Agent Assist for Chat の活用で同時対応できるチャット数が最大 28% 増加
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 5 月 6 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google のイノベーションを注ぎ込んだ会話型 AI、Contact Center AI(CCAI)は、カスタマー サービスの提供における最も難易度の高い顧客ニーズへの対応と運用コストの削減を可能にします。CCAI は 1,000 社を超えるお客様のコンタクト センターに導入され、本番環境への活用が着実に進んでいます。
本日、Agent Assist for Chat により一段とパワフルになった CCAI の公開プレビューを開始いたしました。
Agent Assist は、人間のエージェントが通話中またはチャット(新機能)中に、顧客の意図を把握したり、適切な記事やよくある質問をリアルタイムで提案したり、メッセージへの回答を提供したりすることで、エージェントが顧客の問題を効果的に解決できるよう継続してサポートします。
Agent Assist for Chat を導入したお客様のコンタクト センターでは、同時に応対できる顧客数が最大 28% 増加し、顧客満足度が 10% 改善しました。加えて、チャットへの対応時間が最大 15% 短縮されて放棄率が減少するとともに、問題解決率は向上しています。
Agent Assist は、エージェントの応対を改善する以下の 2 つの主要コンポーネントを備えています。
スマート リプライ: エージェントが迅速かつ適切にお客様のメッセージに対応できるよう、回答を提案します。この提案には、特に高いパフォーマンスを上げるエージェントの回答を使用できます。また、ブランドの個性やトーンに合わせて提案にさらに磨きをかけることも可能です。カスタムモデルを構築してお持ちのデータ(一部またはすべて)でトレーニングを行うことで、Agent Assist に提案内容や提案を行うタイミングを学習させることができます。
ナレッジ アシスト: お客様のナレッジベースを有効活用し、会話の進行に合わせてエージェントに記事やよくある質問をリアルタイムで提案します。エージェントがナレッジ アシストを使用することで、顧客の問題を解決する方法を探すために複数のアプリケーションやデータを操作する必要もお客様をお待たせすることもなく、すぐに回答を提供できるようになります。
「Agent Assist のチャット機能には大いに感銘を受けています。」と、オーストラリアの大手通信会社 Optus でデジタル サービス担当バイス プレジデントを務める Chris Smith 氏は述べています。
仮想エージェントへのクエリ送信に CCAI の Dialogflow CX を活用してきた Optus は、Agent Assist を使用したカスタマー サポート エージェントへの提案に大きな可能性を感じるといいます。同社は、Agent Assist で回答と提案文面を提供することで反復的なタスクを最小限に抑えるとともに、エージェントの業務の効率化と、サービス品質およびサービスの一貫性の向上に役立てたいと考えています。
また旅行業界では、LoveHolidays が Agent Assist を使用してエージェントと顧客をサポートしています。
LoveHolidays で CX エンジニアリングおよびビジネス IT 担当ディレクターを務める Eugene Neale 氏は、次のように述べています。「Agent Assist は、エージェントと当社のお客様の双方にとって大いに役立っています。Agent Assist には、コンタクト センターのスタッフをレベルアップするのに必要な時間を今までの数週間から数時間に短縮する力があります。」
アナリストによれば、顧客が企業のカスタマー サポートに連絡する際の方法として、オンライン チャットが特に一般的になりつつあると言います。IDC Research によると、応対に単一の手段のみを使用するコンタクト センターは世界的にますます少なくなってきています。とはいえ、2020 年の調査では、依然として電話または音声による応対が最も大きな割合(約 18%)を占め、メールが約 13%、チャット(自動化なし)が約 8% とそれぞれ続いています(出典: IDC、Toward the AI-Powered Contact Center、Doc # EUR147017320、2020 年 12 月)。
CCAI と Agent Assist for Chat の導入
Google の Contact Center AI スイートの一部である Agent Assist は、Dialogflow CX の仮想エージェントからチャットをシームレスに引き継ぎます。Agent Assist を使用すると、会話の方向性やお客様のご要望により人間のエージェントに引き継ぐ必要が生じた場合に、チームで迅速に対応し、お客様に満足いただける問題解決を実現できます。
これまでコンタクト センターで問い合わせ数が増加した場合、マネージャーには誰かが対応できるまでお客様に待っていただく(顧客満足度が低下)か、エージェントを増員する(サービス提供コストが増加)か、二つに一つの選択肢しかありませんでした。CCAI を導入することで、コンタクト センター リーダーに第 3 の選択肢をもたらすことができます。エージェントに Agent Assist for Chat のようなツールを提供することで、高いサービス品質を維持しつつ顧客応対を効率化できるのです。
グローバル CCAI パートナーが Agent Assist for Chat をサポート
Agent Assist for Chat は、一連の公開 API です。お客様組織のエンジニアリング チームが直接エージェントのデスクトップ環境に組み込むことで、エージェントのエクスペリエンスをエンドツーエンドで管理できます。さらに手軽に使えるソリューションを実現すべく、LivePerson および 247.ai と提携して、Agent Assist が統合されたエージェント デスクトップがご利用いただけるようになりました。
LivePerson の CTO である Alex Spinelli 氏は、次のように述べています。「当社の会話クラウドに Agent Assist を直接組み込んでエージェントの皆様に最先端の生産性向上 AI を使用していただくことで、会話型コマースの優れた費用対効果を活用するとともに、エージェントの負担軽減、応対時間の短縮、顧客満足度の改善、収益向上を実現できます。」
Agent Assist に関するその他のリソース
詳しくは、Agent Assist のウェブページをご覧のうえ、Agent Assist をお試しください。モデルをトレーニングした後に Agent Assist シミュレータを使用したテストを行っていただけます。
-Agent Assist 担当プロダクト マネージャー Matt Jones
-会話型 AI プロダクト マーケティング担当 Surbhi Agarwal