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サステナビリティ

レイテンシ、料金、二酸化炭素排出量から最適な Google Cloud リージョンを選ぶ

2021年4月30日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 4 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

持続可能性に取り組むには、実現に向かって足並みをそろえることで成果が上がります。そのため、Google Cloud は非営利団体、研究機関、政府、企業と提携し、有意義な変化を加速するテクノロジーやツールを構築しています。

機械学習をはじめとするテクノロジーは、生物多様性における種の特定や、Wildlife Insights が実施しているような再生プロジェクトなどの固有の課題に取り組む際に有用であることが証明されています。BigQuery などのデータ分析ツールは、リアルタイムのエネルギー消費データの分析情報を提供し、E.ON のエネルギー管理者によるコストと CO2 排出量を削減するための意思決定を支援できます。また、極めて効率性の高いインフラストラクチャは、Carrefour をはじめとする Google のお客様がエネルギー使用量を削減するのに役立っています。Google は、Google Cloud のすべてのツールを使用して、お客様のデジタル トランスフォーメーションを持続可能なものにするために取り組んでいます。

業界最高水準の地球環境に優しいクラウドを運用する Google は、運用による二酸化炭素排出の影響を削減することに重点を置いているクラウドのお客様と協力しており、そうしたお客様の数は増え続けています。世界の IT リーダーの 90% 以上が持続可能性の指標について報告しているかその予定があり、そのうちの 26% が過去 1 年間に排出削減プロジェクトを加速させています1。この 1 年間、Google は 50 を超えるお客様と協力し、IT 資産の二酸化炭素排出への影響を評価してきました。デジタル画像のライブラリから巨大なデータレイクまで、お客様の決意と Google の実質的にカーボン ニュートラルなクラウドを組み合わせることで、実質的な二酸化炭素削減の可能性を CO2 換算で数千 kg から数キロトンに増やしました。

Google が全世界で使用する年間電力使用量をすべて賄える量の風力発電エネルギーや太陽光発電エネルギーを購入することで、Google Cloud Platform と Workspace の二酸化炭素排出の影響を実質的にゼロにすると同時に、24 時間年中無休でカーボンフリー エネルギーに取り組んでいます。電力供給の完全な脱炭素化は、カーボンフリーな未来を実現し、気候変動による最悪の影響を避けるために欠かせません。

お客様がこれを実現できるように、先月、大部分の Google Cloud リージョンについてカーボンフリー エネルギー パーセンテージ(CFE%)の 1 時間あたりの平均値を公開しました。本日は、こうしたデータを活用する新しいツールである Google Cloud のリージョン選択ツールをご紹介します。このツールは、お客様が利用する Google Cloud リージョンを選択する際に、料金、エンドユーザーに対するレイテンシ、二酸化炭素排出量などの主要なデータを評価するのに役立ちます。

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リージョン選択ツールを使用する際、[Not Important] から [Important] までの要素を比較検討し、該当する場合はユーザー トラフィックが生じるリージョンを選択します。調査2で判明した、より持続可能なデータセンター オプションへの移行を希望している 90% に近いデベロッパーと IT 管理者は、このツールで次の 3 つのデータのみを使用して迅速に意思決定を行えます。

  • 二酸化炭素排出量: 各リージョンのカーボンフリー エネルギーの供給量に基づいています。

  • 料金: リージョン内の汎用コンピューティング インスタンスの価格を使用します。

  • レイテンシ: 選択した国とそのリージョンの都市または国との間の物理的な距離を使用して概算されます。

Google Cloud の推奨リージョンのリストは動的に変化し、ツールに入力した値に基づいてスタックがランク付けされます。要件はワークロードの種類によって異なるため、各種の優先順位を簡単にテストできます。Google の調査3によれば、ユーザー トラフィックを処理する本番環境のワークロードは、パフォーマンスやレイテンシを最重要要件としてランク付けされることが最も多く、HR や請求などの内部システムは、パフォーマンスやデータの常駐性を最重要要件としてランク付けされています。ただし、バッチジョブやバックアップなどのベスト エフォートのワークロードでは、カーボンスコアが他のどの要素よりも上位の特性としてランク付けされました。

Snap Inc. とそのサステナビリティ リードである Emily Barton 氏にとっては、デジタル インフラストラクチャの二酸化炭素排出への影響を減らすことが持続可能性の重要な目標になります。「私たちは Google と協力することで、カーボンフリー エネルギーのデータと二酸化炭素に関する配慮が Snap のユーザーにとって有用になるようにしています」と Emily Barton 氏は言います。

同様に、Salesforce などの企業は自社のインフラストラクチャと顧客に提供するサービスの脱炭素化に取り組んでおり、CFE データを使って二酸化炭素排出量を削減しています。

Google は二酸化炭素に関する考慮事項を、アプリケーション開発、データセンターの移行、マルチリージョンやマルチクラウドの設計とアーキテクチャに、より一般的な形で統合するよう取り組んでいます。この取り組みには、SADA Systems などのパートナーも参加しています。「革新的なソリューションをお客様に提供することに取り組んでいる主要な Google Cloud パートナーとして、私たちはその取り組みに持続可能性を盛り込むことになりました。SADA における独自の Google Cloud ベース ソリューションの設計方針は、本日導入された CFE 測定と新しいツールによりすでに変化しています。お客様のために戦略を進化させ、より持続可能なソリューションをサポートできれば幸いです。」と、シニア ソリューション アーキテクトの Brian Suk 氏は言います。

持続可能な未来の構築は、一企業の単独の取り組みで成し遂げられるものではありません。お客様との協力を通じて二酸化炭素排出量を削減し、地球の資源を保護する新たな方法を模索し、再生可能エネルギーをより有効に活用して、IT インフラストラクチャの持続可能性を改善することを目指します。クラウドの持続可能性に関する Google 全体での取り組みを確認し、次の Google Cloud プロジェクトでリージョン選択ツールをご利用ください。


1. IDG、「No Turning Back: How the Pandemic Has Reshaped Digital Business Agendas」、2021 年

2. カーボンフリー エネルギーの優先順位付けについて、米国の IT 管理者とデベロッパーを対象にした Google Cloud の調査。

3. カーボンフリー エネルギーの優先順位付けについて、米国の IT 管理者とデベロッパーを対象にした Google Cloud の調査。

-クラウドの持続可能性担当 Chris Talbott

-プロダクト マネージャー Steren Giannini

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