みずほフィナンシャルグループ:Google Cloud トレーニングが新たなビジネス創出に生かされ、参加メンバーの成長も促進
Google Cloud Japan Team
株式会社みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほフィナンシャルグループ)は、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社(以下、グーグル・クラウド・ジャパン)と DX 分野における戦略的提携を実施しています。みずほフィナンシャルグループの社員リソースグループ(ERG)の 1 つで、テクノロジーとビジネスの関係性を学び、新たな価値創造を目指して活動するグループ「コクリエ(CocreA)」において、Google Cloud のトレーニングを実施し、テックスキルの底上げを目指しています。この取り組みについて、コクリエに所属するみずほフィナンシャルグループの担当者 2 名、株式会社みずほ銀行(以下、みずほ銀行)の担当者 2 名、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社(以下、みずほリサーチ&テクノロジーズ)の担当者、およびトレーニングを実施したクラウドエース株式会社(以下、クラウドエース)の担当者 2 名に話を伺いました。
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Google Cloud 公式ユーザー会 Jagu'e'r への参加で外部の知見を吸収
みずほフィナンシャルグループでは、国籍や性別、文化、価値観、組織などが異なる多様な社員が、ERG(Employee Resource Group)活動を推進。グローバルで延べ 4,000 人以上が活動に参加し、知識や経験を共有しながら自主的に学び、モチベーションを高め合うことで、一人ひとりの成長と活躍を支援し、会社の成長につなげています。その取り組みの 1 つであるコクリエは、コラボレーション、クリエーション、リレーション、エボリューションを合言葉に、出会いと学びを通じて、新しい価値の創造を目指し活動しています。
みずほフィナンシャルグループ セキュリティ&データマネジメント部の大和田 早記氏は、「コクリエは、自分の業務に限らず、自発的にテックを学びたい社員が『知っている人を知る、殻をやぶろう』をスローガンに 2018 年より活動しています。所属メンバーは、エンジニアだけでなく、営業店や事務部署等に所属するエンジニア以外の社員も含め、約 800 名です。活動で得た経験や知識を業務に生かしたり、部署やグループ会社の垣根を越えてつながり合うことで、社員自ら One MIZUHO を広げる活動を推進しています」と話します。
コクリエでは、〈みずほ〉内の活動に留まらず、外部の知見を吸収する場の実現を検討していましたが、社内のメンバーだけで勉強できる内容には限りがあることから、外部の人たちとつながることで外の知見を得ることが必要でした。そこで、2020 年 11 月に設立された Google Cloud 公式ユーザー会 Jagu'e'r(Japan Google Cloud Usergroup for Enterprise)に、コクリエとして参加することにしました。
みずほ銀行 リテール法人推進部 営業開発チーム 調査役の市川 新之助氏は、「コクリエに参加している非デジタル人材が、デジタルに触れる機会が少ないと感じていましたが、社内の IT 担当者にトレーニングの講師を頼むのは時間の制約からなかなか困難でした。そこで Jagu'e'r が発足してすぐに、トレーニングのプログラムを作ってもらえないかとお願いしたところ、クラウドエースの担当者を紹介してもらい、Google Cloud のトレーニングの実施を実現できました」と話しています。
今後ぜひ社内に広めたい BigQuery によるデータ分析
Google Cloud トレーニングについて、みずほ銀行 神田支店 個人営業2課 課長の岡崎 康浩氏は、次のように話します。「普段はクラウドを使ったり、システムを開発したりする立場ではないので、非常に新鮮で楽しく学べました。現在は、Looker を使ってデータ分析を行っていますが、実際にはデータを並べる機能だけの利用で、非構造化データの分析機能は使っていません。今後はどのような分析のときに、どのデータを使うのかなど、さらに具体的な部分もサポートをしてもらえることを Google Cloud には期待しています。」
また、みずほリサーチ&テクノロジーズIT本部 第3事業部 第3部 第2チーム 第1課の平野 桜子氏は、「以前、外部委託管理の業務を担っていた際に、いろいろなデータを分析した結果を見たいというリクエストがあり、さまざまなツールを使っていました。ハンズオンで使った BigQuery は、見たい分析を表やグラフで簡単かつわかりやすく可視化できるので、今後ぜひ社内に広めたいと思っています。また、AI で新しいものを生み出せる知識を得たいと思っています」と話します。
さらに、みずほフィナンシャルグループ デジタルイノベーション部 インキュベーション推進チーム デジタルストラテジストの金森 晴子氏は、次のように話します。「技術的な話だけでなく、資格の取得の体験談なども話してもらえたので、自分自身もがんばってみようと思いました。それが今の部署へ異動を希望するきっかけになりました。トレーニングで聞いた話が、さっそく仕事にも生かされ、自身の成長にもつながっています。」
