Google、Gartner® Magic Quadrant 戦略的クラウド プラットフォーム サービス部門のリーダーに
Brad Calder
VP & GM, Google Cloud Platform
Amin Vahdat
VP/GM, AI & Infrastructure, Google Cloud
※この投稿は米国時間 2025 年 8 月 9 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Gartner® は、Gartner Magic Quadrant™ 戦略的クラウド プラットフォーム サービス部門のリーダーとして Google を選出しました。これで、Google は 8 年連続で選出されたことになります。さらに、今年は Google がビジョンの完全性で最も高い評価を受けるという快挙を成し遂げました。
このように毎年 Google が高い評価を得ている理由は、Google Cloud インフラストラクチャを利用する 3 大メリットにあると Google は考えています。これは同時に、お客様から一貫して寄せられている声でもあります。
- AI ファーストのアプリやサービス向けに特別に設計された、目的特化型の最新クラウド。
- SAP、VMware、Microsoft、Oracle、OpenShift、メインフレームなどの主要なエンタープライズ ワークロードの移行とモダナイゼーションを容易にする、ワークロードに最適化されたコンピューティング、ストレージ、最も汎用性の高いクラウド ネットワーキング。
- ハイパースケーラーの中でトップクラスの信頼性とセキュリティ。お客様のセキュリティ チームの延長としての Google。
しかし、これだけではありません。Google Cloud は、お客様にこれらのメリットを提供するために、舞台裏でどのようなことを行っているのでしょうか。Google Cloud がインフラストラクチャを構築、強化し続けるうえで重視している 5 つの原則を詳しくご紹介します。
1. 厳密に最適化されたインフラストラクチャでワークロードを実行
Google Cloud は、アプリケーションのパフォーマンスをスケーリングするにあたって、単にハードウェアを追加するだけでは持続可能ではなく、効果的でもないと考えています。Google が戦略的でワークロードに最適化されたインフラストラクチャ技術を開発しているのはそのためです。たとえば、Titanium はハードウェアとソフトウェアのオフロード システムであり、パフォーマンス、信頼性、セキュリティを向上させ、ワークロードの効率を最大限に高めます。
ここ 12 か月間、Google Cloud は Compute Engine プラットフォームを強化しており、次のような大きな発展をお届けすることで、企業の変革を推進しています。
- 第 4 世代のコンピューティング インスタンスと Hyperdisk ブロック ストレージは、エンタープライズ クラスのスケーラビリティ、信頼性、セキュリティ、ワークロードの一貫性を実現しながら、ワークロード全般のパフォーマンスと費用の最適化に重点を置き、最終的には企業が効率的に成長し、イノベーションにさらに投資できるようにします。
- また、汎用ワークロードのパフォーマンスの最大化、インフラストラクチャ費用の削減、サステナビリティ目標のサポートを目的として、独自のカスタム Arm® ベース CPU である Google Axion プロセッサを開発しました。
- AlloyDB for PostgreSQL や Cloud SQL などのフルマネージド データベース サービスの強化を継続して、従来のデータベースから Google Cloud インフラストラクチャへの移行を容易にしました。
2. AI 中心のインフラストラクチャを構築
2024 年に続き、Google は 2025 年の Gartner Critical Capabilities 戦略的クラウド プラットフォーム サービス部門で、AI / ML において第 1 位にランク付けされました。それ以降も、Google のポートフォリオの深さと幅は増すばかりです。Google の AI へのコミットメントの証として、過去 10 年間に開発された Google AI テクノロジーを基盤として構築され、Google Cloud で実行されるほぼすべての AI ワークロードを支えている AI Hypercomputer があります。
この統合型スーパーコンピューティング システムは、AI ワークロードのトレーニングとサービングの両方において、一貫した低価格でより多くのインテリジェンスを提供します。また、データの準備からモデルのデプロイとモニタリングまで、ML ライフサイクル全体を統合するマネージド ML プラットフォームである Vertex AI を支えているのも AI Hypercomputer です。インフラストラクチャの観点から見ると、データ サイエンティストとデベロッパーは、モデルを実行するために必要なインフラストラクチャのプロビジョニングと管理ではなく、モデルの構築に集中できます。
