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Google Cloud で 3 倍の成長を支える e コマース リーダーの事例

2023年3月24日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 3 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Giglio の歴史は 1960 年代に遡り、創業者の Michele Giglio 氏が、実家の営む生地と縫製の店からアパレル ブティックという新しい方向へと舵を切ったところから始まりました。2008 年以降、同社は一貫して成長し、2014 年には Giglio.com で独自の e コマース プラットフォームを立ち上げ、イタリア国境のはるかかなたの買い物客に、地中海の活力に刺激を受けた商品を提供することを目標として掲げました。

Giglio.com の最高マーケティング責任者である Francesco Sabatucci 氏は、次のように述べています。「Giglio は地中海の中心地パレルモに拠点を構え、『地中海の地で、誇りを持って創造する』をモットーとしています。200 におよぶブティックと提携して複数のブランドを販売するとともに、オンライン マーケットプレイスの Giglio.com を通じて同業者のグローバル市場を開拓しています。」

顧客の需要が増加したことで、従来のオンプレミス環境にスケーリングの問題が生じたため、Giglio は 2018 年に Google Cloud とパートナーの Cloudmind と協力して、自社のインフラストラクチャをクラウドに移行することに決めました。

デジタル小売サービスを成功させるための基盤づくり

2016 年、Giglio は e コマースで前年比 40% の成長を達成し始めます。3 倍に拡大した商品カタログが従来のインフラストラクチャの負担となり、効率的に管理するには費用がかかりすぎて手に負えなくなってしまいました。また同社では、スケーラビリティの問題に加え、より最新で応答性の高いデジタル サービスを求める顧客の期待の変化に応えるのにも苦労していました。

「私たちは 2 つの新事実を発見しました。1 つ目は、モノリシック アーキテクチャからマイクロサービスに移行する必要があるということ、そして 2 つ目は、オンプレミスからクラウドに完全に移行する必要があるということです。Google ブランド、そして Google Cloud への Google の投資を信頼していたので、全面的に採用することに決定しました」と、Giglio.com で最高執行責任者を務める Marco Claudino 氏は述べています。

同社はすでに、Google パートナーの Cloudmind と協力して Google Workspace のデプロイと管理を進めていたため、デジタル トランスフォーメーションの取り組みにおいても相応しいパートナーになるであろうことを確信していました。

Claudino 氏は次のように語ります。「Google Cloud は常に技術革新に取り組み、新しいソリューションを提供しています。Cloudmind は Google Cloud が提供するあらゆるサービスに対する深い知識を備えた、優れたアドバイザーです。どのサービスを検討すべきかだけでなく、すべての Google Cloud ソリューションから最大の価値を引き出す方法についても、常に適切な提言を行ってくれます。」

また、Cloudmind は、Giglio にシステム統合と DevOps リソースを提供するとともに、Giglio チームを Google Cloud トレーニングで継続的にサポートしています。Giglio は、Cloudmind と Google Cloud に対する信頼感から、新たに構築したマイクロサービス インフラストラクチャのバックボーンとして Google Kubernetes Engine(GKE)を使用することにも自信を持っています。

DevOps のマインドセットをサポートする最新ツール

1990 年代から、Giglio には DevOps を重視する考え方が根付いています。時代と技術の進歩に伴い、同社は社内プロセスと顧客向けプラットフォームの両方を促進させるために、継続的インテグレーションと継続的デリバリー(CI / CD)パイプラインにさらに注力するようになりました。Giglio にとって GKE は適切な選択であったことが証明され、現在も企業戦略の中核であり続けています。

「当社では、デジタル マーケットプレイス、物流、カスタマー サービス、マーケティングの自動化、請求書発行など、全部で 8 つのサービスを管理しています。GKE や他の Google Cloud ソリューションのおかげで、CI / CD パイプラインの自動化を進め、DevOps パフォーマンスを向上させ、カスタマー エクスペリエンスに最も近いテクノロジーを容易に革新して管理できるようになりました」と、Claudino 氏は述べています。

イタリアのファッション業界の季節性を考慮すると、この利点は特に重要といえます。11 月のようなトラフィックが急増する月は、インフラストラクチャに負担がかかり、混乱が生じることがありましたが、プロビジョニングと自動スケーリングが簡素化されたことにより障壁が取り除かれ、需要の変動にかかわらず安定した機能を維持できるようになりました。

