精度、信頼性、移動手段を改善し、お客様とドライバーのエクスペリエンスを向上
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 7 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
昨年、Google は新たにオンデマンド配車および配達ソリューションをリリースしました。このサービスは、企業がオペレーションを改善し、予約から配車または配達までのドライバーとお客様のエクスペリエンスを変革できるよう支援することを目的としています。オンデマンド配車と配達において、時間はきわめて重要です。ユーザーが配車の予約やフード デリバリーの注文をする際には、シームレスなエクスペリエンスとリアルタイムの情報更新が求められます。現在Google は、位置情報、時刻、距離の精度、並びにバイクルートのデータ品質の改善に注力しています。
機械学習により位置情報の精度を向上
位置情報の精度はお客様の業務の基盤です。モバイル デバイスからの位置信号はさまざまな理由から途切れることがあり、ドライバーの位置情報が滞ったり、飛び飛びになることがあります。
最近、Google のフリート管理プロダクトにおいて、特定の管理車両で使用するために、複数の位置情報に関する信号を取り入れ、その中から最も信頼性の高い位置情報を決定する手法を開発しました。その手法により、以下のような劇的な改善が見られました。
位置情報の長い「滞り」がほぼなくなりました。車両の「滞り」とは、車両が動いていると考えられるものの測定された位置情報が元の位置から動いていない場合を指します。
位置情報に関する信号の飛びを 52~86% 削減しました。この「飛び」とは車両の位置が急に、また多くの場合大きく移動したように見えることです。移動した距離と比較して車両の速度が現実的ではない場合に、飛びが発生したと判断されます。
飛びの平均的な距離についても 44~86% 削減しました。「飛びの距離」とは、「位置情報の飛び」が発生したと判断されたときの、2 つの連続した地点間の距離を表します。
車両の位置情報の信頼性が高いと、配車時のマッチングの質も向上します。つまり、配車を決定するために最適な判断ができる可能性が高くなるということです。これにより、ユーザーの待ち時間を低減でき、ドライバーの満足度が高くなり、キャンセルが減りました。
バイクルートにおける到着予定時刻の精度向上
多くの地域では、道路空間に余裕があるとは言い難く、自動車の保有には非常に高い費用がかかるため、バイクが主な移動手段となる場合もあります。バイク用のマップには、独自の経路案内、到着予定時刻、ナビゲーション機能が必要です。バイクの経路案内と到着予定時刻の推定精度の向上により、Gojek は、Wi-Fi がつながりにくい地域や、マップ上に存在しない道路がある地域でも、サービス全体の質を向上させることができました。
最近では、バイクに特化してトレーニングされた新しい機械学習モデルの開発により、到着予定時刻の結果がさらに向上しました。こうしたモデルを使い、さまざまな地域やシナリオで生じる多様な混雑状況と交通の流れを処理しています。
到着予定時刻の精度は世界全体で、一般の運転者に対しては最大 8%、オンデマンド配車および配達の到着予定時刻の精度は最大 6% 改善しました。移動や注文の状況をリアルタイムに把握するのがユーザーにとって当たり前になったこのオンデマンド型経済においては、こうした改善がユーザー エクスペリエンスを大幅に向上させます。
Google はこれからもお客様の要望とニーズに寄り添い、自動車とバイクの両面から、オンデマンド配車および配達サービスに革新をもたらしていきます。配車と配達の最適化において、一般ユーザー、ドライバー、フリート オペレーターすべてにとってシームレスなエクスペリエンスを構築することにより、お客様の成功に全力を尽くしています。
Google Maps Platform の詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
-Google Maps Platform プロダクト マネージャー Yaron Fidler
-Google Maps Transportation プロダクト マネージャー Johann Lau