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リテール

小売業界の変革の年: Google の新調査で年末商戦に与える COVID-19 の影響が明らかに

2021年1月13日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 12 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2020 年は小売業界にとって歴史的な 1 年となりました。パンデミックにより、業界が過去 10 年間にわたってじっくり考えてきたデジタル トレンドは急速に加速し、大手小売企業と出遅れた企業とを分断しています。以前は「あると良い」程度だった技術的な差別化要因は、パンデミックの発生によって必要不可欠なものとなりました。

小売業者がデジタル化を急ぐ中、消費者はかつてないほどオンライン ショッピングを利用するようになりました。ブランドやショップは、非接触型のデリバリー システムを迅速に立ち上げました。在庫管理は、サプライ チェーン全体でさらに複雑になりました。そして、年末商戦期間が迫ってくると、ビジネスに不確実性とストレスが生じました。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の小売業界への影響と年末商戦への影響を理解するために、Google Cloud では最近、小売企業の経営幹部へのアンケートを The Harris Poll に委託して、小売業者が直面している課題やチャンスについて調査しました。2020 年の主な調査結果を以下に示します。

COVID-19 で小売業の弱点が露呈し、世界的に懸念が噴出

他のほとんどの業界と同様に、COVID-19 の流行は小売業者にとっても不測の事態で、インフラストラクチャの大きな弱点が露呈しました。パンデミックの初期段階でビジネスの継続性を保つために、適正なテクノロジー ツールが自社に適切に導入されていると感じたのは、世界の小売企業の経営幹部の半数未満(43%)です。このような懸念事項は解消されていません。今後の見通しとして、COVID-19 のパンデミックが原因で発生した小売業の状況の変化に会社全体で対処する準備が十分にできていると回答したのは小売企業の経営幹部の約半数(51%)だけです。

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自宅待機命令は、特に e コマース業界に波及効果をもたらしました。昨年の調査では、小売業者にとって年末商戦などの繁忙期にはウェブサイトのパフォーマンスが最大の懸念事項であり、米国の回答者の 10% が、前年中にウェブサイトの停止を経験していることがわかりました。

今年はその割合がなんと 7% も増加し、米国の回答者の 5 人に 1 人近く(17%)が昨年中にウェブサイトが停止したと回答しています。これはパンデミックの初期に需要が急増したためと考えられます。この懸念は世界中に及んでおり、全世界の回答者の同じ割合(17%)が昨年中にウェブサイトの停止を経験したと回答しています。全体では、4 人に 3 人以上の小売企業の経営幹部(77%)が、休日のピーク時に自社のウェブサイトが停止したことがあると言及しています。

年末商戦期の e コマースのパフォーマンスに対する信頼性向上

しかし、このような懸念をよそに、小売業者はテクノロジーを活用して体制を調整してきました。オンラインでのショッピングがこれまで以上に増えているため、小売業者は e コマースサイトを優先してビジネスを継続しています。世界中の経営幹部は、e コマースサイト(60%)と IT チーム(59%)が、この年末商戦を含め、今後の事態に対処する準備が十分にできていると感じています。

パンデミックは繁忙期の試金石となり、小売業者はオンライン依存の年末商戦に向けて準備しています。多くの小売業者が e コマースのインフラストラクチャを高速化、モダナイズするために年頭に行った作業により、懸念は緩和されました。以下はその例です。

  • 小売企業の経営幹部のほとんどが、今年の年末商戦の消費者の増加に「非常に自信がある」(61%)と答えており、会社全体で「準備が十分にできている」(62%)と感じています。

  • 小売企業の経営幹部のほぼ全員(99%)が、年末商戦中にオンラインでの消費者の急増に備えて会社が対策を講じている(または対策を計画している)と述べています。特に一般的な対策は、ウェブサイトのインフラストラクチャを準備すること(45%)、追加の納品オプション(44%)、テクノロジー ベンダーと協力して余剰のインフラストラクチャの容量を用意すること(41%)です。

  • 最後に、小売企業の経営幹部 10 人中 9 人以上(92%)が、ウェブサイトのインフラストラクチャをスケールしてこの年末商戦のトラフィック急増に対応できると確信しています。

サプライ チェーンの複雑化が小売業者の最大の不安

楽観的な見方をしているにもかかわらず、小売企業の経営幹部のほぼ全員(94%)が、COVID-19 関連の懸念にまだ頭を悩ませていると回答しています。具体的には、サプライ チェーンの問題(46%)と時間どおりに注文を処理する能力(45%)です。

小売企業の経営幹部の多く(95%)が、この時代にオンライン小売業者が購入者に製品を適切なタイミングで提供するには、効率的なサプライ チェーンが必要となることに例外なく同意しています。今年の年末商戦でサプライ チェーンに予期しない変化が生じた場合に備えて、小売企業の経営幹部は自社のビジネスで次のステップを踏んだと回答しています。

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それでも、小売企業の経営幹部の大半(78%)は、この年末商戦に向けた自社のサプライ チェーンの実行可能性を懸念しています。小売企業の経営幹部 3 人中 1 人以上(36%)が、効率的な在庫管理を維持できるのかを非常に心配していると回答しています。特に半数以上が、パンデミックの影響で在庫管理が困難になっていること(61%)、今年の年末商戦には在庫が尽きる可能性があること(53%)を懸念しています。

時間内にギフトを配達するために複数のパスを作成

12 月 15 日は長い間、クリスマスに間に合うようにオンラインで注文する「期限日」とされてきました。しかし、今年に入ってオンライン ショッピングが急増したことにより、多くの小売業者ではより強固な配達戦略のための計画を練り直すことになりました。

この年末商戦について、小売企業の経営幹部のほとんどが、集荷と配達の両方で明確な変化があると予測しています。商品やサービスを購入する際の新たな方法の上位 3 つについて、小売企業の経営幹部の大半が、消費者は以下の方法を特によく利用すると予想しています。

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安全性は、今年のもう一つの明確で重大なテーマです。小売業者の場合、製品を受け取るための新しい非接触型のオプション(60%)を準備することは、この年末商戦で経営幹部が検討し実施している特に重要な対応策の一つです。実際、小売企業の経営幹部は、昨年の年末商戦と比較して、店頭受け取りの利用率が平均で 37% 上昇すると見込んでいます。同様に、小売企業の経営幹部は、昨年と比較して、今年の年末商戦にオンラインで注文して店舗で受け取るサービスが、平均で 39% 成長すると期待しています。

Google Cloud では、これまでにない年末商戦になることはわかっていました。例年であれば、小売業のお客様と協力して、予期しないオンライン ウェブサイトのトラフィックへの対応準備から、年末商戦プロモーションのパフォーマンスに対するリアルタイムのモニタリング、大量の注文に応じてサプライ チェーンをスケールできることの確認まで、シーズンに向けた計画を立てます。しかし、これらの計画はパンデミックが始まったことにより標準対応となりました。小売業者の年末商戦準備を Google Cloud がブラック フライデー / サイバー マンデーのホワイト グローブ サービスでどのように支援しているかついて詳しくは、こちらのブログをご覧ください。

Google はオンラインが中心となるであろう 2020 年の年末商戦に向けて準備を進め、上述の調査結果に見られる多くの懸念事項についてお客様のご懸念を緩和するお手伝いをしました。米国、英国、ドイツ、フランス、ブラジル、インドネシア、インドのデータ明細を掲載した 2020 年の Google Cloud Retail Holiday Reality Report をダウンロードするには、こちらにアクセスしてください。

-Google Cloud 小売および消費ソリューション部門バイス プレジデント Carrie Tharp

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