さらに、従来のオンプレミス インフラストラクチャと比較して、GKE はより効率的にオンデマンドでスケールできるため、IT 費用の管理も最適化できます。GKE の標準化に加え、Compute EngineGoogle Cloud StorageContainer RegistryApp Engine を使用することで、同社はよりアジャイルなクラウド インフラストラクチャを実現しています。

「今では、年間 40% の成長を遂げたとしても、それに合わせて 40% 以上の費用をテクノロジーに費やす必要はありません。IT インフラストラクチャの費用は安定させたまま、ビジネスの成長を加速させることができます」と Claudino 氏は付け加えます。

データ管理を強化して売り上げを拡大

Giglio の従来の IT 環境では、サイロ化されたデータにより部門間のコラボレーションが妨げられ、意思決定が阻害されるなど、データに関する課題もありました。そこで Giglio は Cloudmind と協力して、あらゆるデータソースの中央リポジトリとして BigQuery を活用することにしました。

Sabatucci 氏は次のように述べています。「e コマース ビジネスとして、当社には製品物流、販売、マーケティングなどの分野にわたる多くのデータがあります。BigQuery は、サイロ化されたデータストアから、信頼できる唯一の情報源を提供する統合環境へと移行することを可能にし、さまざまなレベルで当社に成果をもたらしてくれました。また、より高度な分析を行うために使用するオープンソース ツールとも簡単に統合できます。」

BigQuery を使用すると、データソースを結合して、データ モデリング、正規化、認証を行うことが可能になります。Giglio は長い間、ビジネス分析にデータポータルを使用してきましたが、現在は Looker に移行して全社のデータドリブンな意思決定を強化しています。

「以前は、販売、DevOps、マーケティングなどのチームが予定しているプロモーションや割引に関する詳細を簡単に共有する方法がありませんでした」と Claudino 氏は言います。「より優れた分析と一元化されたデータにより、DevOps や他のチームがより密接に連携できるようになりました。これにより、ビジネス全体の各種手配がよりスムーズになり、その結果、カスタマー エクスペリエンスが向上し、売り上げも増加します。」

より強固なデータ管理と分析に力を入れることで、Giglio はパートナーやサプライヤーと協力して在庫、販売、マーケティングの管理をよりスムーズに行うための情報を引き出すことができます。

また、Giglio は Google Cloud Marketplace を利用して、自社の IT 機能を強化する他のサードパーティ テクノロジーも見出しています。たとえば、同社はパートナーである Elastic の Elasticsearch ツールや、オープンソース版の MongoDB を使用して、エンタープライズ サーチやリレーショナル データベースのさらなるニーズに対応しています。

Giglio は現在、Vertex AI を使ってより高度な ML をテストし、Recommendation AI や Retail API などのすぐに使用できるソリューションに手を加えて、オンラインでのカスタマー エクスペリエンスを向上させています。

イタリアン ファッションで世界中のより多くのユーザーにリーチする

このようなすべての変化が、Giglio が世界中のお客様にサービスを提供しやすくしています。同社は主にヨーロッパで事業を展開していますが、最新のクラウド ソリューションと自社の DevOps の専門知識を活用して、北米とアジアにも進出する予定です。

Google Cloud のみならず、他の Google ソリューションも、Giglio の成長において重要な役割を担い続けていくことでしょう。

「Giglio は、Google Workspace、Google Cloud、Google 広告、YouTube、ChromeOS など、Google が提供するほぼすべてのサービスを利用しています。Google アプリやサービスを使用することで得られた成功を踏まえ、現在もそのソリューションを使用したり、ロードマップに加えたりしています」と Sabatucci 氏は言います。「マイクロサービスへの切り替えと Google によるトランスフォーメーションにより、運用費用を増大させることなく、売り上げを 3 倍にすることができました。Google と Cloudmind のおかげで、当社のインフラストラクチャは目標に沿ったものとなっています。」

加えて、Google Cloud のアカウント エグゼクティブである Antonio Petrullo は次のように述べています。「Giglio は、特別な会社です。このような IT 改善に向けたあらゆる取り組みによって、同社が最も大切にしている人々、つまり、お客様、南イタリアの若きファッション起業家、そして創造性を持ちながらも成功のきっかけを必要とする、未開の才能を持つ人々をサポートできるようになりました。Giglio はインスピレーションに溢れる会社です。」

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- Google Cloud パートナー チーム
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