Google Cloud パートナーがメディアとエンターテイメントのブームの火付け役に
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 4 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
この 10 年間、メディアおよびエンターテイメント業界が大きな変革を経験してきたことは明らかです。今なお、消費者は、よりパーソナライズされた多様なエンターテイメント サービスを求め続けています。この状況に対応するために、メディアおよびエンターテイメント企業は、これらの新しいサービスの市場投入までの時間を短縮しながら費用の最適化も実現する、パワフルで柔軟なツールを必要としています。そこで、Google Cloud とパートナー エコシステムの出番です。Google Cloud は、業界リーダーと連携することで、多様なコンテンツ、パーソナライズされたおすすめ情報、シームレスな視聴体験で満たされた未来をお客様のために切り拓く、オープンなエコシステムを促進しています。
生成 AI によってパーソナライズされた発見が重視されるように
消費者がコンテンツを発見する方法は大きく変化しています。閲覧者の関心を維持できるかどうかは、優れたコンテンツ発見体験を提供することにかかっています。この課題に対処するために、業界は新しい AI ツールとパートナーシップを通じて、イノベーションの波に乗っています。たとえば、グローバルなストリーミング テクノロジーおよびエンターテイメント企業である Cineverse は、Vionlabs、Datatonic、Google Cloud と連携して cineSearch を開発しました。これは、エンターテイメントそのものと同じくらい楽しい方法で、何を視聴すべきかを決めることを目的とした、会話型生成 AI を活用した検索および発見ツールです。ユーザーは、映画ファンという設定の chatbot である Ava とチャットをします。そうすると Ava はムードやジャンルといった視聴者の好みを分析し、ぴったり当てはまる映画のおすすめを提案して、その作品を視聴できるすべてのストリーミング サービスへのリンクを表示します。
Quickplay と Google Cloud が提携して、動画ストリーミングの発見のために次世代 AI を活用していることも、注目すべきコラボレーションです。Google Cloud AI を活用した、優れたエンターテイメント プラットフォームの Curator Assistant によって、キュレーターはパーソナライズされたおすすめ情報を含む動的な店舗を作成できます。さまざまなデータポイントと過去のパフォーマンスを分析することで、Curator Assistant は、よりシームレスなコンテンツ発見をサポートするインテリジェンスを提供し、最終的には視聴体験を改善します。
ワークフローの効率化と費用の削減
Google Cloud と革新的な企業との間のパートナーシップは、全体的な運用効率と費用削減を促進しています。たとえば、TelevisaUnivision は、AlvaLinks の Cloudrider テクノロジーを Google Cloud と統合することで、動画ネットワークをリアルタイムで把握できるようになりました。結果として、このスペイン語メディア企業は、問題の迅速な特定と対処、ワークフローの効率化、全体的な効率の向上を実現することができました。
Tape Ark は、世界最大級のテープベースのスポーツ放送動画コレクションの一つを Google Cloud に移行しました。これにより、放送局は、収益化の機会を可能にすることで、これまで利用されていなかった動画コンテンツの価値を引き出せるようになりました。また、古いテープ インフラストラクチャが必要なくなったため、ハードウェアのメンテナンス、ソフトウェア ライセンス、データセンターのスペースに関する費用が削減されました。このプロジェクトによって、ファンが楽しめる、スポーツのお気に入りの瞬間を大々的に集めた履歴アーカイブが作成されます。
最後に、ブラジルの大手メディア企業である Globo は、アジリティを向上させ、サステナビリティの目標を達成するために、視覚効果(VFX)ワークフローを Google Cloud に移行しました。このプロジェクトは、企業全体をクラウドに移行するという大規模な取り組みの一環でした。BeBop と HP Anyware を使用することで、Globo の編集者と VFX アーティストは、軽量のデバイスとインターネット接続だけで、リモートで働けるようになりました。これにより、従業員の高価なハードウェアへの依存が減っただけでなく、Globo の温室効果ガス排出量も削減されました。
成功に向けたスケールアップ: ライブ配信者の速度と能力の改善
現在のストリーミング サービスでは、膨大なコンテンツ ライブラリの処理と高画質の動画の配信には、堅牢かつスケーラブルな基盤が必要です。新たなテクノロジーと変化する消費者のニーズに適応することは、途方もなく大きな課題ですが、適切なテクノロジー パートナーシップによって迅速に変革することが可能です。例として、TelevisaUnivision は、Google Cloud のスケーラブルなインフラストラクチャと Akta の動画ワークフロー管理ソリューションを活用して、わずか 9 か月で巨大なストリーミング プラットフォーム、ViX をリリースしました。
ソーシャル機能で有名な人気の音楽ストリーミング アプリ、Stationhead は、有力なインタラクティブ動画プラットフォーム Phenix のリアルタイム音声認識技術を使用して、ジェニファー ロペスやオリヴィア ロドリゴといった著名人のカスタム チャンネルを強化しました。これらのチャンネルでは、ファン同士がつながり、一緒に音楽を聴き、お気に入りのアーティストとインタラクティブなイベントに参加することもできます。それらを実現するために、Google 独自のノウハウが活かされています。Phenix は Google Cloud インフラストラクチャ上で動作するため、Stationhead はこれらの機能を超低レイテンシで提供でき、競争上の優位性を得られます。
同様に、Globo は Bitmovin および Google Cloud と提携して、超高速のエンコード時間を実現し、費用を削減するとともに、8K などの要求の厳しい形式の場合でも優れた動画の品質をもたらします。このコラボレーションにより、費用を抑えながら、視聴者にスムーズな視聴体験を提供できます。
最後に、Amagi の経験は全体的な成長の傾向を反映しています。放送とストリーミング TV 用のクラウドベースの SaaS テクノロジーを Google Cloud インフラストラクチャと統合することで、Amagi はプラットフォーム上の放送チャンネルと FAST(広告付きの無料ストリーミング サービス)チャンネルが 30% 増加しました。このパートナーシップにより、放送局は、コンテンツ管理、多様な広告フォーマット、洞察に富んだ分析のための高度なツールを利用できると同時に、Google Cloud のスケーラビリティのメリットも享受できます。
創造力の限界を押し上げる
メディアとエンターテイメントの領域は、コンテンツの消費の効率を向上させることに限定されません。Google Cloud は、アートとテクノロジーが交差する領域でのイノベーションも促進しています。たとえば、私たちは最近、デジタル VFX サービス プロバイダである Gunpowder と連携して、トルコ人メディア アーティスト、レフィーク アナドール氏の「Dataland」プロジェクトをサポートしました。Google Cloud の高性能なインフラストラクチャが、複雑なデータのキャッシュと高忠実度のレンダリングの基盤を提供しました。これらはアナドール氏のデータに基づくアートにとって重要な要素です。
このようなパートナーシップは、テクノロジーが持つエキサイティングな可能性に光を当て、アーティストに力を与えて創造的表現の限界を押し上げて、アートとテクノロジーがシームレスに融合する未来への道を切り拓きます。
以上は、Google Cloud とパートナーが AI を使用してメディアとエンターテイメントの状況をどのように変革しているかを示すほんの一例です。協力することで、私たちはコンテンツの作成者と視聴者の両方にメリットをもたらすソリューションを生み出しています。この協調的なアプローチによって、今、業界のイノベーションと成長を促進して、将来すべての人に心躍るエンターテイメント体験を提供します。