コア インフラストラクチャのほかに、Google はオープンで革新的な生成 AI パートナー エコシステムの育成にも力を入れており、企業がソフトウェア開発、ビジネス プロセス、情報検索を迅速に変革できるよう支援しています。
また、以下を含む多数の新しい AI プロダクトとサービスをリリースしました。
- Next ‘25 で発表された Ironwood は、推論専用に構築された Google の第 7 世代 TPU で、前世代と比較してピーク時のコンピューティング容量が 5 倍、高帯域幅メモリが 6 倍になっています。また、大容量構成では電力効率を 2 倍にしつつ、42.5 エクサフロップという驚異的なコンピューティング能力を実現しています。
- Google Cloud Managed Lustre は、DDN EXAScaler Lustre ファイル システム上に構築されたフルマネージドの並列ファイル システムで、AI ワークロード向けに 1 ミリ秒未満のレイテンシ、数百万の IOPS、TB/秒のスループットでペタバイト規模のストレージを提供します。Rapid Storage は、新しい Cloud Storage ゾーンバケットで、業界トップクラスである 1 ミリ秒未満のランダム読み取り / 書き込みレイテンシ、20 倍高速のデータアクセス、6 TB/秒のスループット、他の主要なハイパースケーラーと比較して 5 分の 1 のランダム読み取り / 書き込みレイテンシを実現します。Anywhere Cache は、Cloud Storage バケット向けに SSD を使用したゾーン内の読み取りキャッシュを提供します。Hyperdisk Exapools は、今四半期にプレビュー版がリリースされる予定で、AI クラスタ向けにエクサバイトのブロック ストレージ容量と TB/秒のスループットを提供します。
- Gemini CLI(コマンドライン インターフェース)は、Gemini 2.5 Pro をターミナルに直接取り込むオープンソースの AI エージェントです。無料利用枠が非常に大きく(1 分あたり 60 件のモデル リクエスト、1 日あたり 1,000 件のリクエスト)、Gemini Code Assist と統合して AI ファーストのコーディングと問題解決を実現します。
3. コンテナで AI の時代に対応
Google は、Google Kubernetes Engine(GKE)が評価され、今年の Gartner Magic Quadrant コンテナ管理部門で再びリーダーに選出されました。他の分野と同様に、GKE もさらに進化しています。長年の経験と Kubernetes への深いコミットメントに基づいて構築された GKE は、次世代の AI ワークロードの基盤として台頭しています。実際、Google は、Vertex AI を含む最先端の AI サービスを大規模に運用するために GKE を使用しており、これにはお客様に提供しているものと同じ最先端のテクノロジーとベスト プラクティスが活用されています。
AI イノベーションをさらに強化するために、いくつかの優れた新リリースを展開しました。
- GKE Autopilot は、2024 年に作成されたアクティブな GKE クラスタの 30% が Autopilot モードで動作しているという驚異的な実績を誇り、重要なワークロードの運用を簡素化し、リソース効率を高めるその効果を実証しています。
- Cluster Director の一般提供が開始され、アクセラレータ(GPU と TPU)の大規模クラスタを単一の高性能ユニットとしてデプロイおよび管理できるようになりました。これは、要求の厳しい AI モデルや分散ワークロードにとって重要です。
- AI 推論を最適化するために、新しい GKE Inference Quickstart と GKE Inference Gateway(どちらも公開プレビュー版)は、ベンチマークされたプロファイルでモデルのデプロイを簡素化し、インテリジェントなルーティングを提供します。これにより、サービング費用を最大 30% 削減し、テール レイテンシを最大 60% 削減できます。
4. 真の主権を顧客に提供
Google Cloud は、デジタル主権は単なるコンプライアンスではなく、イノベーションを可能にするために、機能を犠牲にすることなく、組織に柔軟性、制御、選択、堅牢なセキュリティを提供することだと考えています。そのために、Google は現地のパートナーや政策立案者と幅広く連携し、お客様の多様なニーズに沿った技術機能を提供しています。