今後、グーグル・クラウド・ジャパンに対する期待について市川氏は、「IT には詳しくないので、トレーニングについていくのは大変でしたが、外部の人と触れ合う機会があまりなかったので大いに刺激になりました。現在、eKYC(electronic Know Your Customer)機能によるみずほe-口座の本人確認や、個人営業領域における実績管理の高度化を実現する営業店 BI に Looker が採用されるなど、イノベーションにつながる取り組みに Google Cloud が利用されています。今後のパートナーシップの加速により、グーグル・クラウド・ジャパンのさらなるサポートを期待しています」と話しています。
ビジネスサイドの人が Google Cloud を使い始めるきっかけを提供
今回、コクリエ向けのトレーニングのプログラムを監修したのは、Google Cloud のプレミアパートナーであるクラウドエースです。現状、2 回のトレーニングを実施。各回、約 20 名が参加しています。同社のトレーニングは、通常は 1 日 8 時間で実施されますが、みずほフィナンシャルグループの ERG は業務時間外に活動していることから、1 回目のトレーニングではカスタマイズしたプログラムを実施することを提案。水曜日の業務時間後に 2 時間のトレーニングを 4 週かけて実施しました。
クラウドエース 事業推進本部 事業企画2部 部長の関根 秦氏は、「コクリエのメンバーは、業務終了後の時間や休日に活動しているので、最初はミーティングの時間を設定するのに苦労しました。また普段は IT サイドの受講者が多いのですが、今回はよりビジネスサイドの受講者が多かったので、その部分ではチャレンジでした。そこで Google Cloud を知ってもらうための、もっとも基礎的な公式トレーニングをベースに、ビジネスサイドの受講者や今後 Google Cloud を使ってみたいという人に学びの場を提供する、できるだけわかりやすいプログラムにすることを心がけました」と話します。
1 回目のトレーニングでは、Google Cloud とは何かを学ぶのはもちろん、どのような新しい世界を実現できるのか、そのためにどのような資格の取得が必要なのかなど、実際の事例を交え、できるだけイメージしやすいトレーニングにすることを意識しました。しかしトレーニング後のアンケートでは、「少し難しかった」という回答もあり、その部分をいかにフォローアップするかが課題でした。その課題も踏まえ、2 回目のトレーニングは、休日の土曜日に 1 日 8 時間の研修を実施しました。
クラウドエース 事業推進本部 エモーショナルエバンジェリストのラリオス 川口氏は、「2 回目では、”クラウドとは何か”、”Google Cloud の特徴”という 2 つのステップで話を進めました。公式の資料を使いつつ、独自の資料も作って、初心者にもわかりやすい内容にしています。また座学だけでなく、Google Cloud でもっとも人気の高い BigQuery を利用したデータ分析のハンズオンも実施しました。自分自身もエンジニア出身ではないので、非エンジニアの視点で講義することを意識しました」と話します。
今後のトレーニングについて関根氏は、「いろいろなアイデアがありますが、特にビジネスサイドの人たちが Google Cloud を使い始めるきっかけを提供したいと思っています。たとえば、ビジネスチームとエンジニアリング チームがいかにコミュニケーションをして、Google Cloud のどのプロダクトを使えば新しいビジネスが創出できるのかが理解できるトレーニングです。バックグランドの違う人が集まるからこそ、ビジネスのイノベーションが生まれると思っているので、引き続き一緒に Google Cloud を学んでいきたいと思います」と話しています。
2003 年 1 月に設立。銀行持株会社として、銀行持株会社、銀行、証券専門会社、その他銀行法により子会社とすることができる会社の経営管理およびこれに附帯する業務、その他銀行法により銀行持株会社が営むことのできる業務を行うことを事業目的とし、グループの経営効率の向上と事業分野、機能面における特色・強みの結合を実現するために必要な経営管理等を行っています。2019 年度からの 5 年間を計画期間とする「5 ヵ年経営計画 ~次世代金融への転換」に基づき、「日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ」として、常にフェアでオープンな立場から、時代の先を読む視点とお客さまの未来に貢献できる知見を磨き、最高水準の金融サービスをグローバルに提供しています。
インタビュイー
・株式会社みずほ銀行
リテール法人推進部 営業開発チーム 調査役 市川 新之助 氏
・みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
IT本部 第3事業部 第3部 第2チーム 平野 桜子 氏
・株式会社みずほフィナンシャルグループ
デジタルイノベーション部 インキュベーション推進チーム デジタルストラテジスト 金森 晴子 氏
・株式会社みずほフィナンシャルグループ
セキュリティ&データマネジメント部 大和田 早記 氏
・株式会社みずほ銀行
神田支店 個人営業2課 課長 岡崎 康浩 氏
(Google Cloud パートナー)
インタビュイー
・事業推進本部 事業企画2部 部長 関根 秦 氏
・事業推進本部 エモーショナルエバンジェリスト ラリオス 川口 氏
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