クローバーラボ株式会社 : マネージド サービスを利用し音声に反応するマーケティング ソリューション「Signotice」を少人数の開発体制で短期間にリリース
Google Cloud Japan Gaming Team
編集部注: この投稿は、クローバーラボ株式会社 マーケティングソリューション部 荻野 侑 氏へのインタビューをもとに、Google Cloud Japan: Gaming team が執筆したものです。
「長く愛されるコンテンツを自分たちの手で。」をテーマに企画・開発・デザインまで一貫して行い、過去に 700 万ダウンロードを突破した『ゆるドラシル』などのオリジナル タイトルを運営する大阪に本社を置くゲーム会社、クローバーラボ株式会社。昨今はゲーム以外の事業開発にも力を入れており、本件で紹介するマーケティング ソリューションもこういった企業活動から生まれたものになります。今回は、「Signotice」という音声に反応するマーケティング ソリューションの企画責任者であるプロジェクトリーダー荻野様にお話を伺いました。
導入前の課題
・社内のスタートアップ的なプロジェクトにおいて少人数のチームで企画からサービスのリリースを行わなければならない状況で、インフラにかけることのできるリソースがとても小さかった。
・サービスが利用され始めると利用量がスパイクする可能性があり、サービス利用規模の増減に合わせて柔軟に対応できるインフラが必要不可欠だった。
導入後の効果
・負荷試験においてもサービスの状況に応じてスケール対応できることが確認できた。
・マネージド サービスを利用することによってインフラのメンテナンス コストを抑えることができると想定している。
・インフラコストもビジネスの状況に応じてスケールイン・スケールアウトするため適正なコストで運用できると想定している。
利用している Google Cloud サービス
App Engine, Cloud Run, BigQuery など
Google Cloud 導入前の課題
「現在私たちが開発しているサービスはテレビ CM などのマスマーケティングの音声をスマートフォンが検出し、通知情報を送信するという用途が主な利用シーンであると想定しています。どのテレビ CM の音声を検出できるようにするのかといった設定は、管理画面上からパートナー企業様で自由に設定していただくことが可能です。そのため、本サービスを利用して通知情報を送信するテレビ CM について「いつ」「どの地域で」「どの企業の」「どの CM が」放送されるか、弊社側でサービスの利用が集中する時間や、その規模を予測することが難しい状況でした。また全国区で同じ時間に同じテレビ CM が放送された場合、大規模なアクセスが発生する可能性がありますが、一方で人が活動していない深夜などの時間帯ではほとんどアクセスが発生しないなど、時間帯やタイミングによって利用者の数が大幅に異なることが想定できたため、より自由度の高いスケーラビリティな環境が必要でした。」
Google Cloud の導入目的と選定理由
「弊社側でサービスの利用が集中する時間や、その規模を予測することが難しいといった状態のため、サーバーコストを考えるとオートスケールが可能なクラウドサーバーを選択するというのは必須でした。幸い、社内に Goole Cloud の利用経験があるエンジニアもいましたし、データ分析の観点における今後の拡張性を考えた場合、Google アナリティクスや BigQuery、Data Portal など、同一企業が提供している親和性の高いツールが多くあることは非常に魅力的でした。」
導入効果とメリット
「現在、音声の検出から Push 通知が開封されるまでの各種ログを BigQuery に送信し、そのデータのレポーティングを Data Portal で行っています。非エンジニアであっても簡単にログの分析や抽出が行える環境を用意することができました。サーバーの監視からデータ解析、レポート出力まで一元管理できていることはサービス運営上、非常にメリットとなり得る部分だと思っています。」
今後の展望と Google Cloud への期待
「本サービスは 2022 年 2 月に β 版としてサービスを開始し、現在はサービスの利用拡大に向けて導入してくださる企業を募集しております。「あらゆる音声をマーケティングに活用する」をコンセプトとし、本サービスをマスマーケティングにご活用いただくことで、テレビ CM の視聴による認知獲得から、スマートフォンへの Push 通知送信による行動喚起までをシームレスに行うことができます。テレビ CM を見るだけでお得な情報やクーポンが入手できるようになる、そんな新しい顧客体験を1人でも多くのユーザーの皆様に提供できるようチーム一丸となって精進していきたいと思っています。また、今後は機械学習による音声検出の精度の改善なども視野に入れ、サービスの性能向上を図っていきたいと考えていますので、その分野においても引き続き Google Cloud の機能を有効活用していきたいと思っております。」
クローバーラボ株式会社(代表取締役 小山 力也)2009 年 7 月設立。2021 年に 7 周年を迎えたスマートフォン向け本格派 RPG『ゆるドラシル』や、「魔界戦記ディスガイアシリーズ」の日本一ソフトウェア様との協業タイトル『魔界ウォーズ』など自社開発タイトルから他社との協業タイトル、受託開発までスマートフォン向けゲームアプリの領域で幅広い事業を展開。
Google Cloud エンジニアのコメント
Signotice のプロジェクトは少人数構成のチームのため、インフラの構築と運用のコストを削減する必要がありました。 またサービスの特性上、時間帯やタイミングによってアクセスが大きくスパイクすることが予測されたため、そのトラフィック パターンに応じてスケールできる柔軟なインフラが必要となりました。Google Cloud のサーバーレス プラットフォームである Cloud Run は、マネージドなコンテナ環境であり、トラフィックに応じて瞬間的にスケールアウト・インすることができるため、開発及び運用に置いてインフラを抽象化することができます。クローバーラボ様の課題の解決に Google Cloud のマネージド サービスが貢献できたことを心から嬉しく思います。
(Google Cloud: Wonha Shin)
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