この分野における Google の強みは、42 を超えるクラウド リージョン、127 のゾーン、202 のネットワーク エッジ ロケーション、そして多額の海底ケーブル投資を含む大規模なグローバル インフラストラクチャに由来します。最近の重要な開発としては、次の 2 つが挙げられます。
- Schwarz Group、T-Systems、S3NS(Thales との提携)、Minsait、Telecom Italia、World Wide Technology など、アジア、ヨーロッパ、中東、米国各地の独立した地域パートナーと重要なパートナーシップを構築
- お客様固有のビジネスニーズ、規制要件、リスク プロファイルに適合するように設計された主権ソリューションのポートフォリオを設計。組織は 3 つの精密に設計されたソリューション、Google Cloud Data Boundary、Google Cloud Dedicated、Google Cloud Air-Gapped から、独自の要件に基づいて必要なものを選択できます。
5. 「地球規模」のネットワークを提供
Google のネットワーキングの強みは、25 年以上にわたる Google の基礎的なイノベーションの上に築かれており、世界中の数十億の人々を Gmail、YouTube、検索などの重要なサービスに接続しています。この深い専門知識により、Google Cloud とクロスクラウド ネットワーク ソリューションを支える地球規模のネットワーク インフラストラクチャを構築することができました。Google の広大なバックボーン ネットワークは、202 か所のポイント オブ プレゼンス(PoP)、200 万マイルを超える光ファイバー、33 本の海底ケーブルを備え、99.99% の信頼性を保証する SLA によって支えられています。これにより、堅牢で復元力のあるグローバル プラットフォームが実現しています。
AI の急速な台頭により、あらゆる業界で、AI モデルのトレーニング、推論、サービングに、大規模な容量、シームレスな接続性、堅牢なセキュリティなど、かつてないネットワーク機能が求められています。Google は、クラウド ネットワーキング プロダクトとクロスクラウド ネットワーク ソリューションにおける継続的なイノベーションを通じて、お客様が分散型 AI アプリケーションを簡単に構築して提供できるよう支援することでこのニーズに応えています。
こうした厳しい要件を満たすために、Google は以下のような優れた新しいネットワーキング ソリューションのスイートをリリースしました。
- Cloud WAN は、Google の地球規模のネットワークを活用して広域ネットワーク(WAN)アーキテクチャを変革するために設計された、信頼性とセキュリティに優れたフルマネージド型の新しいエンタープライズ バックボーンです。パブリック インターネットと比較して最大 40% 高速なパフォーマンスを実現し、顧客管理型ソリューションと比較して総所有コスト(TCO)を最大 40% 削減します。
- Cloud Interconnect と新しい Cross-Site Interconnect(Cloud WAN のオプション、現在プレビュー版)により、Google Cloud はネットワーク上で透過的なレイヤ 2 接続を提供する最初の主要クラウド プロバイダとなります。
- AI に最適化されたネットワーキングとしては、400G Cloud Interconnect(大量のデータ取り込みで 4 倍の帯域幅)、クラスタあたり最大数万個の GPU に対応するネットワーキング サポート、ゼロトラスト RDMA セキュリティ(高性能 GPU / TPU トラフィック用)を提供します。
Google Cloud で次のステップへ
Google Cloud では、従来のアプリの最適化から次世代 AI の構築、そしてその間のあらゆることまで、お客様のデータセンター、他のクラウド、エッジなど、環境を選ばないプラットフォームで最大の課題に取り組むことができます。数十年にわたる経験と信頼性の実績を誇る Google Cloud インフラストラクチャは、最も革新的なワークロードを処理する能力を備えており、ビジネス変革を推進する理想的なパートナーです。
2025 年 Magic Quadrant for Strategic Cloud Platform Services のコピーは Google のウェブサイトから無料でダウンロードできます。ぜひご一読ください。
-Google Cloud Platform、バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャー Brad Calder
-ML、システム、クラウド AI 担当バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャー Amin Vahdat


