterFacebookG+ でご連絡ください。

プリエンプティブル GPU リソースの詳細は、プリエンプティブル VM インスタンスのドキュメントGPU のドキュメントベスト プラクティス ガイドを参照してください。料金については、Compute Engine の料金ページをご覧いただくか、Google Cloud 料金計算ツールをお試しください。質問やフィードバックがありましたら、ヘルプのページをご活用ください。

GCP を初めてお使いになる方は、GCP アカウントを申し込むと 300 ドル分の無料クレジットを入手できます。プリエンプティブル GPU を試すのにお役立てください。

* この投稿は米国時間 1 月 4 日、GCE Product Manager である Chris Kleban と Michael Basilyan によって投稿されたもの(投稿はこちら)の抄訳です。

- By Chris Kleban and Michael Basilyan, GCE Product Managers

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