Cloud Router の BFD を構成する
Cloud Router の Bidirectional Forwarding Detection(BFD)を使用すると、BGP のアップイベントやダウンイベントなどの転送パスの障害を迅速に検出できるため、ハイブリッド ネットワークの復元性を向上できます。
VLAN アタッチメントの BGP セッションで BFD を構成できます。Network Connectivity Center の一部である HA VPN トンネルまたはルーター アプライアンスに構成されている BGP セッションでは、BFD はサポートされていません。
BFD の詳細については、Cloud Router の Bidirectional Forwarding Detection(BFD)の概要をご覧ください。BFD の設定とタイマーの詳細な説明が記載されています。
始める前に
gcloud
このガイドのコマンドラインの例を使用する場合は、次の操作を行います。
- Google Cloud CLI の最新バージョンをインストールするか、最新バージョンに更新します。
- デフォルトのリージョンとゾーンを設定します。
API
このガイドの API の例を使用する場合は、API アクセスを設定します。
Cloud Interconnect に Cloud Router を追加する
BFD を構成する前に、次のいずれかの接続を設定する必要があります。また、BGP セッションに Cloud Router を追加する必要があります。
既存の BGP セッションで BFD を構成する
以前に VLAN アタッチメント用に設定された BGP セッションで BFD を構成できます。
既存の BGP セッションで BFD を構成する手順は次のとおりです。
コンソール
Google Cloud コンソールで [Cloud Router] ページに移動します。
更新する Cloud Router を選択します。
[ルーターの詳細] ページの [BGP セッション] セクションで、更新する BGP セッションを選択します。
[BGP セッションの詳細] ページで、[
編集] をクリックします。BFD 以外の設定を完了します。
[Bidirectional Forwarding Detection] で、BFD 設定とタイマーに記述されているように BFD オプションを構成します。
必須: BFD を有効にするには、BFD セッションの初期化モードを
active
に設定します。
gcloud
update-bgp-peer
コマンドを実行します。
gcloud compute routers update-bgp-peer ROUTER_NAME \ --project=PROJECT_ID \ --peer-name=PEER_NAME \ --interface=INTERFACE \ --ip-address=IP_ADDRESS \ --peer-asn=PEER_ASN \ --peer-ip-address=PEER_IP_ADDRESS \ --region=REGION \ --bfd-session-initialization-mode=BFD_SESSION_INITIALIZATION_MODE \ --bfd-min-receive-interval=BFD_MIN_RECEIVE_INTERVAL \ --bfd-min-transmit-interval=BFD_MIN_TRANSMIT_INTERVAL \ --bfd-multiplier=BFD_MULTIPLIER
次のように置き換えます。
ROUTER_NAME
: Cloud Router の名前PROJECT_ID
: Cloud Router を含むプロジェクトPEER_NAME
: BGP ピアの名前INTERFACE
: この BGP ピアのインターフェースの名前IP_ADDRESS
: Cloud Router の IP アドレスPEER_ASN
: この BGP ピアの BGP 自律システム番号(ASN)PEER_IP_ADDRESS
: 範囲169.254.0.0/16
に属するピアルーターのリンクローカル アドレスREGION
: Cloud Router が配置されているリージョンBFD 設定とタイマーの説明に従って、BFD オプションを構成します。
必須: BFD を有効にするには、
BFD_SESSION_INITIALIZATION_MODE
をactive
に設定します。
API
routers.patch
メソッドを使用して bgpPeers[].bfd
フィールドを更新します。
bgpPeers[]
フィールドには、BGP ピアの配列を指定します。このフィールドに PATCH
を実行すると、BGP ピアの既存の配列がリクエストに含まれる新しい配列で上書きされます。
GET
リクエストを送信して、ルーターの BGP ピアの現在の配列を取得します。詳しくは、BGP セッション構成の表示をご覧ください。BGP ピアの新しい配列を指定して
PATCH
リクエストを送信します。BFD 設定を更新する BGP セッションを含む配列要素で、bgpPeers[].bfd
フィールドを変更します。PATCH https://compute.googleapis.com/compute/projects/PROJECT_ID/regions/REGION/routers/ROUTER_NAME { "bgpPeers": [ BGP_PEERS ] }
次のように置き換えます。
PROJECT_ID
: Cloud Router が含まれるプロジェクトREGION
: Cloud Router が配置されているリージョンROUTER_NAME
: Cloud Router の名前BGP_PEERS
: BGP ピアの新しい配列の内容
次の例では、2 つの BGP ピアを含め、
bgpPeers[].bfd
フィールドの値を設定しています。これらのオプションの詳細については、BFD 設定とタイマーをご覧ください。必須: BFD を有効にするには、
sessionInitializationMode
をACTIVE
