バックアップの自動作成と自動削除


このページでは、自動的なバックアップの作成および削除について概要を示します。バックアップのスケジューリング手法、目標復旧時点(RPO)リスクレベル、バックアップ削除ポリシーについて説明します。

バックアップの自動作成

Backup for GKE には、バックアップを自動的に作成するための次の 2 つのバックアップ スケジューリング手法があります。

  • スマート スケジューリング
  • cron スケジューリング

バックアップ プランを作成する際に、どちらかのスケジューリング方法を選択できます。

スマート スケジューリング

スマート スケジューリングでは、設定した RPO を満たすために必要になった時点で、バックアップが自動的に作成されます。スマート スケジューリングでは、除外時間枠を設定することで、使用率のピークになる時間帯にバックアップの実行を防止できます。スマート スケジューリングでは、失敗したバックアップが自動的に再試行されます。

バックアップ プランでスマート スケジューリングを有効にする手順は次のとおりです。

  1. 目標となる RPO を設定します。これは、インシデントが発生した場合に許容される最大データ損失時間を定義します。RPO の最小値は 60 分、最大値は 60 日です。
  2. 省略可: 除外時間枠を追加します。バックアップを実行させない期間を指定します。

スマート スケジューリングを使用してバックアップ プランを作成する手順については、バックアップ プランの作成をご覧ください。

バックアップの除外時間枠

除外時間枠を構成すると、特定の期間にバックアップが実行されないようにできます。バックアップ ジョブは、可能な限り時間枠の外で開始および終了するようにスケジュールされますが、ジョブの進行中に除外時間枠が開始しても、進行中のジョブはキャンセルされません。1 回のみ、毎日、または毎週の除外時間枠を構成できます。1 回のみの除外時間枠を複数構成できますが、毎日または毎週の定期的な時間枠は 1 つだけです。

たとえば、毎日午後 5 時から午後 6 時までバックアップを実行しないようにするには、午後 5 時に始まり 1 時間持続する除外時間枠を設定できます。

スマート スケジューリングでバックアップの除外時間枠を構成する手順については、バックアップ プランの作成をご覧ください。

cron スケジューリング

Cron スケジューリングでは、標準的な cron 構文を使って定義したスケジュールに従って、バックアップが自動的に作成されます。たとえば 10 3 * * * の場合、毎日午前 3 時 10 分にバックアップを作成します。複数のバックアップ スケジュール間の最小間隔は 10 分です。バックアップが失敗した場合、cron スケジューラは自動的にバックアップを再試行しません。

cron スケジューリングを使用してバックアップ プランを作成する手順については、バックアップ プランの作成をご覧ください。

スマート スケジューリングと cron スケジューリングの比較

次の表は、スマート スケジューリング手法と cron スケジューリング手法の比較をまとめたものです。

機能 スマート スケジューリング cron スケジューリング
入力 ターゲット RPO およびバックアップの除外時間枠。 cron 構文
RPO 管理
Backup for GKE は、RPO を満たすようベスト エフォートを行います。 ユーザーが、RPO を満たすスケジュールを構成する必要があります。
除外時間枠のサポート ×
バックアップの失敗時の自動再試行 ×

RPO リスクレベル

バックアップのスケジューリング手法に関係なく、バックアップが 4 回以上成功すると、すべてのバックアップ プランで RPO リスクレベルが動的に計算されます。あるバックアップ プランが RPO に違反している場合、または近い将来に違反する可能性がある場合、そのプランでは RPO リスクが存在します。

RPO リスクレベルは、バックアップ作成スケジューリング構成とバックアップ プランのバックアップ履歴から計算されます。リスクレベルは NoneLowMediumHighCritical の 5 つです。さらにバックアップ プランごとに 1 つの RPO リスク メッセージがあり、これはバックアップ プランが特定のリスクレベルにある理由を説明し、リスク軽減のためのアドバイスを提供します。

次の表は、各 RPO リスクレベルを示しています。

RPO リスクレベル 説明
なし RPO を満たしており、リスクがない。
RPO を満たしているが、近いうちに RPO を満たさなくなるごく僅かなリスクが存在する。早急な対応は必要ありません。ステータスを監視し続けてください。
RPO を満たしているが、近いうちに RPO を満たさなくなるある程度のリスクが存在する。アクションが必要です。
RPO を満たしているが、近いうちに RPO を満たさなくなるリスクが複数ある。アクションが必要です。
重大 RPO に違反している。直ちに対応する必要があります。

複数のバックアップ プランのリスクレベルが同じでも、スケジューリング構成と過去のバックアップ データポイントに応じて RPO リスク メッセージが異なる場合があります。中程度のリスクレベルのプランのメッセージは、たとえば「最近のバックアップに時間がかかっています」などです。この傾向が続くと、RPO が満たされなくなるリスクがあります。

バックアップの自動削除

バックアップ プランで保持ポリシーを構成すると、一定期間後にバックアップを自動的に削除できます。自動的なバックアップ作成を含むバックアップ プランには、保持ポリシーが必要です。バックアップ プランの保持ポリシーでパラメータ backup_retain_days を使用して、バックアップの自動削除を構成できます。最大保持期間は 365 日です。

自動的なバックアップ作成手法を使用するバックアップ プランの保持ポリシーを構成するときには、次の制限事項を考慮してください。

  • スマート スケジューリングを使用するバックアップ プランの場合、バックアップ保持期間は目標 RPO の 360 倍以下でなければなりません。
  • cron スケジューリングを使用するバックアップ プランの場合、バックアップ保持期間は作成間隔の 360 倍以下でなければなりません。

保持ポリシーを含むバックアップ プランを作成する手順については、バックアップ プランの作成をご覧ください。

次のステップ