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Anthos

Anthos オンプレミスとベアメタル版 Anthos をベースにする Google Distributed Cloud Virtual

2022年6月24日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 6 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google は昨年、Google のインフラストラクチャをエッジとデータセンター内に提供する、ハードウェア、ソフトウェア、サービスのポートフォリオ Google Distributed Cloud(GDC)を発表しました。3 月には、Google Distributed Cloud Edge が一般提供となり、新しい通信エッジ ワークロードとエンタープライズ エッジ ワークロード向けの、ハードウェアおよびソフトウェア統合ソリューションが利用可能になりました。そして本日ご紹介するのは、Google Distributed Cloud Virtual です。ソフトウェアとサービスのみのソリューションであり、統合された新しいプロダクト ファミリーとしての GDC ポートフォリオに、既存の(VMware vSphere とベアメタル版 Anthos のサービス向け)Anthos オンプレミスが加わりました。

Anthos オンプレミス(新名称「GDC Virtual」)をご利用のお客様には、今まで通りの一貫した管理とデベロッパー エクスペリエンスが提供されます。現在の機能や料金構成、ユーザー インターフェース全体の外観は変わりません。また、一貫した追加ロードマップを今後もご利用いただけます。GDC Virtual をこれからご利用されるお客様にとっては、その機能は、(クラウドへの移行を加速させるよう設計されている)GDC Edge と GDC Hosted のサービスを完結させるものになるでしょう。

これらのサービスをまとめることで、Edge、Hosted、Virtual 向け Google Distributed Cloud ポートフォリオでは、どのような IT 環境を選択しても、共通の Anthos API を基盤とし、開発とセキュリティ、管理における一貫性のあるエクスペリエンスを提供します。たとえば、フォーム ファクタの種類をシステム全体から選択する機能があります。ソフトウェアのみのソリューションと、ハードウェアおよびソフトウェア統合ソリューションのどちらかを選ぶ、あるいはセルフマネージドと、Google や別の信頼できるパートナーによるフルマネージドのどちらかを選ぶことができます。お客様固有のビジネスとワークロードのニーズに応じて、組織に最適なシナリオを選びましょう。

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クラウドで管理され、お客様のインフラストラクチャにデプロイされた GDC Virtual を使うことで、Google Cloud のソフトウェアのみの拡張が提供され、以下のことが可能になります。

  • お客様が選択する要件とフォーム ファクタで、VM 上の GKE クラスタと既存のベアメタル インフラストラクチャのプロビジョニングと管理を自動化する。また、Google Cloud コンソールを使って vSphere で Anthos クラスタをプロビジョニングする

  • デベロッパーが、コンテナベースのワークロードを Kubernetes に直接ビルドとデプロイができる、またはアプリケーション ランタイムにビルドとデプロイができる

  • クラウドとオンプレミス クラスタ全体に連携セキュリティとアクセス制御、ID 管理を適用する

これらの機能についてより具体的に理解していただくため、お客様が GDC Virtual をデプロイする例を以下に示します。

  • あるお客様が自身が所有する VM 環境に多額の投資をしています。GDC Virtual を選択することで、既存のインフラストラクチャを活用し、モダナイズされた新しいアプリケーションを実行できます。

  • あるお客様が高度な AI / ML ワークロードを各店舗に提供したいと考えています。お客様の施設内でデプロイする必要があることから、フットプリントとハードウェアに関して特定の要件があります。GDC Virtual を使うことで、新しいワークロードを特定の要件を満たしたハードウェアとフットプリントにデプロイできます。

  • ある大手自動車メーカーがアプリケーションをクラウドに移行しようとしています。取り組みの中で、既存のオンプレミスの投資を活用しています。GDC Virtual を選ぶことで、クラウドに移行する前にアプリケーションをモダナイズできます。

GDC Virtual の導入が急速に増加

一貫性のあるクラウド運用モデルとデベロッパー エクスペリエンスを提供するため、Anthos は 3 年前に開発されました。その後、Anthos の導入は急激に増加し続けてきました。実際、2021 年から 2022 年の間に Anthos プロダクトのお客様は 5 倍以上に増えました。同じ期間で、ベアメタル版 Anthos(現在は Google GDC Virtual)のお客様は 4 倍以上になりました。お客様が Anthos を利用する方法は多様になっており、GDC Edge、Virtual、Hosted はすべて Anthos で動作します。注目すべきお客様の事例をいくつかご紹介します。

TELUS - 通信技術の大手プロバイダ TELUS は、Anthos オンプレミスの機能によって新しいマルチアクセス エッジ コンピューティング(MEC)のユースケースを実現しました。この新しい通信エッジ ソリューションでは、トラフィックの処理と管理を一元管理型のクラウドから TELUS の 5G ネットワークのエッジに移すことで、お客様のより近くでアプリケーションをデプロイし、コンテンツを処理することが可能となり、パフォーマンス、セキュリティ、カスタマイズの向上など複数の利点が得られます。たとえば、新しい Connected Worker Safety ソリューションをさまざまな業種で利用して、安全性の向上、負傷事故の防止、人命救助に役立てられるようになります。このソリューションの詳細はこちらをご覧ください。

Major League Baseball(MLB) - MLB は米国とカナダにある 30 のチームをサポートしており、クラウドと各球場にオンプレミスのデータセンターを備えたエッジでワークロードを実行しています。Anthos を使用することで、これらのワークロードをコンテナ化し、アプリケーションにとって最適な場所でワークロードを実行することが可能となっています。特に、スタジアム内のデータをファンやブロードキャスト、あるいはスコアボードに配信するなど、レイテンシの理由から球場内でローカル コンピューティングを実現する必要があるシナリオが可能になります。これによって、MLB の 30 のチームにデータの民主化と配布を行い、分析情報とファンのエンゲージメントにかかる時間を短縮できています。

Google コーポレート エンジニアリング - Google コーポレート エンジニアリングは、Anthos で、共通のツールを使うことで、オペレーションを一貫させ、Google Cloud とオンプレミス分散型クラウド環境全体の費用を減らすことに取り組んでいます。2021 年に、Google はベアメタル版 Anthos を使って、企業のオフィスのエッジ環境で最初の本番環境ワークロードを実行し始めました。2022 年には、ホストするデータセンターに最初の本番環境ワークロードを追加しました。年末までに、Google は仮想化プラットフォームのかなりの部分を GDC Virtual に移行する計画をたてています。この最後の移行の中には、セキュリティや財務、IT などの会社のオペレーションにとって重要な多数のエンタープライズ ワークロードが含まれます。

Google Distributed Cloud で柔軟な選択

Google にとって、お客様の変換の要件に対応することは、オープン性と選択肢を取り入れた Google Distributed Cloud ポートフォリオを提供することです。GDC Virtual では、実績のある Anthos スタックで構築された新しい消費モデルを、インフラストラクチャ上でのソフトウェアのみのデプロイの選択肢としてお客様に提供します。これによってモダナイゼーションに取り組むことができ、自身のビジネスに適したペースで前進することができます。

GDC Virtual のこの更新によって、Google Distributed Cloud ポートフォリオでは、オンプレミスからエッジ、そしてクラウドへの一貫したオペレーションが可能になりました。

GDC Virtual の詳細については、Google Distributed Cloud のウェブサイトをご覧ください。現在 Google Cloud をご利用のお客様の場合は、Anthos Service Mesh と構成管理を GKE クラスタに追加することで、Google Distributed Cloud をご確認いただけます。


- Cloud Native Runtimes エンジニアリング担当ゼネラル マネージャー兼バイス プレジデント Chen Goldberg
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