C4 VM の一般提供を開始: エンタープライズ ワークロード向けの比類ないパフォーマンスと制御性
Olivia Melendez
GCE Product Manager
※この投稿は米国時間 2024 年 8 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
このたび、Compute Engine および Google Kubernetes Engine(GKE)のお客様向けの高パフォーマンス汎用 VM、C4 マシンシリーズの一般提供を開始いたしました。C4 VM は、業界トップクラスのパフォーマンスを実現するためにゼロから設計、調整されており、他の主要ハイパースケーラーが一般提供している VM と比較して、汎用ワークロードでは費用対効果が最大 20%、CPU ベースの推論では最大 45% 高くなります。また、エンタープライズ レベルの信頼性ときめ細かい制御性により、お客様の特にビジネス クリティカルなワークロードをサポートします。
N4 マシンシリーズとともに、C4 VM は、大多数のワークロードを処理するために必要なパフォーマンスと柔軟性を実現します。いずれも、Google の Titanium を搭載しています。Titanium のオフロード技術により、C4 では最大 200 Gbps のネットワーク帯域幅による高性能の接続性と、Hyperdisk Extreme で最大 50 万 IOPS と 10 GB/秒のスループットを実現するスケーラブルなストレージが提供されます。C4 インスタンスは、最大 192 個の vCPU、1.5 TB の DDR5 メモリまでスケールアップ可能で、Intel の第 5 世代 Xeon プロセッサ(コードネーム: Emerald Rapids)による最新世代のパフォーマンスを特長とし、事前定義されたシェイプを高 CPU、標準、高メモリの構成で利用できます。
パワフルなデータベースの運用、高トラフィックのゲームサーバーやメディア ストリーミングへの対応、CPU ベースの推論の実行、大規模なデータ処理や分析など、C4 VM はあらゆるビジネスニーズに対応するパフォーマンス、機能、安定性を実現します。
「Google Cloud の C4 VM は、N2 と比較してシングル スレッド性能が 61% も向上しています。当社のワークロードにとって、これはビルド時間の短縮とデプロイの効率化につながり、数万人の開発者がかつてないほどのペースでイノベーションとイテレーションを進められるようになりました。」- Northflank、CEO / 共同創業者 Will Stewart 氏
業界トップクラスのパフォーマンス
C4 VM は、幅広いワークロードにおいて、他のクラウド プロバイダが一般提供している同等の製品よりもパフォーマンスが高く、SPECrate®2017_int_base ベンチマーク(推定値)では費用対効果で最大 20% 上回ります。このため、要件の厳しいワークロードを最適化し、クラウド リソースを最大限に活用できます。
データベース ワークロードの場合、C4 VM に採用された Google Cloud の高パフォーマンス Hyperdisk ストレージや Titanium ネットワーキングという最新のイノベーションにより、MySQL では 1 分あたりのトランザクションが最大 2 倍、スループット重視の Redis ワークロードではパフォーマンスが 2 倍に向上するため、各 VM で生成できる秒間クエリ数が大幅に増加します。データ分析の場合、C4 のパフォーマンス向上により、分析情報を取得するまでの時間を短縮し、データ処理と分析を効率化できます。ゲームやストリーミングの場合、コンピューティングとネットワークのレイテンシの改善は、スムーズなゲームプレイ、バッファリングの低減、全体的なユーザー エクスペリエンスの向上につながります。
* 上記の結果は、他の主要クラウド ベンダー 2 社の本番環境 VM と Google Cloud の本番環境 C4 VM に基づいています。テストの詳細はこちらをご覧ください。
応答性、予測可能性、制御性
C4 では、応答性、予測可能性、一貫性が大幅に向上しています。そのため、高頻度取引やゲームから、パフォーマンスと稼働時間の一貫性が求められ、レイテンシの影響を受けやすいミッション クリティカルなエンタープライズ システムまで、1 ミリ秒を争うアプリケーションに最適な VM となっています。
Titanium により、C4 ではインフラストラクチャのパフォーマンス、ライフサイクル管理、信頼性、セキュリティが向上しています。ストレージは Titanium アダプタにオフロードされるため、ホストのリソースはワークロードを実行するために確保できます。また、ヒットレス アップグレードとライブ マイグレーションを活用することにより、インフラストラクチャのメンテナンス更新の大部分は、ワークロードへの影響をほぼゼロに抑えて実行されるため、中断は最小限に抑えられ、パフォーマンスも予測可能になります。リアルタイムのワークロードの場合、前世代と比較して CPU の応答性が最大 80% 向上するため、取引が高速化し、ゲームやストリーミングがよりスムーズになります。
C4 のシングルコア最大ターボ周波数は 4.0 GHz と、どの前世代 VM よりも高くなっており、金融シミュレーションやモンテカルロ シミュレーションなどのシングル スレッド ワークロードのほか、レコメンデーション システム、画像分類、小規模言語モデル(SLM)のトレーニング、チューニング、推論などの ML タスクを高速化します。さらに、C4 VM は、Compute Engine の新しい周波数制御機能である Turbo API(現在はプレビュー版)をいち早くサポートしています。Turbo API を使用すると、周波数ブーストを有効または無効にできるため、パフォーマンスをきめ細かく制御し、パフォーマンスと一貫性のバランスを取ることができます。たとえば、バッチ処理や科学シミュレーションなどのワークロードでは、可能な限り高周波数までブーストできる一方で、ウェブサーバーやデータベースでは、全コアターボ周波数(3.1 GHz)に制限して一貫性のあるパフォーマンスを優先できます。
