Pega: Google Cloud で SAP を使用してビジネス オペレーションを最適化
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 3 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
顧客エンゲージメントとインテリジェント オートメーションを実現するクラウド ソフトウェアのリーディング プロバイダである Pegasystems にとっての成功は、顧客にスケーラビリティの高いシステムを提供できるかどうかにかかっています。しかしこのケースでは、従来型のデータセンターに中核となる SAP システムが置かれていたため、IT 部門は日々のメンテナンス作業に追われ、顧客に価値をもたらす戦略的なプロジェクトに時間を割けなくなっていました。
2020 年、Pega は、SAP ERP Central Component(ECC)や SAP HANA データ ウェアハウジングなどの SAP 環境を Google Cloud にデプロイすることを選択しました。このデプロイでは、Pega が以前のデプロイで直面していた課題の多くを解決することができました。さらに、Pega の SAP システムの信頼性が高まり、ビジネスでの正しい意思決定をサポートする新たな高性能データ機能を活用できるようになっています。
課題: アジリティの不足
Pega は第三者のデータセンターで SAP スイートを運用していましたが、そのデータセンターは従来型のサーバーとストレージで構築されており、Pega のニーズを満たすのに必要なスケーリングとアジリティが不足していました。たとえば容量を増やすには、多すぎる作業に加え、ホスティング プロバイダとの調整が必要で、許容できないレベルのダウンタイムが発生することも多くありました。Pega の IT チームは、Pega の成長に必要な変革的試みに注力する時間を割けず、SAP システムの動作確認に時間とリソースを費やさざるを得ませんでした。
ソリューション: IT 部門のメンテナンス作業を軽減し、ビジネスにおけるインサイトを高める
Pega は、エンタープライズ アーキテクチャ、柔軟性、オペレーション コストに注目し、複数のパブリック クラウド プロバイダを検討した結果、Google Cloud を選定しました。Pega の IT 担当バイス プレジデントである David Vidoni 氏は、次のように述べています。「Google Cloud での SAP は、再現性の高い実績あるアーキテクチャです。信頼できるスタッフにより、スムーズな移行が実現するものと確信していました。」
Google Cloud での SAP のスペシャライゼーション パートナーである Managecore と協力したことで、Pega は 30 台のサーバーの Google Cloud への移行をわずか 9 週間で完了しました。Managecore は、内部で実行され、SAP 環境と統合される顧客向けソリューションの切り替え、テスト、統合業務を Pega が管理できるよう支援しました。さらに、Google Cloud の Cloud Acceleration プログラム(CAP)による支援もありました。CAP は、Pega にとって不可欠なイネーブラーであり、移行プロセスを簡素化するツールと、インフラストラクチャ費用を軽減する報奨金を SAP のお客様に提供します。
Google Cloud への移行により、Pega での顧客サービスは向上しています。Vidoni 氏は次のように述べています。「Google Cloud のおかげで、ダウンタイムやサービスの停止が最小限になり、提供できるサービスの質も向上しています。システムの拡大に伴うお客様のニーズに合わせた容量の追加も、とてもシンプルになっています。」
Google Cloud での SAP への移行によるその他のメリットとして、信頼性、スケーラビリティ、アジリティの向上が挙げられます。
信頼性: Google Cloud のインフラストラクチャにより、Pega の IT リソースへの負担が大幅に軽減されました。Google Cloud に移行して以来、Pega の IT チームが SAP の運用保守に費やす時間は 3 分の 1 に短縮されています。
新たな分析機能: メンテナンス作業が軽減されると、顧客のニーズやそのニーズを満たす方法を明らかにするデータの分析により時間を割くことができます。Google Cloud に移行したことで、SAP HANA のデータに簡単に接続できるようになりました。豊富なデータを統合することで、より迅速で、より良い情報に基づいた意思決定が可能になっています。Vidoni 氏は次のように述べています。「データは私たちの生命線です。行動につながるインサイトを得るため、そして競合他社よりも優位に立つため、必要な情報を簡単に見つけることができるよう努力しています。」
スケーラビリティとパフォーマンス: Pega ではパフォーマンスが向上し、必要に応じてリソースをスケールアップ、スケールダウンできるようになりました。たとえば、Pega はフィールド チームにサンドボックス化された SAP HANA 環境を提供できるようになる予定です。この環境では、ソフトウェア開発プラットフォームとの新たな統合をテストできます。これらの開発環境の立ち上げは、移行前に比べてはるかに簡単で迅速になっています。
セキュリティとコンプライアンス: Google Cloud の導入により、SAP HANA を実装する際のセキュリティ体制も格段に強化されています。Pega の障害復旧プロセスの合理化が加速し、コンプライアンス テストも容易になっています。
Pega の次なる展開
Pega の SAP アプリケーションが Google Cloud 上で稼働するようになった現在、Pega は SAP ERP 環境を ECC から S/4HANA に移行することを視野に入れています。これが実現すれば、Pega は、まったく新しいクラウド中心の機能をスイート内で利用できるようになります。一方で Vidoni 氏は、システムやサービスを顧客に大規模に提供する方法を変革するために、Google Cloud がもたらすことのできる可能性をさらに模索し続けています。「将来を見据えた環境で SAP を運用することで、現在も未来も、従業員やお客様に最高のサービスを届けることができます。」
Google Cloud での SAP のデプロイに関する Pegasystems の声をご覧ください。また、他の SAP のお客様がどのように成功を収めているかもご確認ください。
-Google Cloud SAP 担当マネージング ディレクター Snehanshu Shah