に設定します。{ "name": "peer-1", "interfaceName": "if-peer-1", "ipAddress": "169.254.10.1", "peerIpAddress": "169.254.10.2", "peerAsn": 64512, "advertisedRoutePriority": 100, "advertiseMode": "DEFAULT" "bfd": { "sessionInitializationMode": ACTIVE, "minTransmitInterval": 1000, "minReceiveInterval": 1000, "multiplier": 5 } }, { "name": "peer-2", "interfaceName": "if-peer-2", "ipAddress": "169.254.20.1", "peerIpAddress": "169.254.20.2", "peerAsn": 64513, "advertisedRoutePriority": 99, "advertiseMode": "DEFAULT" "bfd": { "sessionInitializationMode": ACTIVE, "minTransmitInterval": 1000, "minReceiveInterval": 1000, "multiplier": 5 } }
ピアルーターで BFD を構成する
ピアルーターで BFD を有効にするには、ルーター ベンダーのドキュメントに記載されている推奨に従って最小送信間隔、最小受信間隔、検出乗数を構成します。デバイス固有のコマンドを使用してください。
BFD ピア間の BFD タイマー ネゴシエーションの場合、2 つのピアで遅いほうのピアによって送信レートが決まります。大きな値を構成すると、この間隔を強制的に延長できます。
以下は、Cisco ルーターの BFD 構成例です。その他の構成例については、BFD 用のサードパーティ ルーター構成の使用をご覧ください。
int range <physical interface> bfd interval 1000 min_rx 1000 multiplier 5 router bgp <ASN> neighbor 169.254.33.6 fall-over bfd neighbor 169.254.44.6 fall-over bfd
ピアルーターで BFD を確認する
ピアルーターを構成したら、BFD セッションの詳細を表示して、Cloud Router とのセッションが稼働していることを確認します。
次に示す Cisco ルーターのサンプル コマンドは、BFD セッションのステータスを表示しています。
show bfd neighbors 169.254.44.6 details
コマンドの出力は次の例のようになります。
IPv4 Sessions NeighAddr LD/RD RH/RS State Int 169.254.44.6 4212/2045617738 Up Up Tu503 Session state is UP and not using echo function. Session Host: Software OurAddr: 169.254.44.5 Handle: 4 Local Diag: 0, Demand mode: 0, Poll bit: 0 MinTxInt: 1000, MinRxInt: 1000, Multiplier: 5 Received MinRxInt: 1000, Received Multiplier: 5 Holddown (hits): 244(1), Hello (hits): 100(30409) Rx Count: 4562, Rx Interval (ms) min/max/avg: 10/1140/870 last: 56 ms ago Tx Count: 4475, Tx Interval (ms) min/max/avg: 10/1040/890 last: 64 ms ago Elapsed time watermarks: 4 4 (last: 4) Registered protocols: CEF BGP Uptime: 00:06:39 Last packet: Version: 1 - Diagnostic: 0 State bit: Up - Demand bit: 0 Poll bit: 0 - Final bit: 0 C bit: 0 Multiplier: 5 - Length: 24 My Discr.: 2045617738 - Your Discr.: 4212 Min tx interval: 1000 - Min rx interval: 1000 Min Echo interval: 0
Cisco ASR ピアルーターからのサンプル出力では、ピア側で確認できる診断情報が表示されます。これにより BFD セッションのステータスを判断できます。
14:06:12.906921 IP (tos 0xc0, ttl 255, id 58754, offset 0, flags [none], proto UDP (17), length 52) 169.254.44.5.49152 > 169.254.44.6.3784: [udp sum ok] BFDv1, length: 24 Control, State Down, Flags: [none], Diagnostic: No Diagnostic (0x00) Detection Timer Multiplier: 5 (5000 ms Detection time), BFD Length: 24 My Discriminator: 0x0000100b, Your Discriminator: 0x00000000 Desired min Tx Interval: 1000 ms Required min Rx Interval: 1000 ms Required min Echo Interval: 100 ms
Cloud Router の BFD を確認する
次のいずれかの方法で、Google Cloud 側で BFD セッションを確認します。
セッション状態の変更については、Cloud Logging で生成されたログを確認するか、
bfd/session_up
の Cloud Monitoring 指標を確認してください。BFD セッションの詳細については、Cloud Router のステータスを確認します。
次のステップ
BGP セッションで BFD の設定を変更するには、BFD の更新または無効化をご覧ください。
BFD 診断メッセージ、セッション状態、ステータス メッセージについては、BFD 診断メッセージとセッション状態をご覧ください。
Cloud Router に関する問題のトラブルシューティングについては、トラブルシューティングをご覧ください。