「当社のリアルタイム入札プラットフォームを支えるのは、瞬時の意思決定と高スループットのリクエスト処理です。C4 VM を本番環境のトラフィックでテストしたところ、当社のリアルタイム入札プラットフォームでは N2 インスタンスと比較して最大 2.5 倍のパフォーマンス向上となり、入札処理の高速化とレイテンシの最小化によって、お客様の広告キャンペーンの効果を最大限に高めることができました。」- Digital Turbine、シニア DevOps エンジニア Alexander Zeikidze 氏
CPU ベースの推論を高速化
C4 VM を前世代 VM と比較すると、ML 推論のパフォーマンスとコスト効率が大幅に向上しました。C4 でサポートされる Intel の最新の組み込みアクセラレータ、Advanced Matrix Extensions(AMX)は、スループットの向上によって CPU ベースの ML 推論を大幅に高速化します。推奨事項の推論の場合、C4 VM の費用対効果は C3 よりも最大 40%、最も近い競合製品よりも最大 45% 高くなります。GPU と比べると、C4 VM ではワークロードの種類を問わず、デプロイの柔軟性が高く、使い慣れた運用エクスペリエンスを実現します。
その結果、より低コストで優れた推論機能を利用できるようになり、お客様は C4 VM を活用して、効率性を損なうことなく、小規模から中規模の ML のデプロイを最適化できます。
Hyperdisk の次世代ストレージ
C4 VM は最新の Hyperdisk ストレージ技術を標準搭載しており、現時点では Hyperdisk Balanced と Hyperdisk Extreme のオプションを選択できます。Hyperdisk Balanced は、パフォーマンスとコスト効率を両立させ、幅広いワークロードに対応します。Hyperdisk Extreme は、ストレージ パフォーマンスの限界を押し広げ、特に要件の厳しいアプリケーション向けに超低レイテンシと高スループットを実現します。Titanium により、C4 VM は Hyperdisk の可能性を最大限に引き出し、Hyperdisk Extreme で最大 50 万 IOPS と 10 GB/秒のスループットというスケーラブルで高パフォーマンスな I/O を可能にします。
Hyperdisk のメリットは、生のパフォーマンスだけにとどまりません。Hyperdisk では IOPS と帯域幅をリアルタイムで動的に調整し、ワークロードに必要なリソースを確保できます。Hyperdisk ストレージ プール(Hyperdisk Balanced ボリューム用)では、ストレージ リソースの管理と割り当てを柔軟に行い、使用率とコスト効率を最適化できます。
Hyperdisk のメリットは優れたパフォーマンスと柔軟性だけでなく、従来のストレージ ソリューションと比べて総所有コスト(TCO)も大幅に削減できます。Hyperdisk の高度な機能と Titanium のストレージ アクセラレーションを組み合わせることで、C4 VM の比類ないストレージ エクスペリエンスが実現されます。
未来のクラウド コンピューティングを推進
適切な VM を選択することは成功に不可欠ですが、複雑になる場合もあります。C4 VM と以前に発表した N4 VM を併用すれば、あらゆる汎用ワークロードに対応し、コストを削減しつつ、パフォーマンスとワークロードの要件を満たすことができます。最高峰のパフォーマンス、きめ細かい制御性と予測可能性、高度な機能のいずれかを必要とするワークロードには、C4 VM が適しています。それ以外の場合は N4 を選択すれば、優れた価値に加えて、パフォーマンス、コスト効率、柔軟性の最適なバランスを実現できます。
「C4 VM と N4 VM は、前世代の VM と比較して 15% 以上の大幅なパフォーマンス向上を実現しています。この両方の VM をコンピューティング インフラストラクチャの基盤として使用できることを嬉しく思います。C4 のパフォーマンスと N4 の柔軟性を組み合わせることで、システムを拡張すると同時に、信頼性と安定性へのお客様の要求を満たすことができます。」- Deutsche Börse、IT アーキテクト ディレクター Christian Tüffers 氏
「当社は、Google Cloud の新しい C4 マシンと N4 マシンに期待を寄せています。新しい C4 VM は、リアルタイム ML 脅威検出においてパフォーマンスが 35% 向上し、N4 VM は、マルウェア サンプルの動的分析において、前世代よりも低い費用で 20% 高いスループットを実現しました。」- Palo Alto Networks、CDSS プロダクト担当バイス プレジデント Xu Zou 氏
C4 VM の利用を開始
C4 VM は現在、us-central1(アイオワ州)、us-east1(サウスカロライナ州)、us-east4(北バージニア)、europe-west4(オランダ)、europe-west1(ベルギー)、asia-southeast1(シンガポール)でご利用いただけます。ぜひ C4 の比類ないパフォーマンス、信頼性、制御性をお確かめになり、クラウド コンピューティングの驚くべき未来をご体験ください。
「Intel の最新の第 5 世代 Intel Xeon を搭載した C4 VM と N4 VM のイノベーションによって、Google は再び業界を発展させます。C4 は現在、主要ハイパースケーラーが一般提供している多目的 Intel インスタンスの中で最も高速な VM となっています。これらの VM は、比類ないパフォーマンス、TCO の改善、最も要求の厳しいワークロードに対応する優れた機能をお客様に提供します。さらに、Intel AMX などの組み込みの AI 最適化や他の Intel Xeon プロセッサ独自の機能の進歩により、C4 で実行する推論ワークロードは大幅に高速化しています。」- Intel DCAI、Xeon 製品管理担当ゼネラル マネージャー兼シニア ディレクター Jason Kennedy 氏
C4 インスタンスの使用を開始するには、Google Cloud コンソールで新しい VM または GKE ノードプールを作成するときに、汎用マシン ファミリーとして C4 を選択します。利用可能なリージョンの最新情報については、リージョンとゾーンのページをご覧になるか、Google Cloud の営業担当者にお問い合わせください。
ー Google Cloud、プロダクト マネージャー Olivia Melendez