Memorystore の永続性と柔軟なノードタイプによりアプリケーションの機能を大幅に向上させる
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 4 月 12 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
2023 年 11 月に Memorystore for Redis Cluster が一般提供(GA)されて以来、このサービスの導入と成長が急速に進んでいます。Google Cloud Next 2024 で、Google は Memorystore for Redis Cluster の主要なリリースをいくつか発表しました。
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RDB(Redis データベース)と AOF(追記専用ファイル)の両方に利用できるデータ永続性の公開プレビュー版
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新しいノードタイプ(1.4 GB、6.5 GB、58 GB)の一般提供
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Memorystore for Redis における超高速ベクトル検索の一般提供
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新しい構成オプションの公開プレビュー版
Statsig のような急速に成長しているお客様は、パフォーマンス、ゼロダウンタイムのスケーラビリティ、99.99% の SLA、Google Cloud サービスとの統合を理由に Memorystore を選択しています。同社の計算によると、Memorystore for Redis Cluster を導入した結果、「以前のクラウド プロバイダで同じワークロードを実行する場合と比較して、Redis の費用が 70% 削減されました」。
「Memorystore for Redis Cluster により、費用や予測可能性を犠牲にすることなくビジネス目標を達成できるようになりました。これは、当社の業務に堅牢なスケーラビリティと汎用性をもたらす、とても貴重な資産となりました。」 - Statsig、ソフトウェア エンジニア、Jason Wang 氏
Character.AI などの他のお客様は、複雑な管理タスクや面倒な管理タスクを Google に任せ、最適化されたインフラストラクチャを活用するため、Memorystore for Redis Cluster を選択しています。
「最適なユーザー エクスペリエンスを提供し、本番環境のデータベースの負荷を軽減するため、Character.AI はキャッシュ レイヤを実装しました。ビジネスが急速に拡大するにつれて、他の水平シャーディング ソリューションを試しましたが、パフォーマンスと稼働率の問題が発生しました。Memorystore for Redis Cluster への移行はわずか 6 日間で完了し、レイテンシと信頼性の要件をすべて満たせただけでなく、それを上回ることができました。運用データのキャッシュについて心配する必要がなくなりました。」 - Character.AI、リサーチ エンジニア、James Groeneveld 氏
AXON Networks は、リアルタイム OAAS(サービスとしてのオペレーター)プラットフォームを専門とする、主要な Google Cloud パートナーです。AXON は、パフォーマンスを大幅に向上させて、スケーリングを活用し、自己管理から脱却するため、Memorystore for Redis Cluster を導入しました。
「Redis を使用したソフトウェア定義ネットワークとオーケストレーション システムを開発するにあたって、当社は戦略的に Google Cloud Memorystore for Redis Cluster に移行しました。この移行により、アプリケーションのパフォーマンス機能が大幅に向上しました。以前は、自己管理型のオープンソース Redis セットアップを利用していました。Memorystore への切り替えを選択したのは、シームレスでダウンタイムのないスケーリング機能を備えており、当社の進化するワークロード需要に完全に適合しているからです。さらに、Memorystore は優れた費用対効果が特長となっているため、当社にとって比較すべきもののない価値提案となりました。」 - AXON Networks、インフォメーション テクノロジーおよびクラウド オペレーション担当バイス プレジデント、Vito Sansevero 氏
キャッシュ、ベクトル検索、リアルタイム分析など、Memorystore の新しい機能と特長により、お客様が Memorystore を選択する理由がさらに増えています。続きを読んで、こうしたエキサイティングなリリースの詳細をぜひご確認ください。
AOF および RDB の永続性
Memorystore for Redis Cluster に導入された、フルマネージド型でゼロコストの AOF(追記専用ファイル)および RDB(Redis データベース)ファイルを備えたデータ永続性は、ユーザーに新しい堅牢なデータ耐久性オプションを提供します。お客様は、継続的な書き込みログ記録を通じてほぼゼロの目標復旧時点(RPO)を簡単に達成したり、定期的なスナップショットを構成して、ノード障害やゾーン障害に対するデータの復元力を確保したりできるようになりました。Memorystore for Redis Cluster をご利用のお客様は、AOF と RDB の両方を追加料金なしでご利用いただけます。
AOF を構成して、書き込みごと、1 秒ごとの粒度で書き込みを永続化したり、OS に決定させたりする(通常は約 30 秒ごと)ことができます。RDB スナップショットは、1、6、12、24 時間の間隔で構成できます。有効にすると、各クラスタ ノードのデータが耐久性の高いストレージで永続化され、ノードまたはゾーン障害の発生時に高速復旧が確保されます。このオーケストレーションはすべて、Google によってバックグラウンドで完全に管理されるため、インフラストラクチャのコレオグラフィではなくアプリケーションに集中することができます。
このリリースは、Memorystore for Redis Cluster で予定されている多くの永続化機能の最初のものです。今年中にさらに多くの機能が Memorystore に追加されますので、ご期待ください。
新しいノードタイプ
Memorystore for Redis Cluster は、キャッシュに保存されたデータへの迅速なアクセスを必要とするマイクロサービスから、世界最大規模の組織におけるリアルタイム解析の実行まで、幅広いユースケースに対応します。
柔軟性をさらに高めるため、既存の 13 GB ノード(redis-highmem-medium)に加えて、次の 3 つのノードタイプが導入されます。
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redis-shared-core-nano - 生産開始前やパフォーマンス要件があまり厳しくないワークロードに最適な 1.4 GB 共有コアノード
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redis-standard-small - 費用対効果に優れており、クラスタのサイズが小さい(かつ安価な)6.5 GB ノード
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redis-highmem-xlarge - 単一インスタンスで最大 14.5 TB までスケールアウト可能な、最大規模のクラスタ向けの 58 GB ノード
新しいノード サイズを使用すると、ワークロード要件に合わせてデプロイをより正確にカスタマイズし、ゼロ ダウンタイム スケーリングを利用して、単一インスタンスでクラスタを最大 14.5 TB までスケールアウトできます。サイジングの柔軟性に加えて、便利な新しい構成も導入されたため、最大クライアント数、最大メモリ、最大メモリ ポリシーなどを調整できるようになりました。新しいノードの価格情報については、こちらをご覧ください。
生成 AI アプリケーションの機能を大幅に向上させる
パフォーマンスやユーザー エクスペリエンスが実際に重要となるアプリケーションに超高速ベクトル検索を提供するため、Google は Memorystore for Redis におけるベクトル検索の一般提供(GA)も発表しました。最近のプレビュー版のリリースを受け、Memorystore for Redis をご利用のお客様は、超高速のインメモリ ベクトル検索機能とオープンソース LangChain 統合の両方をすでに活用しています。Memorystore for Redis インスタンスは、数千万件のベクトルに対してミリ秒単位のレイテンシでベクトル検索を実行できるため、Memorystore は生成 AI ワークフローを高速化する確実な方法となります。LangChain が急速に普及していることから、ベクトル ストア、ドキュメント ローダ、メモリ ストレージ用にオープンソース LangChain 統合を提供することで、統合がきわめて簡単になることを喜ばしく思います。
今すぐ Memorystore を使ってみる
Memorystore for Redis Cluster を今すぐ試して、どのようにアプリケーションを高速化できるかをご確認ください。複雑な Redis 管理から解放されることで、ビジネスにとって重要なこと、つまり影響力の高いアプリの構築に集中できるようにしましょう。